はじめに
本レポートは「cms やさしい」というキーワードに関する調査結果を分かりやすくまとめたものです。CMSの基本的なしくみから、初心者が使いやすいCMSの選び方、実際の導入や運用で重視すべき点まで、操作性と導入のしやすさに重点を置いて解説します。
目的
– CMSに不慣れな方が、自分に合ったサービスを見つけ、実際に使い始められるようにすること。
対象読者
– 個人でサイト運営を始めたい方、これからブログや簡易なコーポレートサイトを作る方、制作を外注せずに運用したい方。
本レポートの構成
– 第2章でCMSの基礎を解説し、第3章で初心者にとっての利点を説明します。第4章では選び方のポイントを整理し、第5章以降で具体的なCMS（WordPress、Jimdo、STUDIO、LeadGrid、microCMS）を紹介します。
読み進め方
– 全体を通して読めば基礎から実践まで理解できますが、まずは第2章の基礎を確認し、関心のあるCMSの章に移ることをおすすめします。
CMSとは何か – 初心者向け基本解説
1. CMSの定義
CMS（コンテンツ管理システム）は、専門的なプログラミング知識がなくてもWebサイトの作成・更新ができる仕組みです。テンプレートに文章や画像、動画を差し替えるだけでページが完成します。身近な例はブログや会社のホームページです。
2. 仕組み（簡単に）
管理画面（ダッシュボード）で内容を入力すると、CMSが自動でHTMLや見た目を整えます。テンプレートはあらかじめ用意されており、配置や色を変えるだけで見た目を変更できます。ドラッグ＆ドロップで編集できるタイプもあります。
3. 主な構成要素
- 管理画面：文章や画像を編集する場所。直感的な操作が多いです。
- テンプレート／テーマ：見た目の元。選ぶだけでデザインが変わります。
- プラグイン／拡張機能：機能を追加する部品。お問い合わせフォームやSNS連携などを簡単に追加できます。
4. 種類と選び方のヒント
大きく分けて、業者が全部用意する『クラウド型（ホスティング付き）』と、自分でサーバーに設置する『ダウンロード型』があります。初心者は設定が簡単なクラウド型から始めると安心です。
5. 初心者がまず押さえるポイント
目的（ブログ、店舗紹介、オンライン販売）を決め、使いやすさ・費用・サポートの有無を比較してください。最初は試してみて、慣れてからカスタマイズを進めると負担が少なく済みます。
CMSを使うメリット – 初心者が得られる利点
はじめに
CMSを使うと、専門的なコーディング知識がなくてもWebサイトを作れます。ここでは初心者が実感しやすい利点を分かりやすくまとめます。
コーディング不要で始められる
テンプレートやビジュアルエディタでページを作成できます。テキストや画像を入れ替えるだけで体裁が整うため、初めてでも短時間に公開できます。
更新・公開が簡単
記事の追加や修正が管理画面から行えます。公開日時を指定したり、プレビューで確認したりできるので、運用がスムーズです。
複数人での共同編集がしやすい
編集者ごとに権限を設定できます。担当ごとに編集範囲を分けたり、変更履歴で過去の状態に戻したりできます。
デザインと機能の拡張が容易
テーマやテンプレートで見た目を整え、プラグインや拡張機能でフォームやSNS連携、簡単なEC機能を追加できます。必要な機能を後から増やせます。
運用コストが抑えられる
専門家に頼む回数が減り、更新作業も社内で済ませられます。制作や保守の費用を抑えたい小規模事業や個人に向きます。
学習負担が少ない
操作は直感的で、公式のチュートリアルやコミュニティも充実しています。最初の学習時間は短く済み、すぐに実務へ移れます。
初心者向けCMSの選び方 – 重要なポイント
1. サイトの目的をはっきりさせる
まず、何を作りたいかを決めます。個人ブログ、企業の紹介、ネットショップ、ポートフォリオなど目的で必要な機能が変わります。例：記事中心ならブログ機能やカテゴリー、ネットショップなら決済や在庫管理が必要です。
2. 操作の簡単さとカスタマイズ性のバランス
初心者は操作が直感的なことを優先しましょう。テンプレートやドラッグ＆ドロップがあると早く公開できます。一方で独自デザインを求めるならカスタマイズ性も確認してください。簡単さだけで選ぶと将来の変更で困ることがあります。
