はじめに
目的
本ドキュメントは「SSL QUAD COMPRESSOR」に関する検索意図を整理し、関連するSSL社製品や類似製品の調査結果を分かりやすく伝えることを目的としています。音楽制作や録音機器に興味がある方、機材選びの前段階として役立つ内容です。
背景
検索ワード「SSL QUAD COMPRESSOR」は、専用のコンプレッサーを探す意図で使われることが想定されます。調査の結果、SSL社から同名の専用コンプレッサーは見つかりませんでしたが、関連する機器や“SSLらしさ”を得られる製品が確認できました。
本ドキュメントの範囲と要点
- SSL Pure Drive Quadという4チャンネルのマイクプリアンプが関連製品として挙がっています。マイクプリアンプはマイクの信号を増幅して機器に適したレベルにする装置で、音質に大きく影響します。
- また、SSLの設計思想や音色を再現したコンプレッサーやプラグイン製品も複数存在します。
第2章ではSSL Pure Drive Quadの特徴を、第3章ではSSL風のコンプレッサー製品について詳しく見ていきます。
SSL Pure Drive Quad（マイクプリアンプ）
概要
SSL Pure Drive Quadは、スタジオ用途を想定した4チャンネルのマイクプリアンプです。19インチ2Uのラックサイズに収まり、SSLのPureDrive™技術とORIGINコンソール由来のアナログ回路設計を取り入れています。USBオーディオインターフェース機能を持ち、単体で録音環境を構築できます。
主な機能
- 3つのゲインモード：Clean（透明）、Classic Drive（温かみを付与）、Asymmetric Drive（歪み寄りの色付け）。用途に応じて音色を切替えられます。例：ボーカルはClassicで温かく、エレキギターはAsymmetricで存在感を出すといった使い分けができます。
- 最大+65 dBのゲインと31段階のトリム調整で、繊細なレベル合わせが可能です。
- 可変ハイパスフィルターで低域の不要なノイズや床鳴りをカットできます。
入出力とデジタル機能
Hi‑Z/DI楽器入力、XLRマイク入力、D‑sub端子やインサート接続を備えています。USBサウンドカードは32bit/192kHz対応で高解像度録音に対応します。複数台連結や多様なデジタル出力も利用でき、拡張性があります。
実用のポイント
- 録音前にまずゲインを適正に設定し、トリムで微調整してください。
- ハイパスは低域の不要音を取り除くために活用すると、ミックスがすっきりします。
- モード切替でサウンドのキャラクターを自在に変えられるため、同じ楽器でも複数のモードで試して比較してください。
- 複数台を接続する場合は接続順やクロックの設定を確認してください。
SSL関連のコンプレッサー製品について
概要
SSL自体が単体プラグインとしてのコンプレッサー製品を多く出しているわけではありませんが、SSLのミックスバス特性を模したサードパーティ製が存在します。代表例がAudioScape Buss CompやWES Audio ngBusCompで、いわゆる「SSL風」のバスコンプレッサーです。
AudioScape Buss Comp
AudioScapeの製品は、ミックスの“まとまり”を出すことに特化しています。低めの比率とゆるやかなアタックでトラックを馴染ませ、通した音に温かみと滑らかさを与えます。実機のレスポンスを模しており、ボーカルやドラムの存在感を損なわずに全体をまとめます。
WES Audio ngBusComp
WES Audioはハードウェア由来の挙動をデジタルで再現しています。アタックやリリースが音楽信号に応じて変化するため、ダイナミクスが自然に保たれます。パンチを残しつつグルーブを整える用途に向きます。
選び方のポイント
- デモ版で自分の楽曲に当てて比べてください。プラグインごとに“馴染み方”が違います。
- 設定の目安：比率2:1〜4:1、アタック10〜30ms、目標は1〜3dBのゲインリダクション。過度にかけると潰れます。
- 低域の影響でポンピングが出る場合はサイドチェーンにハイパスを入れてください。
実践的な使い方例
ミックスバスで軽くかけてトラック同士の一体感を出します。ドラムやベースのエネルギーを残すため、アタックは速すぎない設定にします。最終段での微調整として、耳で確認しながら少しずつかけるのがコツです。
