はじめに
本書の目的
本書は、Google Search Console(以下「サーチコンソール」)の設置方法を初心者向けに分かりやすく解説します。具体的な手順と画面操作の流れを中心に説明しますので、実際の設定にすぐ役立ちます。
想定読者
個人でブログを運営している方、企業の担当者で初めてサーチコンソールを使う方、または設定に不安がある方を想定しています。専門知識は不要です。
本書を読んだ後にできること
- サーチコンソールの目的を理解できます
- 所有権確認(※サイトがあなたのものと証明する作業)を完了できます
- WordPressやはてなブログなど主要プラットフォームでの設定ができます
事前に準備するもの
- Googleアカウント(無料)
- 管理しているサイトのURL
- サイトの管理画面にアクセスできる権限(FTPやCMSの管理者権限など)
本書の構成と読み方
第2章でサーチコンソールの基本を説明し、第3章で設置の全体フローを示します。第4章でプラットフォーム別手順、第5章で所有権確認後の使い方、第6章で注意点を解説します。初心者は順に読み進めることをおすすめします。
Google Search Consoleとは
概要
Google Search Console(サーチコンソール)は、Googleが提供する無料のツールで、Webサイトの所有者が検索結果での表示状況を確認・改善できるサービスです。検索トラフィックや表示回数、クリック数、検索クエリごとのパフォーマンスを把握できます。
主な機能と簡単な説明
- 検索パフォーマンス(Search Performance): どのキーワードで何回表示され、何回クリックされたかを日別・ページ別に確認できます。例:特定ページのクリック率が低ければタイトルや説明を見直します。
- URL検査: 個別ページがGoogleにどう認識されているかを調べ、インデックス登録の依頼ができます。
- カバレッジ(インデックス状況): クロールのエラーやインデックス除外の理由を確認し、修正ポイントを把握します。
- サイトマップ送信: サイトマップを送るとGoogleがページを見つけやすくなります。
- モバイルユーザビリティ: モバイルでの表示問題を検出し、改善箇所を示します。
- セキュリティと手動対策: マルウェアや手動ペナルティの通知を受け取れます。
- 被リンク(リンク): 外部サイトからのリンク状況を確認できます。
どんな人に向くか
- 個人ブログや企業サイトの運営者
- 掲載ページの検索流入を増やしたい人
- サイトの技術的な問題を早く発見したい人
利用に必要なもの
- Googleアカウント
- サイトの所有権確認(HTMLファイル、メタタグ、DNSなど)
Google Search Consoleは難しく見えますが、基本機能を順に使えば効果が分かりやすいツールです。次章で設置の流れを具体的に説明します。
サーチコンソール設置の全体フロー
概要
サーチコンソールの設置は大きく3つのステップで完了します。所要時間は約5〜15分程度で、初心者でも進めやすい流れです。ここでは全体の流れとポイントをわかりやすく説明します。
ステップ1:Googleアカウントでログイン
まずGoogleアカウントでログインします。まだアカウントがなければ作成してください。普段使うアカウントで問題ありません。
ステップ2:サイトを登録(プロパティを追加)
プロパティは「ドメイン」と「URLプレフィックス」の2種類から選びます。ドメインは example.com 全体を一括で管理したいときに使います。URLプレフィックスは https://www.example.com のようにプロトコルやサブドメイン単位で管理したいときに向きます。
ステップ3:所有権の確認
確認方法はいくつかあります。代表的な方法は次の通りです。
– HTMLメタタグ:サイトのにタグを追加します。CMSならプラグインで簡単です。
– HTMLファイルアップロード:指定されたファイルをサイトのルートに置きます。
– DNS TXTレコード:ドメイン管理画面でTXTを追加します。サブドメインや全体確認に適します。
– Google Analytics/Tag Manager:既に設定済みなら、それを使って確認できます。
処理後、Search Console側で「所有権が確認されました」と表示されれば完了です。次はデータが集まるのを待って、サーチコンソールの機能を活用してください。
注意ポイント
プロパティの選び方で管理範囲が変わります。まずは自分の目的に合わせてドメインかURLプレフィックスを選んでください。
プラットフォーム別の詳細設定方法
共通の準備(最初に)
