はじめに
はじめに
この章では、本資料の目的と読み方をやさしく説明します。本資料は「ssl 04」に関する複数の記事を要約し、SSLとその後継であるTLSについて基礎から分かりやすく整理したものです。日常的なインターネット利用での安全性を理解したい方向けに作成しました。
本資料の目的
- SSL/TLSの基本的な役割を直感的に伝えます。例えば、オンラインショッピングでカード情報を守る仕組みや、メールの送受信が第三者に見られないようにする仕組みを例に挙げます。
- 用語の違いや通信の流れを図や段落で順を追って説明します。
対象読者
専門家でなくても、インターネットの安全性に関心がある方を想定しています。技術用語は最小限にし、具体例で補います。
この章で期待できること
本章を読むと、資料全体の構成と各章で何を学べるかが分かります。次の章ではTLSとSSLの違いをわかりやすく解説します。
注意事項
情報は複数の記事の要約に基づきます。細かい仕様や最新のプロトコル変更は個別記事や公式資料も併せて確認してください。
TLSとは?概要やSSLとの違いをわかりやすく解説
TLSとは
TLS(Transport Layer Security)は、インターネット上の通信を暗号化して安全にやり取りする仕組みです。平文のままだと第三者に内容を見られたり改ざんされたりする恐れがあるため、TLSはそのリスクを下げます。Webサイトで表示される「https://」はTLSが働いている例です。
SSLとの違い
SSLはTLSの前身です。設計当時は十分でしたが、後にPOODLEなどの脆弱性が見つかりました。TLSはその問題点を改良しており、現在はTLSが標準として使われます。例えると、SSLが初代の鍵なら、TLSは改良版の頑丈な鍵です。
TLSの3つの役割
- 暗号化:通信内容を読めないようにします(手紙を封筒で包むイメージ)。
- 完全性:途中でデータが変えられていないか確認します(封が破られていないかチェック)。
- 認証:相手が本物のサーバーか確認します(差出人の身元確認)。
TLSの仕組み(簡単な流れ)
- クライアントとサーバーが最初に挨拶を交わします(暗号方式の合意)。
- サーバーは証明書を渡し、サーバーの正当性を示します。
- 公開鍵を使ってクライアントとサーバーが共通のセッション鍵を作ります(この鍵で実際の通信を暗号化します)。
利用例
WebのHTTPS、メールの送受信、API通信などでTLSは広く使われています。日常のネット利用でデータを守る大切な仕組みです。
HTTP、HTTPS、SSL、TLSの違いと暗号化の仕組み
HTTPとHTTPSの違い
HTTPは情報をそのまま送るため、手紙を封筒に入れずにポストに投函するようなものです。盗聴や改ざんの危険があります。HTTPSは封筒に入れて送るイメージで、通信を暗号化して安全性を高めます。
SSLとTLSの違い
SSLは1990年代に作られた元の仕組みで、のちにTLSという新版に置き換わりました。仕組みは似ていますが、TLSは安全性や性能が改善されています。日常ではTLSを使っていると考えて差し支えありません。
HTTPSでの暗号化の流れ(簡単な手順)
- サーバーは証明書と公開鍵をクライアントに送ります。証明書はそのサーバーが本物かを示す身分証のようなものです。
- クライアントは証明書の正当性を確認します(信頼できる機関が発行しているかなど)。
- クライアントは後続の通信で使う一時的な鍵(セッション鍵)を作り、サーバーの公開鍵で暗号化して送ります。
- サーバーは自分の秘密鍵で復号し、両者は同じセッション鍵を共有します。
- 以降は速くて安全な対称暗号(同じ鍵で暗号化・復号)で通信します。
TLSハンドシェイクのポイント
ハンドシェイクでは利用する暗号の種類や鍵交換方法を決めます。両者が合意すると、Change Cipher Specという通知で暗号設定を切り替え、実際の暗号通信に移ります。公開鍵は主にセッション鍵を安全に渡すために使い、通信本体は対称鍵で暗号化して効率良く守ります。
SSLの仕組みとセキュリティ効果
仕組み(簡単な流れ)
- ブラウザなどのクライアントがサーバーに接続を始め、使える暗号の候補を送ります。
- サーバーは証明書(身分証明書のようなもの)を送り、公開鍵を提示します。
- クライアントは証明書を発行した機関(認証局)を確認し、正当なサーバーか検証します。
- クライアントは共通で使う暗号鍵を作り、それをサーバーの公開鍵で暗号化して送ります。
- 以後は両者がその共通鍵で通信を暗号化してやり取りします。
暗号の役割(具体例で説明)
- 公開鍵(=宛先の錠):誰でも使えますが、受け取れるのは本物の持ち主だけです。鍵で送るのは共通鍵(=箱に入れた資料)です。
- 共通鍵(=箱を開ける鍵):通信の中身を速く暗号化します。公開鍵は共通鍵を安全に渡すために使います。
得られるセキュリティ効果
- 秘密性:通信内容が暗号化され、第三者の盗聴を防ぎます。例えばログイン情報やクレジット情報を第三者に見られません。
- 完全性:途中でデータを書き換えると検知できます。改ざんが起きると通信が止まります。
- 認証:正しいサイトと通信していることを確認できます。偽のサイトに情報を渡すリスクを下げます。
注意点と限界
- 証明書が正しく発行・管理されないと安全性が下がります。
- 端末がウイルスに感染していると通信内容は守れません。
- ブラウザの警告を無視すると危険です。証明書の有効期限や警告は確認してください。












