はじめに
目的
この章は、Googleサーチコンソール(以下GSC)で「クリック数 0」と表示されるときに、何を意味するのかをやさしく説明する導入です。原因の見当を付けたり、次の章で扱う確認事項や改善方法を理解する助けになります。
対象読者
・自分のサイトを運営している方
・検索流入が少なくて悩んでいる方
・GSCの表示を見て対処法を知りたい方
専門知識がなくても読みやすいように、具体例を交えて説明します。
本文書の範囲
・「クリック数 0」の可能性のある意味合い
・よくあるパターンと確認ポイント
・実践的な改善の方向性
データ取得の遅延や設定ミスなど、まず確認すべき点に重点を置きます。
読み方の案内
次章で代表的なパターンを挙げ、続いて具体的な確認項目と改善策を順に説明します。まずは冷静に状況を整理してから一つずつ確認していきましょう。
「クリック数 0」の代表的なパターン
概要
「クリック数 0」には大きく二つの状態があります。片方は表示回数はあるがクリックがない状態、もう片方は表示回数もなく平均掲載順位が “–” になっている状態です。それぞれ原因が異なるため、見分けて対応する必要があります。
パターンA:表示回数はあるがクリック数が0
この場合は検索結果には出ているものの、ユーザーに選ばれていません。主な理由は次の通りです。
– タイトルやディスクリプションが魅力的でない(例:内容が伝わらない、長すぎて切れる)
– 検索意図とページ内容がずれている(例:購入を探す人に情報ばかり提供している)
– 検索順位が低く、上位の競合にクリックを奪われている(例:1ページ目でも下位)
– 構造化データやリッチスニペットが他ページに優位性を与えている
具体例:表示回数100に対してクリック0。タイトルが「商品について」だけで購入希望者に響かない場合など。
パターンB:表示回数も0・平均掲載順位が「–」
この場合はそのクエリで実質的に表示されていません。考えられる理由は次の通りです。
– ページがインデックスされていない
– そのキーワードでほとんど検索されていない(需要がない)
– 検索結果の性質が合わず、別語が優先されている
例:該当キーワードでインデックスされていなければ、そもそも表示されないためクリックは発生しません。
次章では、これらを見分けるために確認するとよい具体的ポイントを紹介します。
確認するとよいポイント
概要
該当キーワードでクリック数が0の場合、数字だけで判断せず複数の角度から確認します。特に「表示回数」「平均掲載順位」「CTR(クリック率)」を同時に見ると原因が見つかりやすくなります。
1.指標を同時に確認する
- 表示回数が多いのにCTRが低ければ、スニペット(タイトル・説明文)の魅力不足や検索意図のズレが疑われます。
- 平均掲載順位が10位以下なら、そもそも検索結果の1ページ目に出ていない可能性があります。
- 表示回数が少ない場合はそもそもの需要が低いか、インデックスや掲載範囲の問題です。
具体的な目安:表示回数が数百以上でCTRが1%未満は要改善、平均掲載順位が11位以上ならまず順位対策。
2.日付範囲を広げて確認する
- 28日、3か月など長めの期間で傾向を見ます。短期間だけのデータはノイズが多いです。
- 期間内に季節性や施策による変化がないかも確認してください。
3.実際にそのキーワードで検索して比べる
- ブラウザのシークレットモードで自分のページがどの位置に出るか確認します。地域や端末(PC/スマホ)も切り替えてください。
- タイトル・スニペットを競合と比べ、目を引く言葉やベネフィットが書かれているか確認します。例:「価格」「期間」「数字」「問題解決」を入れると目を引きやすいです。
- 構造化データやリッチスニペットが競合にある場合は表示優位を奪われている可能性があります。
チェックリスト(簡易)
- 表示回数・CTR・平均掲載順位を同時に確認済み
- 日付範囲を28日以上で確認
- PC/スマホで実際に検索し順位とスニペットを比較
- 競合のスニペットに負けていないか評価
これらを一つずつ確かめると、次の改善点が見つかります。
「クリック数 0」のときの改善方向性
表示回数はある場合(CTRが低い)
タイトルとディスクリプションをまず見直してください。検索結果で目を引く一言を入れるとクリック率が上がります。具体例:
– タイトルに時間目安や数字を入れる(例:「5分でできる◯◯」)
– 説得力のある一文をディスクリプション先頭に置く(例:「今すぐ使える手順を3つ紹介」)
画像やリッチスニペット(FAQやレシピなど)が設定できる場合は構造化データを追加すると見栄えが良くなります。A/Bテストで複数パターンを試し、Search ConsoleのCTRを比較してください。
表示回数も少ない場合(露出不足)
コンテンツの質と検索意図の一致を優先してください。検索キーワードに対して答えが薄ければ、見出しを増やして詳しく説明します。具体策:
– 検索意図に合う見出しを追加してQ&A形式で補足
– 内部リンクで関連記事から流入を作る
– ページ速度やモバイル表示を改善し、離脱を減らす
被リンクは中長期の施策なので、業界関係者への紹介記事やゲスト投稿で地道に増やします。
優先度の高い改善手順
- タイトルと説明文の改善(短期で効果が出やすい)
- コンテンツの肉付けと見出し整理(中期)
- 内部リンク・サイト体験の改善(中期)
- 被リンク獲得(長期)
計測と次の行動
変更後はSearch Consoleで表示回数・CTR・掲載順位を週次で確認してください。改善が見られなければ、狙うキーワード自体の需要が低い可能性があるため、別キーワードを検討します。
追加のサポートについて
概要
クリック数が「0」になっているキーワードやページについて、実際の状況(スクリーンショット、該当キーワード、該当URLなど)をいただければ、どのパターンに当てはまるかを切り分けて、より具体的な対処法を提案します。問題の特定を優先し、対応の優先順位を明確にします。
ご提供いただきたい情報
- 対象のキーワードと該当ページのURL
- Search Consoleや解析ツールの該当期間のスクリーンショット(検索表示やクリック数が見えるもの)
- 最近行った変更(タイトル変更、metaや構造の更新、外部広告の停止など)
- 重要な競合ページや参考にしているページがあればURL
送付方法
- スクリーンショットはJPEG/PNGで添付してください
- テキストでの送付でも対応します(キーワード一覧、該当URL、変更履歴)
こちらで行う作業
- 受け取った情報を基に、どの典型パターンかを切り分けます
- 想定される原因を3〜5項目に絞って提示します
- 優先順位付きの改善案(具体的な文言例や技術的対応の指示)を提示します
納品物の例
- 判定レポート(原因の切り分けと優先度)
- 改善チェックリスト(実行手順つき)
- 必要に応じてタイトル・説明文の改善案(文例)
期間と料金の目安
- 無料の簡易診断: 2〜3営業日で簡単な切り分け(所要30〜60分)
- 詳細診断(有償): 1週間前後で深掘りレポート
注意点(機密性)
公開できない情報は送らないでください。個人情報や機密データは伏せ字で結構です。スクリーンショットは必要箇所だけ切り出してお送りください。
次のステップ
送っていただければ、受領後に最初の切り分け結果を共有します。まずは対象のキーワードと該当URL、スクリーンショットをお送りください。












