はじめに
本書の目的
本ドキュメントは「東大門でのアクセサリー仕入れ」について必要な情報を一つにまとめたガイドです。アクセサリーの仕入れ先やエリア別の特徴、卸売店通りや総合市場での買い方、営業時間や価格感など、実務に役立つ知識を分かりやすく解説します。
対象読者
- 実店舗やECで仕入れを行うバイヤーの方
- 個人でアクセサリー販売を始めたい方
- 東大門で初めて仕入れをする方
どなたでも読みやすいように専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明します。
本記事の使い方
章ごとにテーマを分けて整理しています。仕入れ計画を立てる際は、まず第2章で東大門の特徴を把握し、続けて第3〜5章で具体的なエリアや店舗の情報を確認してください。第6章では価格感や実例を紹介しますので、買い付け前の最終確認に活用できます。
注意点
現地の営業状況や価格は変動します。訪問前に営業時間や在庫の確認をおすすめします。
東大門はなぜアクセサリー仕入れの聖地なのか
豊富な品揃え — 完成品からパーツまで
東大門市場は完成品アクセサリー、パーツ、ハンドメイド資材まで幅広くそろいます。ビーズやストーン、チャーム、金具、チェーン、レザーなどを一度に見比べられるため、デザイン決めや素材選びが効率的に進みます。たとえば同じチャームでも色・大きさ・素材違いをまとめて探せます。
夜型の卸売り文化 — 深夜が本番
多くの卸ビルが夜10時以降から朝方にかけて本格稼働します。深夜帯は商品入れ替えや新作が出やすく、買い付けの活気が高まります。夜間の独特の高揚感はバイヤーに人気で、短時間で集中して回れます。
バイヤーが集まる理由 — 価格・交渉・即納性
卸価格が魅力で、まとめ買いでさらに安くなります。店舗や問屋と直接交渉でき、サンプル確認や即時購入が可能です。国内外のバイヤーが集まるため、トレンド情報もつかみやすい環境です。
ワンストップ利便性
主なゾーン(卸アパレルビル、総合市場、アクセサリー卸売店通り)で完成品とパーツ両方を調達できます。生地や副資材も近接しているため、商品化に必要な作業を一ヶ所で完了できます。
東大門でアクセサリーを仕入れる主なエリア一覧
1. 東大門アクセサリー卸売店通り(完成品)
完成品アクセサリーを専門に扱う小売兼卸の店が並ぶ通りです。ピアス、イヤリング、ネックレスなどが中心で、既製品をそのまま販売できます。単価は安く、まとまった数を買うとさらに値引き交渉が可能です。店ごとにテイストが違うので、好みのショップを見つけると仕入れが早く回ります。
2. 東大門総合市場アクセサリーフロア(パーツ・資材)
チャーム、ビーズ、金具などのパーツが豊富に揃うフロアです。オリジナル制作やカスタマイズ用の素材を探すなら最適です。素材感や仕上がりを必ず確認し、色やサイズを複数チェックしてから購入してください。量り売りや小分け販売が多く、少量から試せる店もあります。
3. 大型人気ショップ(NYU NYU・MIMILINE等)
トレンド感のあるプチプラアクセをまとめて仕入れられる大型店です。デザインが豊富で回転が速いため、最新の流行を短時間でチェックできます。値段は卸通りよりやや高めでも、デイリーユースに向いた売れ筋が揃います。
これら三つを組み合わせると、オリジナルパーツ、完成品、トレンドサンプルを効率的に揃えられます。仕入れの目的に応じて回る順番を決めると時間を有効に使えます。
東大門アクセサリー卸売店通り(問屋通り)の特徴
概要
東大門問屋通りは「プチプラの宝庫」と呼ばれ、安くてかわいいアクセサリーが大量にそろいます。アイテム別に店舗が並び、まとめ買いで大幅に単価を下げられる点が最大の魅力です。
配置と品揃え
