はじめに
概要
Web業界の仕事は多様です。大きく分けると「指揮系」「作業系」「解析系」の3つに分類できます。職種ごとに役割や求められるスキルが違い、デザインから開発、マーケティング、運用まで幅広く関わります。本書では各カテゴリの特徴をやさしく説明します。
指揮系(方向づけ・管理)
役割: プロジェクトの目的を決め、メンバーをまとめます。主な業務は企画、ディレクション、PM(プロジェクト管理)です。
求められる力: コミュニケーション、調整力、全体を見る視点。例としては、サイトの狙いを決めて制作チームと調整する人です。
作業系(制作・実行)
役割: 実際に手を動かして成果物を作ります。デザイナーやフロントエンド・バックエンドの開発者、コーダーなどが該当します。
求められる力: 技術や表現力、作業の正確さ。例は、デザインを作成したり、機能を実装したりする人です。
解析系(分析・改善)
役割: データを基に課題を見つけ、改善策を提案します。アクセス解析やマーケティング分析、効果測定が中心です。
求められる力: データを読み解く力、仮説を立てて検証する力。例は、ユーザー行動を分析して改善案を提示する人です。
本書の読み方
まずはこの章で全体像をつかんでください。次章では主な職種を具体的に紹介し、さらに詳しい特徴や求められるスキルについて説明します。興味のある分野を見つけて読み進めてください。
主なWeb業界の仕事種類
デザイン系
- Webデザイナー:サイトの見た目を作ります。色やレイアウトを決め、実際にページのデザインを作成します。例:企業サイトのトップページをレイアウトして画像やボタンを配置します。
- UI/UXデザイナー:使いやすさを考えます。ユーザーが迷わない動線や操作感を試作し、ワイヤーフレームやプロトタイプを作ります。例:会員登録の流れを簡単にするための画面設計を行います。
- DTP・グラフィックデザイナー:印刷物やロゴも手がけます。Webと紙媒体のデザインを統一することが多いです。
開発系
- Webエンジニア:サイトの動きを作ります。フォーム送信やデータ表示などをプログラムで実装します。例:商品一覧をデータベースから表示する機能を作ります。
- プログラマー:特定の機能を担当してコードを書きます。規模に応じてフロント/バックエンドに分かれます。
- サーバーエンジニア:サイトを安定して動かすための環境を整えます。例:サーバーの設定や保守を行います。
企画・運営系
- Webディレクター:制作の進行管理や要件整理をします。チームとクライアントの橋渡しをします。例:スケジュール調整や仕様の確認を行います。
- Webプロデューサー:サービス全体の戦略を立てます。予算や方針を決め、外部との交渉も担当します。
- Webプランナー:企画立案やコンテンツ設計を行います。ユーザーの目的に合わせた企画を提案します。
- Webオペレーター:更新や運用を日常的に行います。例:記事の公開やリンクのチェックを担当します。
マーケティング・編集系
- Webマーケター:集客や効果測定を行います。広告運用やSEO対策を担当します。
- Webライター:サイト用の文章を作成します。読みやすく伝わる文章を書くことが求められます。
代表的な職種の特徴
ここでは代表的な職種の特徴を分かりやすく説明します。各職種の求められる力を具体例で補足します。
Webデザイナー
デザインソフトの操作や色使い、レイアウト設計が中心です。たとえばFigmaやPhotoshopで見出しやボタンの見た目を作り、スマホでも見やすい配置に調整します。UI(画面の使いやすさ)とUX(体験全体)の理解が役立ちます。
Webディレクター
企画立案と進行管理を担います。クライアントと開発チームの間に立ち、要件をまとめてスケジュールを作ります。例としては要件定義書の作成や週次ミーティングの運営です。
Webプロデューサー
サービス全体の戦略や予算管理を行います。市場や競合を見て目標(KPI)を決め、複数の案件を横断的に監督します。リーダーシップとマネジメント力が重要です。
Webエンジニア
プログラミングでサイトやシステムを作ります。HTML/CSSやJavaScriptのほか、サーバー側の処理やデータベース設計も扱います。例としてはトップページの動的表示や会員登録機能の実装です。
Webライター
分かりやすい文章を書く力と情報収集力が求められます。読み手に合わせた表現や見出し構成、事実確認が大切です。商品説明やブログ記事、メール文面の作成が主な業務です。
活躍できる業種
はじめに
Webデザイナーは多様な業種で求められます。ここでは代表的な業種と、そこで求められる役割や向いている人の特徴を具体例を交えて説明します。
Web制作会社
役割:クライアントのサイトを一から制作します。デザイン、コーディング、要件定義など幅広く担当します。
向いている人:多様な案件で経験を積みたい人。チームで働くのが好きな人。
例:企業サイト、コーポレートサイト、キャンペーンページの制作。
広告代理店
役割:広告キャンペーンに合ったクリエイティブ制作を行います。スピード感が求められます。
向いている人:短期間で成果を出すことにやりがいを感じる人。企画力がある人。
ECサイト運営会社
役割:商品ページのデザインや購買導線の改善を担当します。売上に直結する業務です。
向いている人:データを見ながら改善するのが得意な人。マーケティングに興味がある人。
一般企業(インハウス)
役割:社内のWebやUIを継続的に改善します。制作会社よりもユーザー理解が深められます。
向いている人:一つの事業に深く関わりたい人。ワークライフバランスを重視する人。
フリーランス・スタートアップ
役割:幅広い業務を自分で担います。裁量が大きく自由度も高いです。
向いている人:自己管理が得意で新しい挑戦が好きな人。
どの業種も求められるスキルや働き方が異なります。自分の得意分野や目標に合わせて選ぶと活躍しやすくなります。












