はじめに
目的
本ドキュメントは、Googleサーチコンソール(以下、サーチコンソール)で発生するエラーの確認方法を丁寧に解説します。初歩的な概念から具体的な確認手順、修正後の検証や定期監視まで、実務で役立つ流れを示します。
対象読者
ウェブサイト運営者、個人ブログの管理者、SEO初心者など、サーチコンソールで表示されるエラーの意味を知りたい方を想定しています。専門的な知識は不要です。
本書の使い方
各章を順に読み進めることで、エラーの発見から対応まで一通り行えます。まずはエラーの基本を理解し、次に画面の操作方法、詳細確認、修正と検証という流れで進みます。必要に応じて、実際の画面を見ながら手順を追ってください。
期待できる効果
エラーを正しく把握すれば、検索結果での表示改善やユーザー体験の向上につながります。問題を早期に見つけて対処する習慣をつけることが重要です。
注意点
画面表示やメニュー名はサーチコンソールのバージョンで変わることがあります。操作前に最新の画面を確認してください。
Googleサーチコンソールにおけるエラーの基本的な概念
概要
Googleサーチコンソールで表示される「エラー」は、検索エンジンがそのページを適切に処理できなかったことを示します。クロールできなかった、インデックスされなかったなどの問題が含まれます。放置すると検索結果に表示されず、SEO効果が下がります。
エラーが示す主な意味
- クローリング未完了:Googleのクローラーがページへ到達できなかった状態です。ページが見つからない、サーバーが応答しないなどが原因になります。
- インデックス未登録:クローラーは来たが、インデックスに登録されなかった状態です。コンテンツの品質やnoindex指示が理由になることがあります。
影響と優先度
エラーがあるページは検索に表示されにくくなります。重要なページほど早めに直す必要があります。特にトップページや集客につながるページは優先して確認してください。
よくある具体例(簡単な説明付き)
- 404(Not Found):URLが存在しません。削除か正しいURLへリダイレクトします。
- 5xx(サーバーエラー):一時的にアクセスできない状態です。サーバー設定や負荷を確認します。
- noindex:ページが意図的にインデックス除外されています。必要なら解除します。
対処の基本方針
まずエラーの種類と該当URLを確認します。原因を修正したら、再クロールを依頼して状態を確認します。小さな問題でも積み重なると影響が大きくなるため、定期的なチェックを習慣にしてください。
エラー確認画面へのアクセス方法
前提
まずGoogleサーチコンソールにログインし、確認したいサイト(プロパティ)を選んでください。プロパティが正しくないと表示内容が異なります。
手順(画面へのたどり着き方)
- サーチコンソールにログインします。
- 左側メニューから「インデックス作成」を探します。
- 「インデックス作成」を開き、その中の「ページ」をクリックします。
画面の見方と使い方
- 上部に「有効」「エラー」「未登録」などのサマリーが並びます。エラーのみ見たい場合は「エラー」をクリックしてください。
- 下部には問題別の一覧と代表的なURLのサンプルが表示されます。各問題をクリックすると、該当する詳細情報と影響を受けたURLの一覧を確認できます。
- 画面右上のエクスポートやフィルタ機能で、データをダウンロードしたり絞り込みできます。
この画面が、サーチコンソールでエラー情報を確認する中心です。初めての方でも手順に沿えば、簡単に該当箇所へたどり着けます。
エラー情報の詳細確認方法
最終更新日の確認
画面右上に「最終更新日」が表示されます。ここで見ている情報がいつのものか分かります。最新のクロール結果が反映されているか、まず確認します。
エラー件数に注目する
「エラー」の件数が1件以上ある場合は要注意です。件数がゼロなら一旦安心ですが、定期的に確認してください。
詳細を開く手順
画面下部の「詳細」をクリックします。エラーは種類ごとに行で分かれて表示されます。該当の行をクリックすると、どのURLで問題が起きているか一覧が出ます。
ページごとの詳細確認
各URLの項目をクリックすると「ページがインデックスに登録されなかった理由」が表示されます。ここをさらに開くと、該当ページのURLとクロール時の問題一覧が見えます。例えば、指定したページが見つからない(404)、アクセス制限(ロボット設定)、リダイレクトの問題などが具体例です。
見るべきポイント
- 問題の種類(見つからない、制限、重複など)を確認します。
- 該当URLを実際にブラウザで開き、表示や動作を確認します。
- 修正後は再クロールをリクエストします。
エラー発生日時の確認方法
エラー発生日を確認すると、対応の優先順位を付けやすくなります。ここではカバレッジ画面での具体的な確認手順と判断ポイントを、わかりやすく説明します。
手順
- カバレッジ(Coverage)画面を開く。プロパティを選び、サイドメニューの「カバレッジ」をクリックします。