3. セキュリティとサポート体制
定期的なバックアップや自動更新、SSL（HTTPS）対応は必須です。サポートの有無やコミュニティの活発さも重要です。困ったときに質問できる公式サポートやフォーラムがあると安心です。
4. 将来の拡張性とデータ移行のしやすさ
サイトが成長したときに機能追加や他サービスへの移行ができるか確認します。プラグインやAPI、エクスポート機能があると柔軟です。将来の手間を減らすために最初に確認しましょう。
5. 予算とランニングコスト
初期費用だけでなく、月額費用・有料プラグイン・決済手数料なども見積もります。無料プランで始めて、必要になったら有料へ移行する方法もあります。
6. 選ぶための簡単チェックリスト
- 目的に合った機能があるか
- 操作は直感的か（テンプレート、編集画面）
- セキュリティ対策は十分か（バックアップ、SSL）
- サポートやコミュニティがあるか
- 将来の拡張や移行がしやすいか
- 継続費用は許容範囲か
この章では、まず目的を明確にし、次に操作性・安全性・将来性・費用のバランスを確認することをおすすめします。具体的なCMSは次章以降で紹介します。
初心者に優しいCMSの具体例（1）- WordPress
概要
WordPressは世界で最も広く使われるCMSです。初心者でも始めやすく、自由に見た目や機能を変えられる点が魅力です。無料のテーマやプラグインが多く、分からない点は検索やコミュニティで解決しやすいです。
主な特徴（初心者向け）
- テーマで見た目を簡単に変更できます（例：「Cocoon」「Twenty Twenty-Three」）。
- プラグインで機能を追加できます（例：お問い合わせフォーム、SEO、バックアップ）。
- ブロックエディターで文章や画像を直感的に配置できます。
始め方（簡単な手順）
- レンタルサーバーとドメインを用意し、WordPressをインストール。多くのサーバーはワンクリックで済みます。
- テーマを選んで適用。まずはシンプルな無料テーマで慣れると良いです。
- 必要なプラグインだけを入れて機能を整えます（例：セキュリティ、フォーム、バックアップ）。
- 固定ページ（会社案内など）と投稿（ブログ）を作成して公開します。
注意点とコツ
- プラグインを入れすぎると動作が重くなることがあります。必要最小限に留めてください。
- 定期的にバックアップと更新を行うことが大切です。これでトラブルを避けやすくなります。
WordPressは学習コストが少しありますが、覚えると自由度が高く、長く使える選択肢です。
初心者に優しいCMSの具体例（2）- Jimdo
Jimdoの概要
Jimdoは、コストを抑えたい初心者におすすめのCMSです。日本語のサポートがあり、初めてでもわかりやすい設計になっています。見たまま編集（WYSIWYG）でページを作り、写真やテキストをドラッグ＆ドロップで配置できます。
主な特徴
- 見たまま編集：編集画面で実際の表示に近い状態で作業できます。
- ドラッグ＆ドロップ：画像の追加、セクションの移動、フォームの編集が直感的です。
- 日本語サポート：ヘルプやサポート窓口が日本語で利用できます。
- テンプレート：業種別のテンプレートがあり、コーポレートサイトやサービスサイトに使いやすいです。
操作性（初心者向けの具体例）
写真を追加したいときは、画像ブロックをページにドラッグしてファイルをアップロードするだけです。ダウンロード用のフォームも、フォームブロックを置いて項目を入力すれば完成します。特別なコードの知識は不要です。
価格と導入のしやすさ
無料プランで試せるため、まずは実際に触って判断できます。機能が必要になったら有料プランへ切り替えが可能で、コストを抑えながら段階的に拡張できます。
導入事例と活用場面
100社以上の導入実績があり、特に小規模事業のコーポレートサイトやサービス紹介ページで使われています。テンプレートをベースに短期間で公開できる点が評価されています。
向いている人・注意点
向いている人：予算を抑えたい個人や小規模事業、まずは簡単にサイトを作ってみたい人。
注意点：高度なカスタマイズや複雑な機能を求める場合は、機能制限に注意が必要です。必要に応じて別のCMSを検討してください。
初心者に優しいCMSの具体例（3）- STUDIO