ネックレス、ピアス、ヘアアクセ、チャームなど種類ごとにまとまっています。新作は各店を回れば短時間で見つかりやすく、トレンド把握に向いています。
営業時間と雰囲気
本格営業は夜22時以降から明け方までで、昼間とは違う活気があります。夜間は仕入れ担当者が多く集まるため交渉のチャンスが増えます。
値段交渉のコツ
まとめ買いを前提に会話を始め、希望価格よりやや低めに提示します。現金を見せると交渉がスムーズになることが多いです。礼儀正しく、笑顔でお願いすると印象が良くなります。
言葉と準備
簡単な韓国語や英語の単語(数量・色・価格)を覚えておくと便利です。最低発注数や色展開を確認し、検品と数量チェックは必ず行ってください。
支払い・梱包・注意点
小規模店は現金優先、大型店はカード対応が増えています。袋や箱の有無、返品不可の店もあるため購入前に確認しましょう。品質のばらつきがあるためサンプルチェックをおすすめします。
東大門総合市場のアクセサリーフロアでパーツ仕入れ
概要
東大門総合市場は生地だけでなく、ボタン・レース・ジッパー・リボンなど衣類副資材やアクセサリーパーツが豊富に揃う場所です。アクセサリー関連はA・B・C棟の5階に集中し、バッグ用チャームやイヤリング金具、ビーズ・ストーン、チャーム用金具類が並びます。営業時間は夜21時過ぎから朝5時ごろまでで、深夜の賑わいが魅力です。
事前準備
- 名刺や店舗情報を用意すると交渉がスムーズです。
- 小銭や現金をある程度持って行くと便利です。カード可の店も増えていますが、現金だと割引を受けやすいです。
- 欲しいパーツの画像や寸法を携帯しておくと、店員に正確に伝えられます。
回る順と見どころ
- A棟5階:ビーズ・ストーン類が豊富で色番やサイズを比較しやすいです。
- B棟5階:金具・イヤリングパーツ、メッキ仕上げの小物が多く見つかります。
- C棟5階:リボン・チャーム、バッグ用パーツが揃い、ディスプレイ用の見本が多いです。
購入のコツ
- 最低ロット(MOQ)を確認してから値段交渉しましょう。
- 色や仕上げのバラつきを必ずチェックし、可能ならサンプルを取ると安心です。
- 同じ素材を複数店舗で見比べ、仕入れ単価を下げられる店を見つけてください。
実務上の注意点
- 深夜営業ですが、安全には注意して行動してください。
- 雨でも屋内でゆっくり見られるので、天候に左右されにくいです。
- 大量購入や配送を依頼する場合は、梱包方法と輸送日数を事前に確認してください。
東大門総合市場での価格感・仕入れの実例
価格の目安
バッグ用チャームは1個6,000ウォンから20,000ウォン程度で流通しています。日本円換算で1,000円以下でも可愛いチャームが手に入ることが多く、品質が良ければ日本で3,000円以上の販売価格で評価される商品もあります。
実例:バッグチャームの仕入れ
例)1個6,000ウォンの商品を10個仕入れると合計60,000ウォンになります。小ロット仕入れでも十分採算が取りやすく、検品して問題なければそのまま日本で1点あたり3,000円前後で販売できます。
実例:1万円の予算で買えるもの
10,000円の予算で行くと、チャーム数点に加えてアクセサリーや小物、Tシャツなどをまとめて購入できます。市場では同じ金額で多数の商品を並べて仕入れられるため、単価を下げて複数販売する戦略が取りやすいです。
仕入れ時のポイント
- 数量で価格が下がる店が多いので、複数買いで交渉しましょう。
- 品質チェックは必須です。破損や色ムラを確認してください。
- 現地の税や輸送費を計算に入れて利益を見積もってください。
まとめ代わりの助言
まずは少量でテスト仕入れをして、売れ行きを確認しながら発注量を増やす方法がおすすめです。












