はじめに
この記事の目的
本記事は、サイトマップを正しい手順とルールで作りたい方向けのガイドです。SEO対策やユーザビリティ向上を目指す個人運営者や担当者に役立ちます。ページ数が多いサイトや更新が頻繁なサイト、階層が深いサイトでは特に有効です。
何が学べるか
本書では基礎知識から、サイト構造の設計（サイトツリー）、HTMLサイトマップの書き方、XMLサイトマップ（sitemap.xml）の作り方までを順を追って説明します。実際の例や具体的な手順、便利なツールやWordPressプラグインの使い方も紹介します。
読み方のおすすめ
まず第2章で「サイトマップとは何か」を押さえ、その後にサイト構造の作り方（第3章）を読み進めると理解しやすいです。実作業に移る場合は第4章と第5章を参考にしてください。部分的に必要な章だけを読んでも問題ありません。
この記事で期待できること
このガイドに従えば、検索エンジンに正しく伝わるサイトマップを作れるようになり、訪問者が目的のページにたどり着きやすくなります。具体的な手順で迷わず作成できるように配慮しています。
サイトマップとは何か（前提知識）
概要
サイトマップは、サイト内のページや構造を一覧にしたものです。用途によって主に3種類に分かれます。検索エンジン向けのXMLサイトマップ、利用者向けのHTMLサイトマップ、設計用の構造サイトマップ（サイトツリー）です。目的を明確にすると使い分けが簡単です。
XMLサイトマップ（検索エンジン向け）
XMLサイトマップはsitemap.xmlというファイルです。検索エンジンのクローラーにURLや更新情報を伝えます。新しいページを早く見つけてもらいたい場合や、ページが多いサイトではほぼ必須です。例：ブログの新着記事一覧やカテゴリごとのURLをまとめる。
HTMLサイトマップ（利用者向け）
HTMLサイトマップはウェブ上のリンク一覧ページです。訪問者が目的のページを見つけやすくなります。特にコンテンツが多いサイトやナビゲーションが複雑な場合に有効です。例：お知らせ一覧やサービス一覧のリンクページ。
構造サイトマップ（サイトツリー）
構造サイトマップは設計図です。トップページから各カテゴリ、記事や商品へどう繋がるかを図やリストで整理します。サイト制作やリニューアル時に役立ち、ユーザー導線やSEO設計の土台になります。
実務での使い分け
小規模サイトならまずHTMLとXMLの両方を用意します。大規模サイトや頻繁に更新するサイトはXMLを優先して作成し、設計段階で構造サイトマップをつくると効率が上がります。
サイト構造（サイトツリー）の作り方・書き方
はじめに
サイトマップ作成前にサイト構造を固めると、ページ設計と導線がスムーズになります。ここでは実務で使える手順を分かりやすく説明します。
1. 目的とターゲットを決める
まずサイトの目的（情報提供・販売・お問い合わせ獲得など）と主な訪問者を決めます。目的で必要なページが変わります。
2. 必要なページを洗い出す
トップ、サービス／商品、会社情報、よくある質問、ブログ、お問い合わせなど基本ページを列挙します。具体例：商品→カテゴリ→商品詳細の順に分けます。
3. 階層関係を決める
ページ同士の親子関係を決めます。重要なページはトップから2〜3クリック以内で到達できるように設計します。深すぎる階層は避けます。
4. 分かりやすいページタイトル
短く具体的なタイトルを付けます（例：「製品一覧」より「家庭用コーヒーメーカー」）。ユーザーが見て直感的に分かる言葉を選びます。
5. 図にして確認する
Visioやdraw.io、Miroなどでサイトツリー図を作ります。階層とリンクを可視化すると抜け漏れが見つかります。
6. 実務メモ
URL構造は階層に合わせて分かりやすく命名します。内部リンクは主要ページへ誘導するよう配置します。重複ページは作らないよう注意してください。
HTMLサイトマップの書き方
はじめに
HTMLサイトマップはユーザー向けのリンク一覧ページです。全ページまたは主要ページを階層に沿って並べ、訪問者が目的のページを見つけやすくします。
必要な項目
- ページの見出し（h1やh2で構造化）
- ページへのリンク（a要素）
- 短い説明（任意だが分かりやすい）
- 更新日や最終更新の目安（大規模サイトで有用）
作り方（手順）
- サイトツリーに基づき主要ページを洗い出します。カテゴリと重要度で優先順位を付けます。
- 階層に沿って見出しとリストを作成します。トップ→カテゴリ→個別ページの順で並べます。
- 各項目にリンクを貼ります。説明を短く添えると親切です。
- 定期的に抜け漏れやリンク切れをチェックします。
HTMLの簡単な例
<h1>サイトマップ</h1>
<ul>
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li>サービス
<ul>
<li><a href="/service/a">サービスA</a></li>
</ul>
</li>
</ul>
WordPressでの作成
プラグイン（WP Sitemap Page、All in One SEOなど）を使うと自動生成できます。カスタマイズしたい場合は固定ページに手動で作成します。
注意点
重複コンテンツを載せないようにし、ユーザーが目的ページへ短時間で到達できる構造を優先してください。アクセシビリティのために見出しとリストを正しく使い、リンクのテキストは具体的にします。
XMLサイトマップ（sitemap.xml）の書き方
概要
XMLサイトマップは検索エンジンにURLと更新情報を伝えるためのファイルです。基本はの中に要素を並べ、各URLの情報を記述します。検索エンジンはこの情報を参考にクロールします。
基本構造（記述例）
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-15</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
</urlset>
- loc：ページの完全なURL
- lastmod：最終更新日（YYYY-MM-DDなどのISO形式）
- changefreq、priority：任意です。現在は必須ではなく重要度は下がっています。
作り方と配置
手書きする場合はテキストエディタでsitemap.xmlを作り、サイトのルート（例：https://example.com/sitemap.xml）にアップロードします。サイズ上限は50,000 URLかつ圧縮前で50MBです。超える場合は複数のsitemapを作り、sitemap indexを使います。
運用のコツ
- lastmodは編集したときに更新してください。日付は正確に記載します。
- 大規模サイトは自動生成する仕組みを用意すると管理が楽です。
- sitemap.xmlをrobots.txtで指し示す、またはGoogle Search Consoleに送信しておくと確実に見てもらえます。
以上を守れば、検索エンジンに正しくサイト構造と更新情報を伝えられます。
