はじめに
目的
ホームページで画像を使う際の著作権について、基本をやさしく伝えることが目的です。誤って著作権を侵害しないための注意点を具体例で示します。
誰に向けた章か
ブログ運営者、店舗サイトの管理者、学内のウェブページを作る方など、画像を使う人すべてに向けています。専門知識は不要です。
なぜ注意が必要か
インターネットで見つけた画像は、投稿者の権利が残っています。無断で使うとトラブルや削除要求、場合によっては損害賠償につながることがあります。たとえば、他人の写真をそのまま商品ページに使うと問題になります。
この後の章について
次章でインターネット上の画像の扱い方、続いて侵害を避ける具体的な方法、最後に引用のルールを詳しく説明します。まずは基本を押さえて安全に進めましょう。
インターネット上の画像について
誤解と現実
インターネットにある画像は自由に使える、と誤解している方が多いです。たとえばGoogle画像検索で見つけた写真やSNSに上がっている画像、他社のホームページの写真も原則として著作権者の許可が必要です。無断で使うとトラブルになります。
どんな画像が該当するか(具体例)
- ブログに貼った旅行先の写真(撮影者が別の場合)
- 企業サイトの製品写真を自分のサイトで流用する行為
- SNSで見つけたイラストを自分の投稿に転載する
これらは撮影者や投稿者の許可がなければ使えません。
著作権の発生と保護される範囲
著作権は作品が創作された時点で自動的に発生します。登録や表示は不要です。写真やイラストは表現の一つとして保護され、撮影者や作成者の意図や手法に関係なく対象になります。たとえ名前が書かれていなくても権利は残ります。
日常での注意点
- 使いたい画像があれば、まず権利者に許可を取る。
- フリー素材やクリエイティブ・コモンズ(CC)表示の有無を確認する。
- リンクや埋め込みでも権利関係が問題になる場合があるので、安易に転載しない。
簡単に済ませたい場合は、自分で撮影するか正しいライセンスの素材を使うと安心です。
著作権侵害を避ける方法
自分で撮影・制作する
まずは自分で撮影・制作した画像を使うのが一番安全です。オリジナルなら著作権の問題がほとんど発生しません。元データや撮影日時、作成時の設定を保存しておくと後で証明しやすくなります。
フリー素材を使うときの確認ポイント
フリー素材でも利用条件は素材ごとに違います。必ず次を確認してください。
– 商用利用の可否(商用サイトで使えるか)
– クレジット表記の有無(写真作者の名前表示が必要か)
– 改変の可否(切り抜きや色変更が許されるか)
– 用途制限(再配布や商品化が禁止されていないか)
具体例:サイトに「商用利用可・クレジット不要」と明記されていれば、その条件に従って利用できます。
埋め込み機能の活用
SNSや動画サイトの埋め込み機能は、貼り付け先で元の配信を表示する方法で、通常は直接の転載より安全です。ただし、配信側が埋め込みを禁止していないか確認してください。
許可を得る・記録を残す
不明な点は著作権者に連絡して明示的な許可を得てください。メールや書面での承諾は大切な証拠になります。利用したライセンスページのスクリーンショットやダウンロード日時も保存しておくと安心です。
引用する場合のルール
引用の基本要件
他者の著作物を引用する時は、あなたの文章や主張が主であることが第一です。引用はあくまで補助で、引用部分が主役にならないようにします。引用する必然性(なぜ引用が必要か)を明確にしてください。出所を明記し、引用部分は原則として改変せずに使います。
出典の明記例
画像:撮影者名(可能な場合)、作品名、出典(URL)
例)画像:山田太郎「桜並木」(出典:https://example.com)
明記により誰の作品か読者に分かりやすく示します。
画像引用の具体的注意点
- サイズを縮小して掲載することは多くの場合認められますが、意味を変えないようにします。
- トリミングや色調補正で内容が変わると引用に当たらない可能性があります。
- 作品の一部を引用する場合でも、必要性を説明してください。
- ライセンス情報がある場合は従ってください。許可を取れば安全です。
よくあるケースと対応
批評や解説で画像を使う場合は、なぜその画像が必要か本文中で説明します。SNSの埋め込み機能を利用すると権利処理が簡単になることがありますが、必ず元の提供元の規約を確認してください。
知らなかったでは済まされない領域です。安全に運用するために、出典明記と改変しない扱いを心がけ、必要なら制作者に許可を求めてください。












