はじめに
目的
本章では、本ドキュメントの目的と読み方を丁寧に説明します。2025年にホームページ制作やリニューアルを検討する方が、補助金・助成金を正しく理解し、活用の第一歩を踏み出せるようにしています。
対象読者
中小企業や小規模事業者、個人事業主、これからホームページを作る・改修する経営者や担当者を想定しています。補助金の専門家でなくても分かるように書いています。
本書の扱い方
国の主要な制度（IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業再構築補助金）を中心に、自治体の支援も含めて、対象範囲、補助率、補助額、申請の流れや注意点を分かりやすく整理します。事例や具体的な使い方も交えて、実務で役立つ情報を優先して掲載します。
注意点
補助金は制度改定や予算状況で条件が変わります。本書は利用の判断材料としてご活用ください。申請時は必ず最新の公的情報や専門家へ確認してください。
2025年、ホームページ制作に補助金・助成金は使えるのか？
概要
2025年時点でもホームページ制作に使える補助金・助成金は複数あります。国の制度ではIT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、条件付きで事業再構築補助金が中心です。市区町村レベルの制作助成やPR支援も多数あります。
国の制度の使い分け（簡単に）
- IT導入補助金：ホームページを含むITツールとともに導入する場合に有利です。導入計画や成果指標が求められます。
- 小規模事業者持続化補助金：集客や販路開拓目的のサイト制作に使いやすい制度です。計画書と見積が必要です。
- 事業再構築補助金：原則ホームページ単体は対象外、2025年度は公募終了や制限があるため、新規事業や業態転換の一部として組み込む場合のみ検討します。
ローカルの支援について
多くの自治体が市独自の助成を出しています。補助額や対象経費は自治体で異なるため、市役所の商工担当や商工会議所で確認してください。
申請のポイント
- 目的を明確にし、見積やスケジュールを整えます。
- 補助金ごとに対象経費や上限が違います。事前に募集要領を読み比べてください。
- 交付決定前の着手は原則不可です。必ず申請手続きを踏んでください。
必要なら、具体的な補助金の候補や申請手順を次章でご案内します。
ホームページ制作で活用できる主要な国の補助金3選【2025年版】
ホームページ制作に使える国の代表的な補助金を、目的別にわかりやすく紹介します。どれが自社に合うか、具体例を交えてご説明します。
1. IT導入補助金
- 対象：中小企業・小規模事業者。ITツールと併せてホームページを作る場合に適します。
- 使途：ホームページ制作、EC構築、予約や決済などのITツール導入。
- 補助額目安：数十万〜数百万円（補助率や枠により変動）。
- ポイント：ツール事業者が登録済みであることが必要。効果（売上向上など）の説明が採択に有利です。
- 具体例：小売店がEC機能付きサイトと在庫管理ツールを同時導入して申請。
2. 小規模事業者持続化補助金
- 対象：商工会議所や商工会の支援を受ける小規模事業者。
- 使途：販路開拓や集客を目的としたホームページ制作、広告・チラシ作成など。
- 補助額目安：数十万〜数百万円（プランにより差あり）。
- ポイント：具体的な販路開拓計画と見込み効果を示すと通りやすいです。
- 具体例：飲食店が予約サイト連携のサイトを作り、地域集客計画を提出。
3. 事業再構築補助金
- 対象：事業の転換や新分野展開を図る中小企業・中堅企業。
- 使途：事業モデル転換に伴うホームページやシステム開発、設備導入など。
- 補助額目安：数百万円〜数千万円（計画規模に応じて）。
- ポイント：事業計画の説得力が最重要。将来の収益予測を明確に示してください。
- 具体例：製造業が直販化のためにECサイトと受注管理システムを構築。
各補助金で要件や提出書類が異なります。申請前に公募要領をよく確認し、支援機関に相談することをおすすめします。
IT導入補助金 2025：ホームページ＋ITツール導入に強い
概要
IT導入補助金は中小企業・小規模事業者が業務効率化や顧客対応強化を目的にITツールを導入する費用を支援する制度です。ホームページ単体では通りにくい一方で、予約システム、顧客管理（CRM）、チャットボットといったツールと一体で導入する形式なら対象になりやすいです。
対象となる例
- 予約機能つきホームページ＋予約管理クラウド
- 顧客情報を連携するホームページ＋CRM導入
- 問い合わせに応答するチャットボットを組み込んだサイト
ECサイトは対象外となる場合が多い点に注意してください。
補助率・補助額
- 補助率：中小企業は1/2、小規模事業者は2/3
- 補助額：5万円から最大約450万円まで（申請枠やコースで変動します）
申請の流れと重要ポイント
- IT導入支援事業者を選ぶ（経産省登録の事業者経由が必須）
- 導入するITツールと業務改善の計画を作成
- 申請・交付決定後に契約・導入・実績報告
申請では単なるデザイン改善は採択されにくく、業務改善やDXのストーリーを具体的に示す必要があります。したがって、導入前後の効果（例：受付時間の短縮、問い合わせ対応件数の削減）を数値で示すと有利です。
採択を高めるコツ
- 課題を明確にし、導入ツールでどう解決するかを示す
- 導入後の運用体制と費用を含める
- IT導入支援事業者と早めに相談して見積りを揃える
注意点
- EC構築は対象外になりやすい
- 申請は事業者経由のみで、事前準備が重要
- 補助対象となる費目や上限は年度で変更されるため事前確認してください。
小規模事業者持続化補助金：集客・販路開拓用ホームページに最適
概要
小規模事業者持続化補助金は、販路開拓や集客のための取り組みに対して経費の一部を支援します。新規ホームページ制作や既存サイトのリニューアル、ネット広告との連動など、売上につながるWeb戦略が対象になりやすいです。
対象者の目安
従業員数の条件を満たす小規模事業者が対象です（業種ごとに上限が異なります）。申請は事業計画を作り、商工会議所などの確認を受けます。
補助内容と上限
補助率は原則2/3で、特例（赤字事業者や賃金引上げ等）で3/4になる場合があります。一般枠の上限は50万円で、特例対象では最大200万円まで上乗せできるケースがあります。
採択されやすくするポイント
・具体的な売上目標や集客数（数値）を示す。例：月間問合せ数を20件増やす。
・制作費用や広告費の見積を明確にする。
・ターゲット層や導線（例：SNS→LP→予約）を示す。
・商工会などと事前相談し、事業計画を整える。
申請時の注意
申請書は目的と経費の整合性が重要です。デザインだけの依頼より、販売導線や広告連動など成果を意識した計画を示すと評価されます。