Googleサーチコンソールで「HTMLタグ」を選び、表示されたmetaタグをコピーします。サイト側でそのmetaタグを内に貼り付ければ所有権確認できます。
JIN:Rテーマ(WordPress)
- 管理画面→外観→カスタマイズ、またはテーマオプションを開きます。
- 「headタグに追加するコード」欄を探し、コピーしたmetaタグを貼り付けて保存します。
- サーチコンソールで「確認」を押します。反映されないときはキャッシュプラグインをクリアしてください。
Cocoonテーマ(WordPress)
- 管理画面→Cocoon設定→アクセス解析・認証を開きます。
- 「headに出力するコード」欄にmetaタグを貼ります。
- 保存後、サーチコンソールで確認します。子テーマや最適化プラグインがある場合は一時的に無効化して試してください。
はてなブログ
- 管理画面→設定→詳細設定を開きます。
- 「headに要素を追加」の欄にmetaタグを貼り付けて変更を保存します。
- 保存後、サーチコンソールで確認します。変更が反映されるまで数分かかることがあります。
Site Kit(プラグイン)
- WordPressにSite Kitをインストールして有効化します。
- Googleアカウントで連携すると自動で所有権確認を行います。手動でmetaタグを入れる必要は通常ありません。
- 連携に失敗する場合は、一度ログアウトして再認証するか、プラグインのキャッシュをクリアしてください。
トラブル対応例:反映されない場合はURLのプロトコル(http/https)やwwwの有無を確認し、必要ならDNS確認や別の確認方法(Analytics連携など)を試してください。
所有権確認完了後
1) データが反映されるまで
所有権を確認すると、Search Consoleでデータが見られますが、全て揃うまで数日かかることがあります。最初は遅延を想定して、翌日〜数日後に再確認してください。
2) 最初に確認するレポート
- パフォーマンス:検索クエリ、クリック数、表示回数、CTRが分かります。特に重要なキーワードやページを把握します。
- カバレッジ:インデックス状況やエラーを確認します。エラーがあれば該当ページを修正します。
- URL検査:個別ページのインデックス状態を直接確認でき、必要ならインデックス登録をリクエストします。
3) サイトマップの送信
サイトマップを送信すると、クローラーがページを見つけやすくなります。サイトマップのURLを入力して送信してください。
4) ユーザー管理と通知設定
共同運用する場合はユーザーを追加します。重要なエラーの通知はメールで受け取る設定にしておくと安心です。
5) 他ツールとの連携
Google Analyticsなどを連携すると、より詳しい解析が可能です。モバイルの問題はモバイルフレンドリーテストで確認してください。
6) 日常の運用ポイント(例)
- 新しいページ公開:URL検査で確認→必要ならインデックス登録をリクエスト。
- 定期チェック:週1回はカバレッジとパフォーマンスを確認し、問題があれば対応します。
これらを習慣にすると、検索からの流入改善につながります。
設置時の注意点とポイント
概要
HTMLタグの編集が難しい場合は、メタタグをコピーして制作会社や担当者に設置を依頼してください。コード編集が苦手な方への実用的な対処法を丁寧に説明します。
1) コード編集が苦手なときの手順
- Search Consoleで表示されたメタタグ(例:)をそのままコピーします。
- 制作会社や担当者に「headタグ内の閉じタグ()の直前」に貼り付けるよう依頼してください。
- 依頼文にはサイトのURLとメタタグ全文を添えると作業が早く済みます。
例:
「以下のmetaタグを、トップページのの直前に貼ってください。
」
2) ほかの確認方法も検討する
- HTML編集ができない場合はDNS(TXTレコード)やGoogle Analytics、Googleタグマネージャーでの確認も選べます。制作側と相談して、最も負担の少ない方法を選んでください。
3) 設置後の注意点
- 所有権確認が完了しても、メタタグは削除しないでください。削除すると所有権が失われることがあります。
- http/httpsやwwwありなしなど、サイトのバリエーションごとにプロパティ設定を確認してください。
4) セキュリティと確認待ち
- メタタグの内容は第三者に公開しないでください。悪用される恐れがあります。
- 反映には短時間から数時間かかることがあります。制作側に設置完了を確認したら、Search Consoleで所有権を再確認してください。












