はじめに
この文書の目的
この文書は、WordPressを使ってホームページを作るときに知っておきたい基本をやさしくまとめたものです。専門的なプログラミング知識がなくても始められる点、テーマやプラグインで見た目や機能を変えられる点を中心に説明します。
WordPressってどんなものか
WordPressは「CMS」と呼ばれる仕組みの一つで、画面上で文章や写真を追加したり、ページの構成を変えたりできます。たとえば、個人のブログ、小さな店舗の紹介ページ、写真や作品のポートフォリオなどを簡単に作れます。コードを書かずに見た目を変えたり機能を増やしたりできるのが特長です。
この文書で学べること
本書では、次の点を順に説明します。
– WordPressの基本と仕組み
– ホームページとの違いと関係
– 実際に作るときの大まかな流れ
– WordPressを使うメリット
– どんな人に向いているか
読み方の案内
初めての方は第2章から順に読むと理解しやすいです。すでに触ったことがある方は、気になる章だけを読んで実践に移しても問題ありません。具体的な手順や注意点は第4章以降で丁寧に説明します。
WordPressとは
概要
WordPressはオープンソースで無料のCMS（コンテンツ管理システム）です。ブログだけでなく、企業サイトやショップ、ポートフォリオなどさまざまな種類のホームページを作れます。専門知識が少なくても始めやすい点が特徴です。
管理画面でできること
管理画面（ブラウザ上の操作画面）から、記事や画像の追加、メニューの設定、公開日時の指定などを行えます。たとえば、文章を書いて画像をアップロードし、公開ボタンを押すだけでページが公開されます。
テーマとプラグイン
・テーマ：サイトの見た目を変えるテンプレートです。無料・有料のテーマを選ぶだけでデザインを一新できます。
・プラグイン：機能を追加する部品です。お問い合わせフォームやSEOの補助、ネットショップ機能などを簡単に導入できます。
利用例
小さな個人ブログから会社の公式サイト、ネットショップまで幅広く使われます。初期費用を抑えたい場合や、後から機能を増やしたい場合に特に向いています。
注意点（簡単に）
無料で始めやすい反面、定期的なアップデートやバックアップが必要です。これらを怠るとセキュリティ上の問題が起きることがあります。
ホームページとの関係
概要
WordPressはホームページ（Webサイト）を作るための土台としてサーバーにインストールして使います。HTMLやCSSを一から書かなくても、テーマとブロックエディタを使って文章や画像を配置するだけで、トップページ、会社概要、お問い合わせページなどを作成できます。
基本の役割
- サーバー上で動くソフトウェアとして、ページの構造や管理機能を提供します。
- 管理画面（ダッシュボード）で記事や固定ページを作り、公開・編集できます。
どんなページが作れるか
- トップページ：見出しや画像、ボタンを並べるだけで作れます。例：店舗の最初の案内ページ。
- 会社概要：テキストと写真を並べるだけで完成します。
- お問い合わせページ：フォーム（プラグイン）を使えば、フォーム作成も簡単です。
実際の流れ（簡単に）
- レンタルサーバーを契約しドメインを決める
- WordPressをサーバーにインストール
- テーマを選び外観を決める
- ブロックエディタでページを作成して公開
カスタマイズについて
- テーマでデザインを変えられます。細かい見た目はテーマの設定や追加のCSSで調整可能です。
- コードを触らなくても十分な場合が多いですが、細かい制御をしたいときはHTML/CSSの編集が役立ちます。
注意点
- サイトを公開したら定期的に更新とバックアップを行ってください。プラグインやテーマの更新を怠るとセキュリティ上のリスクになります。
WordPressでホームページを作る大まかな流れ
1. レンタルサーバー契約と独自ドメイン取得
まずは表示速度や安定性を考えてレンタルサーバーを選びます。個人向けなら共用の安価プランで十分です。ドメインは分かりやすい英数字を取得し、サーバーの管理画面でそのドメインを使えるように設定します。
