初心者向けにわかりやすく解説する直帰率・定義の基本知識

2025 12/01

2025/12/01

はじめに

この文書は、Webサイト運営やブログを書く方に向けて「直帰率」についてわかりやすく解説するために作りました。

対象と目的

サイト運営者、マーケター、ブログを書いている個人の方を想定しています。直帰率の定義や計算方法、類似する指標との違い、最新の計測方法の変化まで丁寧に説明します。これにより、数値を正しく読み取り改善につなげられるようにします。

なぜ直帰率が重要か

直帰率は「訪問者が最初のページだけ見て離れた割合」を示します。たとえば、商品ページを見てすぐ閉じる人が多ければ、導線や内容を見直す必要があります。ただし、直帰＝悪い、ではありません。問い合わせページや記事ページでは高くなるのが普通です。

本書の流れ

直帰率の定義、計算方法、離脱率との違い、GA4での扱い、業種ごとの傾向、最後にブログ記事作成のポイントと順に解説します。

直帰率とは何か？基本的な定義

定義

直帰率（Bounce Rate）は、訪問者が最初に見たページだけを見て、他のページへ遷移せずにサイトを離れたセッションの割合を指します。最初にアクセスしたページのみが観測され、別ページへの移動や指定のイベントが記録されない場合、そのセッションは「直帰」とカウントされます。

具体例で理解する

Aさんがブログ記事を1ページだけ読み、タブを閉じた場合 → 直帰にカウントされます。
Bさんが検索結果から来て、別サイトへ移動した場合 → 直帰にカウントされます。
Cさんがトップページから別の内部ページへ移動した場合 → 直帰ではありません。

セッションとしての扱い

直帰は「セッション単位」で考えます。つまり1人のユーザーが複数回訪れても、それぞれが別のセッションとして評価されます。滞在時間が短くても、別ページへ遷移すれば直帰ではなくなります。

計測上の注意点

シングルページアプリや、ページ遷移のない操作が多いサイトでは、計測方法に注意が必要です。ページビュー以外のユーザー操作（ボタンのクリックや動画の再生など）をイベントとして送信すると、直帰の判定が変わることがあります。

直帰率の計算方法

計算式

直帰率は次の式で求めます。

直帰率 = （直帰セッション数 ÷ 全セッション数）× 100

ここで「直帰セッション」とは、訪問者が最初に見たページだけを見てサイトを離れたセッションを指します。

具体例

例1: サイトに100人が訪問し、そのうち40人が最初のページだけ見て離れた場合、直帰率は40%です。
例2: トップページに5回の訪問があり、そのうち2回が直帰に該当するなら、直帰率は（2÷5）×100＝40%になります。

ページ別とサイト全体の違い

ページ単位で計算する場合は、そのページに対するセッション数を分母に使います。サイト全体ではすべてのセッションを分母にします。目的に応じてどちらを使うか決めてください。

実務上の注意点

小さい母数では割合が大きく変動します。サンプル数が少ない場合は注意してください。
分析ツールは自動で計算しますが、計測設定によって直帰の判定が変わることがあります。追跡タグやイベント設定を確認してください。

直帰率と離脱率の違い

定義

直帰率（Bounce Rate）は、訪問者がサイトに来て最初に見たページだけを見て離脱した割合を指します。ランディングページでセッションが終了した場合にカウントされます。離脱率（Exit Rate）は、ある特定のページを見たセッション全体のうち、そのページが最後に見られた割合です。どのページでも離脱が起きれば離脱率に反映します。

主な違い（簡潔に）

対象: 直帰率は「ランディングページ」に限定。離脱率は「特定ページ」に限定。
意味: 直帰は最初の印象で去られた可能性を示す。離脱はページごとの終着点を示す。

具体例で理解する

たとえばブログ記事Aに直接流入してすぐ閉じられた場合、記事Aは直帰になり直帰率に反映します。一方、サイトをトップ→カテゴリ→商品ページと移動して商品ページで去った場合、商品ページの離脱率が上がります。

実務での使い分け

直帰率はランディングページの内容や導線、読み込み速度を見直す際に重要です。離脱率は購入や登録など目標地点の手前で離脱が多いページを特定する際に使います。どちらも合わせて見ると改善の優先順位が分かりやすくなります。

GA4における直帰率の定義の変更

定義の変更点

GA4では直帰率の定義が変わりました。従来の「最初のページだけ見て離脱した割合」から、「エンゲージメントのなかったセッションの割合」へと移行しています。つまり、滞在時間や発生したイベントに基づいて直帰が判定されます。

