初心者も安心できるwebサイト納品方法の選び方完全ガイド

目次

はじめに

この文書は、Webサイトの主な納品方法について分かりやすく説明するために作りました。依頼側と制作側が納品の方法を共通理解すると、手戻りやトラブルを減らせます。

主な納品パターンは次の2つです。

  • サーバーにアップして納品する方法:制作側が完成したファイルをそのまま公開用サーバーに設置します。例:制作会社がFTPや管理画面を使ってアップロードするケース。
  • データ一式を渡して納品する方法:ファイルや設定情報をまとめて渡し、受け取った側が自分のサーバーへ配置します。例:ZIPやGitリポジトリ、USBで渡す方法。

どちらを選ぶかで、納品時に渡すものや確認項目が変わります。公開後の保守や権限管理にも影響しますので、事前に役割と責任を明確にしておくことが大切です。

本書では、各方法の特徴、納品時に渡すべきもの、決めるときのポイント、比較表を順に説明します。初めての方でも迷わないよう、具体例を交えて丁寧に進めます。

主な納品方法

1. サーバーアップロード納品

制作側がクライアント指定のサーバーへ直接ファイルをアップロードし、そのまま公開できる状態で引き渡す方法です。公開作業まで任せたい案件でよく使われ、Web制作では最も一般的です。

  • 手順例
  • サーバー環境・ドメイン・公開ディレクトリを確認します。
  • クライアントからFTP/SFTPやSSHのアカウント情報を受け取ります。
  • テスト環境でアップロードして動作確認します。
  • 本番へ反映し、最終チェックを行い報告します。

  • 利点

  • 公開まで制作側が一貫して対応できるため、手間が少なく早い。
  • ファイル配置やパーミッションなど細かい調整を行いやすい。

  • 注意点

  • アカウント情報や権限の取り扱いに注意してください。パスワードを暗号化した手段で受け渡す、作業後にパスワード変更を依頼するなどの対策が必要です。
  • 本番反映時の表示差異やキャッシュ問題を事前に確認します。

2. データ(ファイル)納品

HTML/CSS、画像、スクリプトなどサイトデータ一式をZIPなどにまとめて渡す方法です。メール添付、チャットツール、オンラインストレージ、ファイル転送サービスで共有するケースが多いです。

  • 手順例
  • ファイル構成は分かりやすく整理し、READMEを同梱します。
  • バージョンや更新履歴を明記します。
  • ZIPやtarで圧縮し、パスワード付与や共有リンクで送信します。

  • 利点

  • クライアント側で自由に配置や管理ができるため引き継ぎが容易です。
  • バックアップとして保管しやすい。

  • 注意点

  • ファイル名やフォルダ構成が分かりにくいと運用で混乱します。
  • 大容量の場合は専用サービスを使い、ダウンロード期限やアクセス権を設定してください。

共通のチェックリスト

  • 受け渡す内容をリスト化(HTML、画像、フォント、スクリプト、設定ファイルなど)
  • 動作確認手順を記載したREADMEを同梱
  • バージョン情報と最終更新日を明記
  • 機密情報(APIキーやパスワード)は含めない、必要な場合は別途安全に共有
  • 引き渡し後のサポート範囲と期間を明示

必要に応じて、どちらの方法が向いているか具体的なケースでアドバイスします。ご希望があれば教えてください。

納品時に渡すもの

1) サイトデータ一式

納品の中心です。具体的には以下を用意します。
– HTML/CSS/JavaScriptのファイル(一式)
– 画像・アイコンなどの素材フォルダ(オリジナルサイズと最適化済みを両方)
– WordPressの場合はテーマ・プラグインの設定、エクスポート(XML)やデータベースのダンプ(.sql)
– 設定ファイル(.htaccessなど)、外部サービス連携情報(例:Google AnalyticsのトラッキングID)
ファイルは分かりやすい名前とフォルダ構成でまとめ、バージョン番号や更新日を付けます。

