はじめに
背景
2025年時点で、AWSは約335個のサービスを提供しています。サービスの数は計測方法で変わることがあります。たとえば、独立した機能を個別に数えるか、機能群をまとめて1つと扱うかで差が出ます。地域ごとの提供状況やマーケットプレイスの扱いも数に影響します。
本章の目的
本章では、なぜサービス数が違って見えるのかを丁寧に説明します。読み進めることで、数の見方や比較時の注意点を理解できるようにします。これにより、次章以降で具体的な把握方法や多様性の評価にスムーズに移れます。
ポイントの整理
- 「335個」という数字は一つの目安です。集計方法で増減します。
- サービスの種類は幅広く、最近は生成AIに関連するサービスが急速に整備されています。
- 数だけでなく、用途や提供範囲を見ることが重要です。
次章では、実際に自分の用途に合ったサービス数をどのように把握するかを具体的に説明します。
サービス数の把握方法
AWSのサービス数は、数え方で大きく変わります。ここでは具体的な基準と実務での扱い方を分かりやすく説明します。
1) カウントの基準を決める
まず「何をサービスとみなすか」を決めます。管理コンソールに並ぶサービス名をそのまま数える方法と、機能単位で細かく分ける方法があります。管理コンソールベースだと約250件とよく言われ、プレビューやベータ版も含めると約335件と報告されます。
2) 具体的な計測方法
- コンソール一覧を数える:見たまま数えるので再現性が高いです。
- 公式ドキュメントやサービス一覧ページを参照する:リリース履歴や注記が確認できます。
- API/CLIで列挙する:自動化して定期的に記録できますが、出力形式に注意します。
3) 実務上の注意点
- プレビューや地域限定サービスを含めるかを明確にしてください。
- 同じ機能が複数のサービス名で提供される場合があるため、重複に注意します。
- レポートには調査日時と基準を必ず記載してください。これで比較や再現が容易になります。
サービスの多様性
クラウドには多種多様なサービスが揃っています。AWSはコンピューティング、ストレージ、データベース、分析、ネットワーク、モバイル、開発ツール、管理ツール、IoT、セキュリティ、エンタープライズ向けアプリなど、用途別に分かれた製品を提供します。実際の例を交えて丁寧に説明します。
- コンピューティング
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例:Amazon EC2(仮想サーバ)、AWS Lambda(サーバーレス関数)。用途に応じて性能重視か運用負荷軽減かを選べます。
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ストレージ・データベース
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例:Amazon S3(オブジェクトストレージ)、Amazon EBS(ブロックストレージ)、Amazon RDSやDynamoDB(管理されたリレーショナル/NoSQL)。データアクセスの頻度や整合性要件で選びます。
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分析・機械学習
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例:Amazon Redshift(データウェアハウス)、Amazon Athena(サーバーレス分析)。機械学習の導入はAmazon SageMakerやJumpStartが便利です。
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ネットワーク・配信
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例:Amazon VPC(仮想ネットワーク)、Amazon CloudFront(CDN)。セキュリティと遅延の要件で設計します。
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モバイル・開発ツール・管理
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例:AWS Amplify(モバイル/ウェブ開発支援)、CodePipeline(CI/CD)、CloudWatch(監視)。開発から運用まで一貫して支援します。
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IoT・セキュリティ・エンタープライズ
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例:AWS IoT Core、AWS IAM(認証・権限管理)、Amazon WorkSpaces(仮想デスクトップ)。企業利用の要件にも対応します。
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生成AI関連サービス
- 例:Amazon Bedrock(大規模モデルのホスティングと統合)、Amazon Titan(AWSのモデル群)、Amazon SageMaker JumpStart(事前構築済みの生成AIテンプレート)。チャットボットや文章生成、画像生成の導入を速める実用的なサービスです。
サービスの多様性は、用途に応じて最適な組み合わせを取れる利点を生みます。一方で選択肢が多いと設計やコスト管理が複雑になります。まずは要件を整理し、小さく試してから拡張する方針をおすすめします。












