はじめに
サイトマップには主に3種類あります。目的と対象がそれぞれ異なります。
-
構成図としてのサイトマップ（設計図）
制作時に使う設計図です。ページの階層やリンクの関係を図にして整理します。たとえば「トップ→製品→詳細ページ」という構成を決め、誰がどのページを作るかを分担します。チームで共有して制作を効率化します。 -
HTMLサイトマップ（ユーザー向け）
訪問者が目的のページを見つけやすくする案内ページです。サイト内の主要なページを一覧で示します。サイトが大きい場合や初めて来た人に親切な設計になります。 -
XMLサイトマップ（検索エンジン向け）
検索エンジンがサイト内のページを発見しやすくするための機械向けファイルです。更新日や優先度を伝えられます。公開後に検索エンジンへ送信するとインデックス化がスムーズになります。
これらの違いを理解すると、制作の設計やユーザーの利便性、検索の見つかりやすさがそれぞれ向上します。次章以降で詳しく見ていきます。
構成図としてのサイトマップ
概要
サイト制作の初期段階で作る「設計図」のようなものです。ページ同士の階層やつながりをツリー状で整理し、全体の見通しを良くします。視覚化することで抜け漏れや重複を防げます。
主な目的
- 制作メンバー間で構成を共有する
- ページの優先度や導線を決める
- コンテンツの抜けを洗い出す
作り方（簡単なステップ）
- トップページと主要カテゴリを決める
- 各カテゴリに入る子ページを列挙する
- ページの目的（例：商品紹介、問合せ、ブログ）を付ける
- 担当者や必要な素材を補記する
具体例
- トップ
- 会社情報
- 企業理念
- 事業紹介
- サービス
- サービスA
- サービスB
- お問い合わせ
作成時のポイント
- まず手書きやホワイトボードで大枠を作ると速いです
- ページテンプレートやワイヤーと結び付けると実装が楽になります
- 更新履歴や担当を明記すると運用時に役立ちます
この章では、設計図としてのサイトマップをどう作り、どう役立てるかを中心に説明しました。
HTMLサイトマップ
概要
HTMLサイトマップは、実際のWebページとして公開する「目次」のようなものです。訪問者がサイト内の主要ページを一覧で確認でき、目的のページを見つけやすくなります。特に迷いやすい構成や大規模サイトで有効です。
主な役割
- ユーザーの迷子防止：階層構造やカテゴリを整理して提示します。
- 回遊性の向上：関連ページへのリンクをまとめて案内します。
- サイトの見通しを提供：全体像を一目で把握できます。
具体例とレイアウト
- シンプルなリスト：トップページ→カテゴリ→記事の順で並べます。
- カード型やテーブル：画像や説明を添えて視覚的に示します。
- フィルターや検索を付けると大規模サイトで便利です。
作り方のポイント
- 主要なカテゴリと代表ページだけ載せます。全ページを載せると逆に分かりにくくなります。
- リンク文は具体的に：『料金プラン』や『制作実績』など内容が分かる文言にします。
- 更新を忘れずに：新しいページを追加したら反映させます。
アクセシビリティと注意点
- 見出しやリスト構造を正しく使い、スクリーンリーダーでも分かりやすくします。
- ページ数が非常に多い場合はカテゴリに絞るか、検索機能と併用します。
利用者目線で分かりやすく作ることが、最も大切です。
XMLサイトマップ（sitemap.xml）
概要
XMLサイトマップは検索エンジン向けの機械可読なファイルで、サイト内のURLや最終更新日、更新頻度などを一覧で伝えます。クロールの効率化や新しいページの発見を助けるため、SEO対策として広く使われます。
基本構造（例）
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/page1</loc>
<lastmod>2025-01-10</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
</urlset>
各要素は任意ですが、loc（URL）は必須です。
設置のメリット
- クローラーが新規ページや更新を見つけやすくなります。たとえばブログを頻繁に更新する場合、更新を早く反映してもらいやすくなります。
- サイト構造を把握してもらえるため、重要なページを優先的にクロールしてもらえる可能性があります。
作成・運用のポイント
- CMSや自動生成ツールで常に最新化すると管理が楽です。手動更新だと漏れが出ます。
- URLは正しいステータス（200）を返し、canonicalが適切なものを登録してください。
- 大規模サイトは複数に分割し、indexファイルでまとめると扱いやすくなります。
- 作成後はGoogle Search Consoleなどで送信し、robots.txtに場所を示すと良いです。
よくある注意点
changefreqやpriorityはあくまで参考情報で、必ずしも検索結果に直結しません。また、非公開ページや重複ページを登録しないよう注意してください。
主なサイトマップの違い
ここでは、構成図（制作者向け）、HTMLサイトマップ（利用者向け）、XMLサイトマップ（検索エンジン向け）の違いをわかりやすく説明します。
構成図（制作担当者向け）
- 対象：企画者・デザイナー・開発者
- 目的：サイト構造の設計とページの洗い出し
- 具体例：ページ階層図、ナビゲーションの設計メモ
- ポイント：設計段階で全ページを可視化し、重複や抜けを防ぎます。作業リストとして活用します。
HTMLサイトマップ（ユーザー向け）
- 対象：サイト訪問者
- 目的：目的のページへの案内と回遊性の向上
- 具体例：カテゴリごとのリンク一覧やよくある目的別の案内ページ
- ポイント：読みやすい文言と整理されたリンクで利用者の導線を改善します。
XMLサイトマップ（検索エンジン向け）
- 対象：検索エンジンのクローラー
- 目的：クロール効率化とインデックス促進
- 具体例：sitemap.xmlに更新頻度や優先度を記載
- ポイント：機械向けに正確なURL情報を渡し、重要ページの検出を助けます。