2) サーバー・ドメイン・CMSのアカウント情報

運用に必要なログイン情報を整理します。項目例:
– サーバー(FTP/SFTP、ホスティング管理画面)
– ドメイン管理(レジストラのログイン)
– CMSの管理者アカウント(WordPressの管理者ユーザー)
– メール設定、SSL証明書の管理者情報
パスワードは平文で渡さず、パスワード管理ツールの共有か一時パスワードを使ってください。引き渡し後は一時アカウントのパスワードを変更することを依頼します。

3) 更新マニュアル・運用マニュアル・納品書などのドキュメント

誰でも分かる手順書を用意します。内容例:
– 画像差し替えや記事投稿の手順(スクリーンショット付き)
– バックアップ・更新の頻度と手順
– トラブル時の初動対応(ログの見方、連絡先)
– 納品書・請求書・受領確認書のPDF
マニュアルはPDFかオンラインドキュメントで渡すと分かりやすく、検索もしやすいです。

4) 引き渡し時の簡単チェックリスト

  • ログイン確認をクライアントと一緒に実施
  • バックアップの存在を確認
  • アクセス権の最小化(不要なアカウントは削除)
  • 重要なファイルを一つの圧縮ファイルと別保存で保管
    これらをチェックすることで、納品後のトラブルを減らせます。

方法を決めるときのポイント

方針を決める基準

まずクライアントがサーバー情報(FTP、SFTP、管理画面のログインなど)を出せるか確認します。出せる場合は「直接アップロード」が簡単で早いです。自社で公開作業を行いたい場合やセキュリティ上の理由でサーバー情報を渡したくない場合は「データ納品(ファイル渡し)」を選びます。

受け渡し方法は事前に取り決める

メール、チャット、オンラインストレージ、あるいは専用のファイル転送サービスなど、どの方法で受け渡すかを事前に明確にします。送信先のアドレスやフォルダ権限、転送期限などを依頼時に確認しておくと後の手戻りが減ります。

トラブル防止のチェックリスト(例)

  • ファイル名規則を決める(例:プロジェクト名_日付_バージョン)
  • フォルダ構成をあらかじめ共有する
  • 誤送信防止:送信前に宛先を二重確認する、プレビューでファイルを確認する
  • 大容量ファイルはダウンロードリンクで渡す
  • パスワード付き圧縮や暗号化で機密を守る
  • 受領確認とバージョン管理を必ず行う

実務的な注意点

納品後に修正が発生する可能性を見越して、バージョン管理とバックアップを残してください。いつまでに誰が何をするかを明文化しておくと責任の所在が明確になります。

納品方法の比較表

項目 サーバーアップロード納品 データ(ファイル)納品
公開までの手間 制作側が公開まで対応するためクライアントの手間が少ない。 公開作業をクライアント側が行う必要がある。
受け渡し手段 サーバーへ直接アップロードし、URLやログイン情報を共有する。 ZIPなどにまとめてメール、クラウド、転送サービスで共有する。
向いているケース 公開作業を任せたい、技術的知見が少ない場合。 サーバー情報を渡せない、自社ルールで公開したい場合。
セキュリティ 制作側でアクセス管理を行えるが、情報共有時の注意が必要。 ファイル暗号化やパス付きで渡すと安全。
修正対応 即時反映や短期の修正対応が容易。 クライアントの手で反映するため時間がかかる場合がある。
費用 公開作業を含めると追加費用が発生することがある。 データのみなら費用を抑えられる場合が多い。
確認方法 実際の公開URLで最終確認できる。 ローカルや検証環境で動作確認を行う。
  • どの方法にするか、何をどこまで渡すかは契約や見積もり段階で明文化しておくと安全です。
  • サーバー納品ならアクセス情報・作業範囲を、データ納品ならファイル構成・動作手順を必ず付けてください。
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