第1章: はじめに
本記事の目的
本記事は、ホームページでよく使われる「2カラムレイアウト」について、基礎から実装までやさしく丁寧に解説します。メインコンテンツとサイドバーを左右に分ける構成がなぜ使われるのか、どんな場面に向いているかを具体例で示します。初心者の方でも理解できるよう専門用語は最小限に抑えます。
この章で得られること
・2カラムレイアウトの全体像をつかめます。
・本記事で扱う内容と流れを把握できます。
・自分のサイトに2カラムが向いているか判断しやすくなります。
読者を想定した使い方
・これからサイトを作る人は、まず本記事で基本を確認してください。
・既に運営中の方は、デザイン改善の参考にしてください。
・制作を外注する予定がある場合は、業者への要望を整理する材料になります。
記事の構成(概要)
第2章で2カラムの定義とよく使われる理由を説明します。第3章でメリットや注意点を紹介し、第4章で向いているサイトのタイプを挙げます。第5章では実際のデザインで気を付けるポイントを解説し、第6章でHTML/CSSの基本的な作り方を示します。
これから順に見ていきましょう。
2カラムレイアウトとは?ホームページで定番の理由
概要
2カラムレイアウトは、ページを縦に二つの列に分けて情報を整理する手法です。多くは左に本文、右にサイドバーを置き、メインと補助を同時に見せます。例としてはブログの本文と関連記事、ECの商品の説明とカート情報があります。
定番である主な理由
- 情報の優先度を明確にできる:主役(本文)と脇役(ナビや広告)を分けて見せます。
- 操作が分かりやすい:ナビや検索を常に表示できるため、移動が楽になります。
- 収益化に向く:サイドバーに広告やCTAを置きやすく、効果を測りやすいです。
実際の使い方の例
- ブログ:左に記事、右にプロフィールや人気記事。
- ECサイト:左に商品画像・説明、右に購入ボタンやおすすめ。
注意点
- スマホでは縦並びになることが多いので、優先度を見直してください。
- サイドバーを詰め込みすぎると本文が目立たなくなります。適度な情報配置を心がけましょう。
2カラムレイアウトの主な特徴とメリット
1. 情報を整理しやすく、視覚的にバランスが良い
2カラムはページを左右に分けてメインと補助を明確にします。メインに記事や商品説明、サイドバーに目次や関連記事を置くと重要情報が埋もれません。例えばブログなら本文を左、カテゴリや著者情報を右に配置すると、読み手が目的の情報へ自然にたどり着けます。列がそろうため見た目も整い、信頼感を与えやすいです。
2. サイドバーで回遊率・コンバージョンを高めやすい
サイドバーには人気記事、カテゴリ一覧、バナー、問い合わせボタンなどを置きやすく、閲覧中でも別の行動を促せます。たとえばメルマガ登録フォームや関連商品の紹介をサイドバーに固定すれば、本文を読むユーザーの目に止まりやすく、導線が増えてCV(コンバージョン)向上につながります。配置の優先順位を考えることが大切です。
3. PCだけでなくスマホ表示とも相性が良い
レスポンシブ対応がしやすく、PCでは2カラム、スマホでは1カラムに縦並びで崩す設計が自然です。重要な情報を先に表示し、補助情報を後に回すことで読みやすさを保てます。最近のCSS(FlexboxやGrid)を使えば並び順の制御が簡単で、幅広い端末で安定した表示が可能です。
2カラムが向いているホームページのタイプ
ブログ・オウンドメディア
記事ページを軸に、プロフィールや人気記事、広告、SNSウィジェットなど補助情報を同時に見せたい場合に向きます。読者は本文を読みながらサイドに目を向けて関連記事や投稿者情報へ移動できます。
企業のサービス紹介ページ
左にサービス詳細や導入事例、右に問い合わせボタンや資料ダウンロード、別サービスへのリンクを置く構成が効果的です。主要情報とアクションを視線で分けられるため、導線が明確になります。
ポータルサイト・ニュースサイト
記事本文と、カテゴリ一覧、ランキング、特集、スポンサー枠などの補助情報を分離して表示します。情報量が多くても読みやすさを保てます。
ECサイトの一覧・フィルター画面
商品リストを左に、絞り込みやカテゴリー、価格帯フィルターを右に配置すると検索性が向上します。利用者が条件を変えながら商品を比較しやすくなります。
向かないケース
1ページで1つの強いメッセージを伝えるランディングページ(LP)や、作品を大きく見せたいポートフォリオは1カラムの方が訴求力を保ちやすいです。
実装時の注意点(簡単に)
モバイルではサイドバーを下部に回す、またはアコーディオンにして優先順位を保ってください。重要なCTAは本文近くにも置くと効果的です。
2カラムレイアウトを効果的に使うデザインのポイント
はじめに
2カラムは情報を整理しやすい一方、使い方次第で見づらくなります。ここでは実務で使える具体的なポイントを分かりやすく解説します。
1. メインコンテンツをしっかり「主役」にする
メイン幅は70〜75%、サイドは25〜30%が扱いやすいです。背景は白や薄い色にして可読性を確保します。フォントサイズは16px前後、行間は1.5前後を目安にし、段落ごとに十分な余白を取って読みやすくしてください。
2. サイドバーの役割を明確にする
サイドバーには目的を1つに絞ります。回遊を増やすなら人気記事やカテゴリ、コンバージョン重視なら資料DLやメルマガ登録バナーを優先します。要素を詰め込みすぎず、上から重要度順に配置してください。
3. カラム幅と余白のバランス
メイン:サイドはおおむね2:1が自然です。カラム間には十分な間隔(marginやgap)を取り、境界を背景色やボーダーで薄く示すと視線が整理されます。
4. レスポンシブ設計
モバイルでは1カラム(メイン→サイドの順)にして読みやすさを優先します。タブレット以上は2カラム表示に戻し、@mediaクエリで列幅や並びを切り替えてください。
実践のコツ
- 目立たせたいCTAは視線の流れを考えて配置する
- 画像は読み込み負荷を抑える(遅延読み込み)
- 実際のユーザーで表示確認し、必要ならカラム比を調整してください。
HTML/CSSで作る2カラムレイアウトの基本手法
はじめに
2カラムの実装方法は主に3つあります。floatを使う古典的手法、Flexboxを使うモダン手法(推奨)、CSS Gridを使う強力な手法です。用途に合わせて選びます。
1) floatを使う(古典的)
- 左カラムをfloat:left、右をfloat:rightで配置します。
- 問題点は高さ揃えやレイアウト崩れへの対応が必要な点です。clearfix(親にoverflow:autoなど)で回避します。
例:
.left{float:left;width:70%}
.right{float:right;width:30%}
.container{overflow:auto}
2) Flexboxで作る(推奨)
- 親にdisplay:flexを指定すると短いコードで横並びを作れます。
- 比率はflexで指定します。例:flex:2とflex:1なら幅は2:1になります。
- モバイルは縦並びに切り替えます(flex-direction:column)。
例:
.container{display:flex;gap:16px}
.main{flex:2}
.sidebar{flex:1}
@media(max-width:600px){.container{flex-direction:column}}
Flexboxはレスポンシブに強く、3カラムや入れ替えも簡単にできます。
3) CSS Gridで作る(より強力)
- 行列で正確な位置決めができます。複雑なレイアウトや重なりに向きます。
例:
.container{display:grid;grid-template-columns:2fr 1fr;gap:16px}
@media(max-width:600px){.container{grid-template-columns:1fr}}
どれを選ぶかは目的次第ですが、初めてならFlexboxをおすすめします。












