目次
はじめに
サイトマップとは
サイトマップは、サイト内のページや構造を整理した案内図です。検索エンジン向けのXMLサイトマップはsitemap.xmlというファイルで自動生成し、クローラーが効率よく巡回できます。一方、設計や資料用の構成図は目で見て分かる図にして、チーム内共有や画面設計に役立てます。
主なタイプと特徴
- SEO向け(XML): プラグインやオンラインツールがsitemap.xmlを自動生成します。例: CMS用のプラグインや専用のジェネレーター。検索順位の直接改善にはつながらなくても、クロールの効率化に効果があります。
- 構成図タイプ: ホワイトボード系ツールやAIで自動生成するツールがあります。ページの親子関係や導線を視覚化し、設計・レビューをスムーズにします。
選び方の基本
用途(SEO対策か設計か)、サイト規模、使っているCMSやチームの作業フローで選びます。小規模サイトならシンプルなプラグインで充分で、大規模や複雑な設計では図式化ツールやAI支援の活用を検討してください。
この章の位置づけ
本書では、まずタイプごとの違いと用途を整理します。次章以降で具体的なツールと使い方、選び方の目安を詳しく説明します。
SEO向けサイトマップ(XML)
概要
sitemap.xml は検索エンジンにサイト構成を伝えるためのファイルです。特に新しいページやページ数が多いサイトで効果を発揮します。自動生成すれば更新漏れを減らし、検索エンジンのクロールを効率化できます。
WordPress用プラグイン
- All in One SEO(AIOSEO):多種類のサイトマップを扱えます。投稿タイプ別や画像を含める設定が可能で、除外したいページを簡単に指定できます。例:特定のカテゴリを除外してプライベートページを出さない。
- Rank Math:細かいカスタマイズが得意です。優先度や更新頻度の初期設定を変えたい場合に便利です。例:頻繁に更新するブログはchangefreqを”daily”に設定する。
- Yoast SEO:基本を自動で作成します。設定が少なく手早く導入できます。例:とりあえずサイトマップを有効にしてGoogleに送る。
静的サイトやCMS問わず使えるツール
- XML Sitemaps Generator:URLを入力すると数百ページ規模まで自動生成します。ビルド時に使えば手作業を省けます。
- sitemap.xml Editorなど:クロール除外、優先度(priority)、更新頻度(changefreq)の細かい指定ができます。例:管理画面を除外して優先度を低く設定する。
運用のポイント
- Google Search Console に送信し、robots.txt に sitemap の位置を記載してください。
- 50,000 URLや50MBを超える場合は分割してindexを作成します。
- 更新時に自動再生成する仕組みを用意すると管理が楽になります。
構成図タイプ(画面設計・情報設計用)
概要
ページ構造や画面遷移を図で整理したいときに役立つ方法とツールを紹介します。図にすると関係性が見えやすく、チームでの共有や設計の見直しがしやすくなります。
おすすめツールと特徴
- Miro:オンラインホワイトボードです。サイトマップ用テンプレートや図形パーツが充実し、ドラッグ&ドロップで階層を作れます。ブレインストーミングから詳細設計まで使いやすいです。
- Cacoo / Lucidchart:フローチャート感覚でページ遷移を描ける図式ツールです。線や矢印で遷移を表現しやすく、図の整理が得意です。
- AI Sitemap & Website Content Generator:既存サイトをクロールして構成図を自動生成します。PNGやPDF、XMLで書き出せるため、初期分析やドキュメント作成が速くなります。
使い方のポイント
- 目的を明確に:構成図は“何を伝えたいか”で形が変わります。情報設計ならページ階層、画面設計なら遷移や状態を重視します。
- 粒度を揃える:詳細レベルを統一すると見やすくなります。まずは大まかな階層を作り、必要に応じて下層を展開します。
- 色やラベルを活用:役割や優先度を色分けし、リンクにはラベルを付けると意図が伝わります。
- 協働とレビュー:オンラインツールなら同時編集で意見を集めやすいです。定期的にレビューを行って更新しましょう。
出力と共有
PNGやPDFで資料に貼り付け、XMLやCSVで他ツールと連携できます。クライアント提出用は見やすさを優先し、内部共有はメモや注釈を残すと良いです。
選ぶときの目安
手軽に議論したいならMiro、正確な遷移図が必要ならCacooやLucidchart、自動で初期構成を取りたいならAI系ツールを試してください。
選び方の目安
ここでは用途や条件別に、具体的にどのツールを選べばよいかをわかりやすく示します。
用途で選ぶ
- SEO向けのsitemap.xmlが欲しい場合は、XML Sitemaps GeneratorやWordPressならAIOSEO/Rank Math/Yoast SEOをおすすめします。自動でXMLを生成し検索エンジンに送れる点が便利です。
- 提案資料や画面設計用にページ構成を図示したい場合は、MiroやCacooのような図式ツールが適します。図を共同編集・注釈でき、出力も簡単です。
- 既存サイト構造を自動で分析して可視化したい場合は、AI Sitemap & Website Content Generatorなどの自動生成ツールが便利です。サイトをクロールして結果を出力します。
規模・CMS・運用での目安
- 小規模サイト(数十ページ):手動で生成できるジェネレーターやWordPressプラグインで十分です。
- 中〜大規模サイト(数百〜数千ページ):自動クロールやスケジューリング機能があるツールがおすすめです。
- CMS別:WordPressならプラグイン、静的サイトはビルド時にXMLを出すツール、カスタムCMSはAPI連携を確認してください。
実務でのチェックリスト
- 出力形式がXMLか図か
- 更新の自動化の有無
- コラボ機能やエクスポート(PNG/PDF)
- 価格とサポート
用途(SEO向けXMLか構成図か)、サイト規模、CMSの種類を伝えていただければ、より具体的な候補を提案します。












