はじめに
この記事の目的
本記事は、Googleサーチコンソールの「検索順位」に関する疑問や誤解を解消するために作成しました。表示される順位が実際の検索結果と違って見える理由や、平均掲載順位の仕組みをやさしく丁寧に説明します。
誰に向けた記事か
- 自分のサイトの順位を気にしているサイト運営者
- サーチコンソールの数値を日々確認している広報・マーケ担当者
- 初めてサーチコンソールを使う方
専門的な用語はできるだけ使わず、具体例を交えて解説しますので、初心者の方でも理解しやすい構成にしています。
本記事で学べること
- サーチコンソールの順位表示が“おかしく見える”典型理由
- 「平均掲載順位」がどんな考え方で算出されるかの概要
- 実際の手動検索や他ツールと結果が違う主なパターンと対処法
読み方のヒント
各章で具体例と対処法を示します。まずは第2章で、よくある違和感の原因を確認してください。簡単なチェックリストも用意しますので、実務でそのまま使える内容を目指します。
サーチコンソールの「順位」がおかしく見えるのはなぜか?
まずは要点
Search Consoleに表示される「順位」は、単一の検索結果を示すものではなく、訪問や表示が発生したときの平均的な位置を示します。実感と違って見えるのは仕様だと考えてください。
平均で出している例
同じページがあるクエリで、東京の人には3位、大阪の人には8位で表示されたとします。両方を平均すると(3+8)÷2=5.5位になります。つまり「平均掲載順位」です。
ユーザー・地域・デバイスで変わる
人や端末、検索する時間帯で表示結果が変わるため、個々の検索結果とConsoleの数字が一致しません。スマホでは上に出るのにPCでは下になることもあります。
インプレッション時の位置の統計
順位は“インプレッションが発生したときの位置”を集計したものです。表示されなかった検索はカウントされません。
関連クエリやロングテールも混ざる
検索語句が少し違うケース(関連クエリ)や長い複合語(ロングテール)も含めて平均化します。ひとつのクエリだけを見るのとは違います。
リッチリザルトやローカルパックの影響
星評価や地図パネルなどが画面を占めると、自然なリストの順位感が変わります。Consoleはこうした要素を考慮した表示位置で集計します。
データの反映は遅れる
データに数日から数週間の遅れが出ることがあります。リアルタイムの手動検索と差が出る理由の一つです。
サーチコンソールの「平均掲載順位」の仕組み
平均掲載順位とは
平均掲載順位は、検索結果でページが表示されたすべての“掲載位置”を合計し、インプレッション数で割った値です。たとえば同じページが1位で10回、5位で10回表示されたら平均は(1×10+5×10)/20=3です。
どう計算されるか(具体例)
- クエリA:ページXが2位で3回、10位で1回表示 → 合計(2×3+10×1)=16、インプレッション4 → 平均4.0
- クエリB:同じページが8位で2回表示 → 合計16、インプレッション2 → 平均8.0
ページ単位で見れば、両クエリのすべてのインプレッションを合算して平均を出します。
ページ単位・クエリ単位・レポート全体の違い
- クエリ単位:そのクエリに対する平均位置
- ページ単位:そのページが表示されたすべてのクエリをまとめた平均
- レポート全体:選択した期間やフィルタ内のすべてのインプレッションの平均
これらは別物です。小さなクエリが全体平均を大きく変えることがあります。
2ページ目以降の扱い
検索結果の2ページ目以降(例:12位、23位など)でもインプレッションがあれば順位に反映されます。表示回数が少なくても平均に影響します。
デバイス・国ごとの違い
デバイスや地域で検索順位は変わります。サーチコンソールはフィルタごとに別々に平均を計算します。
実務でのポイント
- 平均だけで判断せず、ポジション分布やCTRも見る
- インプレッション数が少ない場合は誤差が大きいと考える
- フィルタ(クエリ・ページ・デバイス・国)を使って細かく分析する
以上が平均掲載順位の基本的な仕組みです。
手動検索や他ツールと順位が違う主な理由
概要
手動検索や順位チェックツールとサーチコンソール(GSC)が示す順位は一致しないことがよくあります。ここでは主な理由をやさしく説明します。
1) 個人化と位置情報
手動検索は検索履歴、ログイン、端末の位置情報で結果が変わります。自分で見る順位はその時の“あなた専用”の結果です。
2) サンプルの違い
順位チェックツールは特定条件での一回計測です。GSCは多数のクエリ、ユーザー、国、デバイスを合算・平均化します。そのため単発の計測と数千・数万インプレッションの平均では差が出ます。
3) 表示形式の扱い
リッチリザルト、広告、ローカルパック、ナレッジパネルなどが表示順位を変えます。ツールやGSCがこれらをどう数えるかは違います。
4) 技術的要因
クロールのタイミング、キャッシュ、リダイレクト、正規化(canonical)などで実際の表示URLが異なる場合があります。
実務的なコツ
- 比較はシークレットモードかログアウトで行う
- 同じ国・デバイス設定で測る
- GSCは期間やデバイスで絞って確認する
- ランクツールは定期的に同条件で測定する
これらを理解すると、違いの原因を特定しやすくなります。