2. WordPressのインストールと管理画面へのログイン
多くのサーバーは「ワンクリックインストール」に対応しています。対応がなければFTPでアップロードしてインストールします。インストール後、管理画面（/wp-admin）で管理者アカウントを作り、ログインします。
3. テーマ選択と固定ページ作成
見た目はテーマで決まります。公式や有料テーマから目的に合うものを選んで有効化します。まずは固定ページ（ホーム、会社案内、問い合わせなど）を作成し、公開ページの骨組みを用意します。ブロックエディターで簡単にレイアウトできます。
4. メニュー・ヘッダー・フッターの設定
外観設定でメニューを作り、主要な固定ページを並べます。ヘッダーにロゴやサイト名を入れ、フッターに著作権表記や連絡先を置きます。見やすさを優先して並び順を調整します。
5. パーマリンクや基本設定
管理画面の設定で「パーマリンク」を投稿名に変更するとURLが分かりやすくなります。サイトタイトル、キャッチフレーズ、タイムゾーン、表示設定などもここで確認します。
6. 最終チェックと公開
スマホ表示やリンク切れ、画像の見え方を確認します。必要ならプラグインでセキュリティ対策やバックアップを導入します。問題がなければ公開して運用を始めます。
WordPressでホームページを作るメリット
自分で更新・ページ追加がしやすい
WordPressは管理画面にログインして、文章や画像を直接編集できます。お知らせやブログ投稿、メニューの追加を外注せずに済むので、更新が速く、運用コストも抑えられます。例えば新商品の案内をその日のうちに掲載できます。
デザインや機能を増やしやすい（テーマとプラグイン）
豊富なテーマで見た目を変えられます。無料のものからプロ向けの有料テーマまで選べます。機能はプラグインで追加します。お問い合わせフォーム、予約機能、SNS連携、ネット通販など、必要な機能だけ導入できます。
小規模〜本格サイトまで対応できる
個人のブログや飲食店の案内、企業のコーポレートサイト、会員制サイトやECサイトまで対応します。始めはシンプルにして、成長に合わせて機能を追加できます。
一度覚えれば他サイトにも応用できる
管理画面の使い方やテーマ選び、プラグインの設定を覚えれば、別のドメインでも同じ感覚でサイトを作れます。テンプレートや設定を再利用すると作業効率が高まります。
コストと自由度のバランスが良い
制作会社にすべて任せるより費用を抑えやすく、細かな表現や変更も自分でコントロールできます。安全対策やバックアップは自分で管理する必要がありますが、その分カスタマイズの自由度が高くなります。
こんな人に向いている
WordPressは幅広い人に向いています。以下の例を見て、自分に合うか確認してください。
1. コストを抑えたい個人・小規模事業者
初期費用を抑えて自社サイトや個人サイトを持ちたい人に向いています。たとえば、個人のフリーランスや小さな飲食店が低価格のレンタルサーバーを使い、手軽に情報発信する場合に便利です。
2. 更新を自分で頻繁に行いたい人
ブログ機能やお知らせ欄を使い、ニュースやイベントを自分で簡単に更新したい人に合います。スタッフが週に1回でメニューや営業情報を更新するような運用に向きます。
3. 将来的にデザインや機能を拡張したい人
最初はシンプルなサイトでも、あとからデザインや機能を追加して発展させたい場合に適しています。テンプレート（外見）や追加機能（プラグイン）で段階的に拡張できます。
4. 自分で管理したいが学ぶ意欲がある人
完全に任せるのではなく、管理や細かな調整を自分で行いたい人に合います。最初は少し学習が必要ですが、慣れれば柔軟に運用できます。
5. コンテンツ中心で集客したい人
文章や写真、イベント情報で訪問者を増やしたい人に向いています。検索で見つけてもらいやすくする工夫も自分で行えます。
注意点として、サーバー管理や定期的な更新、バックアップの作業が発生します。外注と自分での運用のどちらが向いているかも検討してください。
