はじめに
この文書の目的
この文書は、Webサイトの画像がページの表示速度にどのような影響を与えるかを分かりやすく説明します。画像の扱い方を見直すことで、閲覧者の体験を良くし、読み込みにかかる時間を短くする方法を紹介します。
なぜ画像が重要か
画像はページの魅力を高めますが、ファイルサイズが大きいと読み込みに時間がかかります。特にスマートフォンや通信環境が弱い場合に影響が出やすいです。表示が遅いと閲覧者が離れる原因になり、検索順位にも影響する可能性があります。
本書での扱い方
次章で画像が表示速度に与える具体的な影響を説明します。第3章では実際に使える改善策をわかりやすく示します。専門用語は最小限にして、具体例を交えながら進めます。
画像が表示速度に与える影響
はじめに
画像は見た目を良くしますが、同時に読み込み時間の大きな要因になります。ここでは、なぜ画像が表示速度を遅くするのか、どのような影響が出るのかを分かりやすく説明します。
1. 画像が重くなる主な理由
- ファイルサイズが大きい：高解像度や未圧縮の画像は数メガバイトに達します。転送に時間がかかり、ページ全体の表示が遅れます。
- 不適切なフォーマット：用途に合わない形式（例：写真にPNG、アイコンにJPEG）を使うと無駄な容量になります。
- サイズ指定の不一致：表示領域より大きな画像をそのまま表示するとブラウザで縮小処理が必要になり、読み込み後も無駄が残ります。
2. 表示速度への具体的な影響
- ネットワーク転送時間が伸びる：ユーザーの回線やサーバーの応答で読み込み差が出ます。モバイル回線では特に顕著です。
- レンダリングのブロック：大きな画像を読み込むとページの一部表示が遅れ、ユーザーが操作しにくくなります。
- データ使用量の増加：モバイルユーザーのパケット消費が増え、離脱につながります。
3. ユーザー体験と検索順位への影響
- 表示が遅いと直帰率が上がり、滞在時間が短くなります。結果としてコンバージョンが下がります。
- 検索エンジンは表示速度を評価項目に含めるため、遅いと順位に悪影響が出ることがあります。
4. 簡単な具体例
- 元画像：4MBの高解像度写真をトップページにそのまま配置した場合、読み込みで数秒から十秒単位の遅延が発生することがあります。
- 圧縮・最適化後：同じ画像を0.3〜0.5MBまで落とせば、読み込み時間は大幅に短縮します。
次章では、これらの問題を解決する具体的な対策をわかりやすく説明します。
表示速度改善の主な対策
この章では、画像の表示速度を改善するための具体的な対策をわかりやすく紹介します。
画像の圧縮とリサイズ
まずは画像の容量を小さくします。表示サイズより大きな画像をそのまま使わないでください。必要な解像度にリサイズし、圧縮ツール（例：TinyPNG、ImageOptim、または画像編集ソフトの保存設定）で画質を落としすぎない範囲で圧縮します。写真なら画質70〜80％が目安です。
ファイル形式の選び方
写真はJPEG、ロゴや透過はPNGが基本です。より軽いWebPやAVIFはファイルサイズを大きく減らせますが、対応状況を確認してフォールバックを用意します。
遅延読み込み（Lazy Load）
画面外の画像は後で読み込むと初期表示が速くなります。HTMLのloading=”lazy”属性や軽量なライブラリで実装できます。
レスポンシブ対応（srcset／picture）
複数サイズの画像を用意し、ブラウザに最適なものを選ばせます。これでモバイルで無駄に大きな画像を読み込むのを防げます。
キャッシュとCDNの活用
ブラウザキャッシュを設定し、CDNを使って配信場所を近づけると表示が速くなります。
不要なスクリプトの削除と遅延実行
画像表示を妨げるスクリプトを削除するか、非同期・遅延で実行します。レンダリングの妨げを減らします。
実践チェックリスト
- 画像をリサイズ・圧縮する
- 適切な形式を選ぶ（WebP/AVIFを検討）
- Lazy Loadを導入する
- srcset／pictureでレスポンシブ対応する
- キャッシュとCDNを設定する
- 不要なスクリプトを見直す
上記を順に実施すれば、多くのサイトで表示速度が大きく改善します。
