はじめに
本文書の目的
この文書は、Amazon Route 53を使ってドメインを取得・管理する際の料金情報を分かりやすくまとめたものです。主要なトップレベルドメイン(TLD)の年間登録・更新料金や、2025年7月1日から予定されている価格改定について説明します。ドメイン登録以外の費用、たとえばホストゾーンやDNSクエリにかかる料金も扱います。
誰に向けた資料か
ドメインを新規取得する方、既にRoute 53で運用している方、あるいは費用見積もりを行うエンジニアや管理者の方に向けています。専門用語は必要最低限にし、具体例を用いて説明します。
本文書で扱う主な項目
- 主要TLDの年間登録・更新料金(例:.com、.net、.jpなど)
- 2025年7月1日からの価格改定の影響範囲
- ホストゾーンの課金とDNSクエリの基本的な考え方
読み方の注意点
価格はプロバイダの方針で変わることがあります。見積もりを行う際は、最新のAWSコンソールや公式ドキュメントで確認してください。本章では全体像を示し、次章以降で具体的な料金例を提示します。
主要ドメインの料金
一般的な年間料金
一般的に利用される代表的なドメインの年間登録・更新料金は次の通りです。
- .com: $14~15/年(世界的に最も普及)
- .net: $15~17/年(ネットワーク系に使われやすい)
- .org: $14~15/年(非営利団体などで利用)
- .jp: $54/年(2025年7月1日以降の新価格)
- .xyz: $14~18/年(価格帯が広く手頃)
価格はレジストラ(販売業者)やキャンペーンで変わります。例えばセール時は初年度のみ安くなることがあります。
2025年7月1日の価格改定について
この日から.jpドメインが大幅に値下げされ、年間料金が$54に統一されました。一方で、.comと.netは若干の値上げがあり、従来の価格より上がっています。料金改定により、国別ドメインを選ぶ負担が軽くなった方もいれば、.comや.netを維持するコストが増えた方もいます。
ドメイン選びの実用的ポイント
- 目的を優先して選んでください。企業やブランディングなら.com、地域性を出すなら.jpが向いています。
- 長期運用を考えるなら更新料金を確認してください。初年度割引があっても2年目以降が高くなる場合があります。
- 価格差が小さい場合は、覚えやすさや信頼性で決めるとよいです。
具体的な料金は契約前にレジストラで必ず確認してください。
その他の料金
ここでは、ドメイン登録費用以外にRoute 53で発生する主な料金項目を、具体例を交えてわかりやすく説明します。
ホストゾーン
ホストゾーンはドメインのDNS設定をまとめた単位です。最初の25個までは1つあたり月額$0.50、26個目以降は$0.10/月です。たとえば、3つの独立したドメインを管理するなら3つのホストゾーンを作り、それぞれに月額$0.50がかかります。サブドメインが多くても同じドメイン内なら1つのホストゾーンで管理できますので、無駄にゾーンを分けないと費用を抑えられます。
DNSクエリ
DNSクエリは名前解決の要求回数に対する料金です。料金は$0.40/100万クエリです。例:1日1万クエリ(1万×30日=30万クエリ)なら月間で約0.12ドルです(0.3×$0.40)。アクセスが多いサイトやAPIを多数呼ぶ環境ではクエリ数が増えますので、キャッシュやCDNの活用で削減できます。
ドメインの価格差の例
ドメインによって登録料に大きな差があります。安い例としては .click が約$3/年、.link が約$5/年です。一方、.movie(約$307/年)や .sucks(約$284/年)など高額のものもあります。価格はレジストリごとに決まり、キャンペーンの初年度価格と更新価格が異なることもあるため、更新時の費用も確認してください。
コストを抑えるポイント
- 管理するホストゾーンを統合する(同一ドメインは1ゾーンで十分)
- DNS応答のキャッシュやCDNを使いクエリ数を減らす
- 不要なドメインやゾーンを削除する
- 登録時と更新時の価格差を確認して選ぶ
請求時の注意点
AWSの請求は米ドル建てが基本のため、為替や税の影響があります。各項目はドメイン登録とは別の明細で請求されますので、請求書をよく確認してください。