何が「エンゲージメント」になるか

GA4では以下のような条件を満たすとそのセッションは「エンゲージメントあり」と見なされます。
– 滞在時間が10秒以上
– 2ページ以上の閲覧
– コンバージョンやカスタムイベントの発生
具体例：ページを8秒見て何も操作しなければ直帰にカウントされます。動画を再生してイベントが発生すれば直帰ではなくなります。

直帰率の計算

GA4の直帰率は簡単で、全セッションからエンゲージメント率を引いた値です。つまり直帰率 = 1 – エンゲージメント率。レポートで直帰率やエンゲージメント率を確認できます。

比較時の注意点

従来のUA（ユニバーサルアナリティクス）と単純比較すると誤解を招きます。GA4では滞在時間やイベントの取り扱いが違うため、直帰率は一般に低く出る傾向があります。

実務でのポイント

GA4ではイベント設計が重要です。適切なイベントがなければ本当のエンゲージメントを見逃します。
レポートを見る際はエンゲージメント率とあわせて判断してください。
比較する際は期間や計測条件を揃えてから行うと正確です。

直帰率が示すもの

直帰率が示す基本的な見方

直帰率は「ユーザーが最初のページで離脱した割合」を示します。単純に見ると「関心が低い」と解釈しがちですが、必ずしもネガティブではありません。たとえば電話番号や営業時間をすぐに確認して離脱した場合は、訪問目的が達成された良い体験とも言えます。

高い直帰率が意味する可能性

ユーザーが必要な情報をすぐに見つけて満足して離脱した。
コンテンツが期待と合わず興味を持たれなかった。
ページの読み込みが遅い、デザインが見にくい、広告やポップアップが邪魔になった。

具体例: 検索から来たユーザーが「営業時間」を確認して戻る場合は、直帰でも目的達成です。

低い直帰率が意味する可能性

低い直帰率はページ間を回遊していることを示します。情報を深掘りしたり他のページに興味を持ったりしている良いサインです。ただし、無差別にリンクをクリックしている場合は必ずしも好ましい行動とは言えません。

判断に必要な追加情報

直帰率だけで評価せず、滞在時間やスクロール深度、イベント（フォーム送信や動画再生）を合わせて見ると意図が判ります。ページの目的を明確にして、それに沿った指標を設定しましょう。

チェックすべきポイント

ページの目的（情報提供／申し込み／商品購入など）を明確化
モバイル表示や読み込み速度の改善
重要な情報を見つけやすくする（見出し・ボタン）
実際のユーザー行動をイベントで計測して解釈を補強

これらを元に直帰率を読み解くと、より実務的な改善につながります。

直帰率と業種・ページタイプの関係

概要

直帰率の「良し悪し」は業種やページの性質で大きく変わります。訪問者が1ページだけで満足する設計なら直帰率が高くても問題にならないことが多いです。逆に回遊や複数ページの閲覧を期待するサイトでは、直帰率が高いと改善が必要になります。

業種別の目安（おおよその範囲）

ブログ・ニュース：60〜90%がよく見られます。記事を1ページで読んで完結するため高めでも自然です。
ECサイト：30〜60%を目安にしたいです。複数ページの遷移（商品一覧→商品詳細→購入）を促すため低めが望ましいです。
ランディングページ（広告流入）：40〜70%。目的が明確なら直帰でもコンバージョンに繋がれば問題ありません。
サービス／企業サイト：40〜70%。情報探索を期待する場合は低めを目指します。

ページタイプ別の特徴と改善ポイント

トップページ：導線を明確にし、人気カテゴリやおすすめを見せると回遊が増えます。
記事ページ：関連記事や内部リンクを目立たせると滞在時間と遷移率が上がります。
商品ページ：関連商品やレビュー、購入ボタンを近くに配置すると離脱を減らせます。
問い合わせ／コンバージョンページ：フォームの簡素化や信頼要素の追加で離脱を防げます。

判定のコツ

数値だけで判断せず、滞在時間やコンバージョン、イベント発生と合わせて見てください。ページの目的に沿って直帰率を評価すると適切な改善策が見つかります。

ブログ記事作成のポイント

基本定義の説明

読者がまず知るべきは「何を測るか」です。直帰率は『1ページだけ見て離脱した割合』、離脱率は『特定ページが最後だった割合』です。記事では簡潔な定義を最初に示してください。

計算方法の具体例

例：記事Aのセッションが100、うち直帰が40なら直帰率は40%です。数字を具体例で示すと読者が理解しやすくなります。

直帰率と離脱率の違い（比較表）

指標	意味	使い方
直帰率	最初の1ページだけで離脱した割合	記事の入口の魅力評価に使う
離脱率	そのページが最後になった割合	記事の導線・回遊の評価に使う