STUDIOはノーコードのWeb制作ツールです。プログラミング不要で直感的にデザインしながら、データベースのようにコンテンツを管理できます。管理画面はシンプルで、公開中のページと同じ見た目で編集できるため、変更点が一目で分かります。
主な特徴
- ノーコード編集: ドラッグ&ドロップでレイアウトを作成できます。
- データ管理: 繰り返し使うコンテンツを「コレクション」でまとめ、一覧や詳細ページを自動生成できます。
- デザイン自由度: テンプレートに頼らず見たままのデザインを実現できます。
- 同画面プレビュー: 編集画面で実際の表示を確認しながら作業できます。
初心者にとってのメリット
- 学習コストが低い: HTMLやCSSの深い知識がなくてもサイトを作成できます。
- 間違いが減る: 実際の見た目を確認しながら編集するため、公開後の手直しが少なくなります。
- コスト効率が良い: 小規模サイトや中小企業の紹介サイトを低予算で構築できます。
向いている人
- 自分でデザインしたサイトを手早く作りたい個人や小規模事業者
- 開発リソースがないがデザイン性を重視する方
注意点
- 高度なカスタマイズや複雑な会員管理は苦手な点があります。外部サービスとの連携が必要になる場合があります。
- 無料プランは機能に制限があります。公開や独自ドメイン利用の際はプラン内容を確認してください。
導入の流れ（簡単）
- アカウント登録
- テンプレート選択または新規デザイン開始
- コレクション作成でコンテンツ登録
- プレビューで確認し、公開
初めてでも扱いやすく、デザイン重視のサイト作りに向いている選択肢です。
初心者に優しいCMSの具体例（4）- LeadGrid
概要
LeadGridは、初心者でも直感的に使えるCMSです。見たまま編集（WYSIWYG）やドラッグ＆ドロップで写真を追加でき、フォームの編集も簡単に行えます。100社以上の導入実績があり、コーポレートサイトやサービスサイト、オウンドメディアで活用されています。
主な特徴
- 見たまま編集：編集画面が公開ページに近く、変更結果をすぐ確認できます。
- ドラッグ＆ドロップ：画像やブロックを直感的に配置できます。
- フォーム編集：問い合わせフォームの項目追加や並び替えが簡単です。
- 導入実績：中小〜大手まで幅広い企業が利用しています。
活用例（具体例）
- 会社紹介ページ：写真や社内の紹介文を手早く更新できます。
- サービス案内：新しいプランや料金表をすぐ差し替えられます。
- オウンドメディア：記事作成と公開管理がシンプルです。
導入の流れ（初心者向け）
- アカウント作成
- テンプレート選択または既存デザインのインポート
- ブロックや画像をドラッグして編集
- フォーム設定と公開
初心者へのアドバイス
最初はテンプレートを使い、少しずつブロックを編集すると失敗が減ります。画像はサイズを揃えると見た目が良くなります。
注意点
- 高度なカスタマイズは別途開発が必要になる場合があります。対応範囲は事前に確認してください。
初心者に優しいCMSの具体例（5）- microCMS
概要
microCMSは日本発のAPIファーストなヘッドレスCMSです。管理画面でコンテンツを作り、API経由でウェブサイトやアプリに配信できます。直感的な日本語UIとドキュメントが揃っているため、初心者でも始めやすいです。
主な特徴
- APIでデータを配信：どんなフロントでも受け取れる
- 管理画面が使いやすい：項目の追加や編集が直感的
- 日本語サポートやドキュメントが充実
- 無料プランあり：まずは試せる
初心者に優しい理由
GUIでスキーマを作成でき、コードを書かずにコンテンツ管理を始められます。公式のサンプルやSDKがそろい、具体例に沿って実装できます。小規模サイトからサービス連携まで柔軟に対応します。
注意点
APIを使うため、表示側（フロント）の実装が必要です。テンプレート型CMSのように最初からデザインが揃っているわけではない点に注意してください。また、機能を拡張すると料金が変わる場合があります。
利用シーンと始め方
利用例：コーポレートサイト、ブログ、SPA、モバイルアプリ。始め方：アカウント登録→スキーマ作成→コンテンツ追加→APIキーでフロントと接続。まずは無料プランで試してみると良いです。
