はじめに
目的
この章では、ゴールドアクセサリーと水の関係についての全体像をやさしく説明します。まずは「なぜ注意が必要か」を日常の例で理解していただくことを目指します。
概要
ゴールドは変色しにくい金属ですが、素材の純度や表面処理（メッキなど）によって水に触れたときの影響が変わります。例えば、シャワーや海水、温泉では劣化のリスクが高まる場合があります。本書ではそうした違いと、日常でできる簡単なケア方法を後章で詳しく紹介します。
読者へのお願い
まずは普段の使い方を思い出してみてください。どんな場面でアクセサリーを外すか、あるいはつけたままにしているかを振り返ると、以降の説明が理解しやすくなります。
本書の使い方
章ごとに具体的な場面と対処法を示します。専門用語は必要最低限に抑え、写真や例を交えてわかりやすく解説します。次章からは基本的な考え方に進みます。
基本的な考え方
基本のポイント
純度の高いゴールド（例：18金、22金）は金そのものが主成分なので、真水や普段の入浴程度では比較的劣化しにくいです。一方でK10、K14、K18などは金にほかの金属を混ぜた合金です。合金に含まれる金属が原因で、くすみや変色が起きやすくなります。
なぜくすむのか（具体例で説明）
- 汗や化粧品：酸や塩分が含まれ、合金中の銅や銀と反応して黒ずむことがあります。
- シャンプーや温泉成分：界面活性剤や硫黄成分により表面が変化します。特に温泉の硫化水素は銀色っぽく変色させます。
- 塩素・海水：塩分や塩素が金属を腐食させ、変色や緑色の付着を招くことがあります。
純度と耐久性のバランス
金の純度が高いほど化学的に安定しますが、柔らかく傷がつきやすくなります。加工や普段使いを考えると、多少の合金を含むことで耐久性が増す利点もあります。用途に応じて純度を選ぶことが大切です。
日常での扱い方（具体例）
- プール・海・温泉には外す。汗をかく激しい運動時も外す。
- シャワーや化粧のあとに柔らかい布で拭く。油や汚れを落とすだけでも輝きが戻ります。
- 長期間使わないときは密閉袋に入れ、湿気や空気に触れにくく保管する。
まとめは省略します（章の指示に従って記載なし）
避けたほうがよいシーン
プール
塩素は金やメッキに化学反応を起こしやすく、変色やくすみの原因になります。泳ぐ前は必ず外すことをおすすめします。外せない場合は、泳いだ後すぐに真水でよく洗い、柔らかい布で水分を拭き取って乾かしてください。
海水浴
海の塩分は表面を腐食させ、砂は小さな傷をつけます。指輪や華奢なネックレスは特に傷みやすいです。海に入るときは外す、あるいは水でよく流して砂粒を完全に落とすようにしましょう。
温泉・入浴剤入りのお風呂
温泉の硫黄成分や入浴剤の化学物質は金メッキを黒ずませたり、剥がれを早めたりします。温泉や入浴剤を使うお風呂にはつけたまま入らないでください。もし入ってしまったら、ぬるま湯で優しく洗い、乾いた布で拭いてください。
その他の注意場面
家事で使う漂白剤や強い洗剤、汗をかく激しい運動、サウナなどもアクセサリーを傷めます。日常でも外出先でも、長時間つけっぱなしにしないことが一番の予防です。
つけたまま水に入った場合のケア
まずは軽くすすぐ
シャワーや手洗い程度で濡れたときは、まず真水で軽くすすいでください。石けんや石鹸成分が残らないように流すと、変色やくすみを防げます。水分は吸水性のある柔らかい布（マイクロファイバーや綿）で押さえるように拭き取ってください。
汚れが気になるときの対処
汚れや皮脂が気になる場合は、ぬるま湯（人肌〜ぬるめ）に中性洗剤をごく少量溶かし、短時間（数分程度）浸してください。浸した後は柔らかい歯ブラシや布で優しく触って汚れを落とし、十分に真水ですすぎます。金メッキや接着剤で留めた飾り物は長時間つけ置きしないでください。
しっかり乾かす
すすいだあとは完全に乾かします。柔らかい布で水分を拭き取り、そのまま風通しの良い場所で自然乾燥させてください。チェーン類は下向きにして水滴を抜くと早く乾きます。ドライヤーの高温や直射日光は避けてください。
避ける洗剤・器具
研磨剤入りのクリーナー、漂白剤、アルコール系溶剤、硬いブラシは表面を傷めたり、メッキを剥がす原因になります。専用のクリーニング用品を使う場合も、製品表示を確認してから使用してください。
ちょっとした点検
乾いたあとで留め具や石の緩みを確認してください。異常がある場合は無理に使わず、専門店で点検・修理を依頼すると安全です。
ゴールドと金メッキの違い
純金〜高純度ゴールド（18K以上）
24Kはほぼ純金で、水による変化には強いです。18Kも金の割合が高く、日常の水濡れで問題になることは少ないです。ただし、プールの塩素や温泉の硫黄・ミネラルは表面を傷めるので、入浴や泳ぐ前には外すことをおすすめします。
低純度ゴールド（14K・10K）
14Kや10Kは金より他の金属（銅・銀・ニッケルなど）を多く含みます。これらが汗や塩分と反応して変色や黒ずみ、肌に色移りを起こすことがあります。海や汗をかく場面では特に注意が必要です。
金メッキ（メッキ製品）の特徴
金メッキは薄い金の層を別の金属に付けたものです。水や摩擦、洗剤に弱く、頻繁に濡れるとメッキが剥がれやすくなります。見た目が変わったら再メッキで見た目を戻せますが、耐久性は本物のゴールドより低いです。
見分け方と実用的なケア
刻印（24K/18K/14K/10K、あるいはGP/HGEなど）を確認すると判断しやすいです。プール・海・温泉の前は外し、濡れたら柔らかい布で優しく拭いて乾かしてください。保管は乾燥した袋や箱で、香水や家事洗剤と接触させないようにすると長持ちします。再メッキや研磨は専門店に相談してください。
