はじめに
本資料は「オウンドメディア 実績」をテーマに、検索ユーザーの意図を踏まえて実績の見方と事例を分かりやすく整理したガイドです。オウンドメディア担当者、マーケティング責任者、経営者など、成果を正しく評価し活用したい方を想定しています。
目的
- オウンドメディアの“実績”が何を指すかを明確にします。具体的な指標(PV、リード獲得、受注、売上、ブランド認知など)を例で示します。
- 業界別の実績事例を通して、自社に当てはまる評価指標の見つけ方を助けます。
構成と読み方
- 第2章は「実績」の定義と評価指標の説明です。指標ごとの意味と測り方を具体例で解説します。
- 第3章〜第5章では、BtoB、製造業、BtoC別に成果事例を紹介します。各事例は目標、施策、測定結果の順で整理します。
期待できる効果
この資料を読み進めることで、オウンドメディアの成果を適切に評価し、改善点や投資判断につなげられるようになります。具体的な数値例や施策の考え方を参考にしてください。
オウンドメディアの“実績”って、具体的に何を指すの?
オウンドメディアの実績は「PVが増えた」だけではありません。ビジネスに直結する成果をどれだけ出せたかが重要です。以下の観点で、具体的な指標と見方を分かりやすく説明します。
トラフィック(見られる量)
- 指標例:ページビュー(PV)、新規訪問者数、検索流入の増加
- 見方:単純な数値の増加だけでなく、検索から来た割合や滞在時間を確認します。検索流入が増えれば、長期的な集客力が上がった可能性が高いです。
リード獲得(見込み客の獲得)
- 指標例:問い合わせ件数、資料ダウンロード、メルマガ登録
- 見方:コンバージョン率(訪問者に対する申込みの割合)を追います。例えば、訪問1,000件で資料DLが10件ならコンバージョン率は1%です。
売上・受注(成果の直接測定)
- 指標例:オウンドメディア経由の売上、受注件数や受注額の増加
- 見方:UTMやCRMで媒体経由を紐づけます。リードから受注までの期間も把握すると改善点が見えやすくなります。
ブランディング(認知・信頼)
- 指標例:ブランド検索数、SNSでのシェア数、メディア掲載数
- 見方:数値だけでなく、掲載内容のトーンや反応の質も評価します。ブランド検索の増加は認知向上のサインです。
採用効果
- 指標例:応募者数、説明会参加者、内定承諾率
- 見方:採用ページや採用コンテンツ経由の応募比率を確認します。専門記事で応募者の質が上がることもあります。
実績を評価するポイント
- 目標を最初に決め、KPIを絞ること
- 短期の数値と中長期の効果を分けて見ること
- 数だけでなく「質」を重視すること(リードの質、掲載の質など)
これらを組み合わせて評価すると、オウンドメディアが本当にビジネスに貢献しているかを正しく判断できます。
BtoB企業のオウンドメディア実績(リード獲得・受注増)
導入
BtoB企業がオウンドメディアを運用する主目的はリード獲得と受注増です。専門性の高い情報を安定して発信すると、検索流入が増え、見込み顧客の接触機会が生まれます。
具体事例
- 株式会社ナイル:運用約3年で受注額が約9倍、資料ダウンロード数が34倍に増加。専門的な解説記事とダウンロード導線が効きました。
- 株式会社LegalOn:開始半年で20万PV、3年で100万PVを達成。単一キーワードで上位表示し、新規流入を大幅に獲得しました。
- 株式会社サイダス:問い合わせ数が25%増加し、Web経由リードの割合が75%に上昇。Webからの商談化が進みました。
成功の共通点(ポイント)
- 読者の課題に応える専門性あるコンテンツを継続的に作成
- 検索ニーズを意識したSEO設計で自然流入を増やす
- 明確なCTA(資料ダウンロード、問い合わせ)と専用ランディングページでリード化を設計
- リードの育成(メールや追加コンテンツ)で受注につなげる
- PVやCVR、商談化率などを計測し改善を回す
実践の手順(簡潔)
- ターゲットと課題を定義
- コンテンツの軸(技術解説、事例、比較)を決定
- SEOと配信計画を立てて公開
- LPにダウンロードや問い合わせ導線を設置
- リードをスコアリングして育成、営業へ引き渡す
- 指標を見て改善を繰り返す
これらを丁寧に実行すると、オウンドメディアは安定したリード獲得と受注増に貢献します。
BtoB製造業のオウンドメディア実績(技術力・ブランド認知)
目的と効果
製造業のオウンドメディアは、技術力をわかりやすく伝え、ブランドの信頼度を高めることが目的です。技術的な強みを記事で示すと、見込み顧客が商談前に安心して連絡してくれるようになります。
具体事例
- 製造業B社:専門的な技術解説や適用事例を連載。ブランド認知が大幅に向上し、問い合わせの質が改善。営業が商談に入る前の信頼獲得に成功しました。
- キーエンス、パナソニック:業界特化のコラムや技術解説を継続配信。特定キーワードで安定した検索流入を獲得し、潜在顧客との接点が増えています。
成果の測り方
- 検索流入(特定技術キーワードの順位・流入数)
- 記事の滞在時間やページの深さ(読まれているか)
- 問い合わせの質(技術相談が増えるか)
成功のポイント
- 業界課題解決を主題にする(実践的な提案を載せる)
- 技術を噛み砕いて説明する(図や事例を使う)
- 社内技術者と連携し信頼性を担保する
- 継続的に発信し検索での存在感を作る
実践的アドバイス
- 読者像を明確にして記事を設計する
- 1記事1メッセージで簡潔に伝える
- KPIを決めて定期的に改善する(流入・滞在・問い合わせ)
以上の点を押さえると、製造業のオウンドメディアは単なる情報発信を超え、技術力の証明とブランドづくりに直結します。
BtoC企業のオウンドメディア実績(ユーザー数・売上・ブランド)
目的と主な指標
BtoC企業は主に「ユーザー数拡大」「売上貢献」「ブランド好感度向上」を目指します。具体的な指標は、月間ユニークユーザー数、新規ユーザー、滞在時間、コンバージョン率(購入・会員登録)、リピート率、ブランドリフト調査やSNSでの反応です。
成功事例のポイント
- オーマイグラス:2年間で200万人を獲得し業界トップへ。役立つ商品情報と購入導線の最適化でユーザーを集め、サイトでの導線を磨いてコンバージョンにつなげました。
- Red Bull:スポーツに打ち込む若者をフィーチャーし、共感を呼ぶストーリーで認知を拡大。商品訴求より体験や価値観の共有を優先しました。
- トヨタイムズ(トヨタ):社内の声やトップの登場で透明性と人間味を伝え、企業イメージと好感度ランキングの上位獲得に寄与しました。
指標別に期待できる効果
- ユーザー数:SEOと有用コンテンツで持続的に増えます。
- 売上:購入導線・キャンペーン連携で直接的に伸びます。
- ブランド:共感を呼ぶ長尺コンテンツやトップ発信で信頼が生まれます。
実行のポイント(すぐ使える工夫)
- 目的を明確にし、KPIを分解する(例:流入→比較→購入)。
- ペルソナに刺さるテーマを継続して発信する。体験や事例を中心にする。
- 導線を測定し、CTAはシンプルに。A/Bテストで改善を続ける。
- ブランドは一貫したトーンと人の登場で育てる。トップや現場の声を出すと信頼が上がります。
これらはBtoCで効果の出やすい王道の手法です。目的に応じて指標と施策を揃えることが成功の近道になります。