- エラー項目をクリックする。たとえば「サーバーエラー(5XX)」を選ぶと、右側に詳細ビューが開きます。
- 発生日を確認する。詳細ビューでは「最初に検出(First detected)」と「最後に検出(Last detected)」の日付が表示されます。グラフ上で発生の推移も確認できます。
- 対象URLごとの発生日確認。詳細ビューのURL一覧をクリックすると、各URLごとの最初/最後検出日を確認できます。必要ならCSVでエクスポートして一覧で見ると便利です。
判断のポイント
- 「最初に検出」が直近で多数のURLに出ている場合は、対応を優先してください。短期で大量発生している可能性があります。
- 「最初に検出」が古く、最近も継続しているなら長期間の問題です。根本原因の調査を優先します。
- 単発で最近の「最後に検出」だけなら一時的な障害や誤検出の可能性があります。サーバーログやリリース履歴と照合して確認してください。
補助的な確認
- サーバーやアクセスログと照らし合わせると発生原因が特定しやすくなります。URL検査ツールで個別の状態をチェックし、修正後は「問題が解決しました」を送信して再検証を依頼してください。
エラーの種類と具体的な内容
概要
Googleサーチコンソールで表示されるエラーは、番号で大まかな原因が分かります。番号ごとに意味を理解すると、優先順位を付けて対処できます。以下に代表的なエラーと、現場で見つかりやすい具体例を説明します。
500番台(サーバーエラー)
意味:サーバー側で処理できなかったエラーです。例:過負荷で応答しない、設定ミスで内部処理が止まる。対策例:サーバーログを確認し、負荷対策や設定の見直しを行います。頻発する場合はホスティング会社に相談します。
400(Bad Request)
意味:検索エンジンやブラウザの送った要求が正しくないことを示します。例:不正なパラメータを受け取った、リクエストヘッダに問題がある。対策例:URLの作り方やリンク先のパラメータを確認し、クライアント側の送信内容を修正します。
404(ページが存在しない)
意味:指定したURLにページが見つからない状態です。例:削除したページに外部リンクがある、URLの綴り間違い。対策例:正しいページがある場合は301リダイレクトを設定、意図的に削除した場合は404のままで問題ないこともあります。
410(Gone:恒久的に削除)
意味:ページが恒久的に削除されたことを示します。404との違いは「恒久的」である点です。例:古いキャンペーンページを完全に削除した場合。対策例:削除が意図的ならそのままにし、意図しない削除なら復元やリダイレクトを検討します。
その他(403など)
403はアクセス禁止を意味します。意図せず出ている場合は権限設定やセキュリティ設定を確認します。エラー番号を見て原因を推測し、ログやアクセス履歴で裏付けを取ると効率的に修正できます。
対象URLの詳細確認とURL検査ツールの活用
手順(簡単)
- サーチコンソールの「問題のあるURL」をクリックします。表示された行で「URL検査」を選ぶか、画面上部の検索ボックスに直接URLを入力します。
- 「検査」を実行すると、Google がそのURLをどう認識しているかが表示されます。
主な表示項目と見方
- 検出(Discovery): なぜそのURLが検出されたかの理由です。例えばサイトマップや内部リンクが原因なら、具体例として「サイトマップに登録済み」と表示されます。
- インデックスの有無: 「インデックス登録済み」なら検索に出る可能性があります。登録されていない場合は理由が示されます。
- 最終クロール日時: Google が最後にアクセスした日時です。古い場合は更新を知らせる必要があります。
- 正規URL(canonical): 検索に使う基準となるURLです。誤った正規URLが指定されていると、別のページが優先されます。
- モバイル表示とページ資源: モバイルでの見え方や読み込みできなかった画像・スクリプトが分かります。読み込み失敗は表示や評価に影響します。
ライブテストと再送信
「ライブテスト」を実行すると、現在の状態を即座に確認できます。問題が解消されたら「インデックス登録をリクエスト」で再クロールを依頼します。通常、すぐ反映されないこともあるので、数日待って再確認してください。
トラブル時のヒント
- 内部リンクやサイトマップをチェックして、発見経路を整えます。
- 正規タグやrobots設定を見直して、意図しないブロックを解除します。
- 変更後はライブテスト→インデックス再依頼を行います。
エラー修正後の検証方法
「修正を検証」ボタンの役割
Googleサーチコンソールの「修正を検証」ボタンを押すと、Googleに対して修正済みページの再確認を依頼できます。Googleは対象ページを再クロールし、エラーが解消されたか判定します。例えば404を直した場合は、再クロールで200が返れば解決扱いになります。
検証前の事前チェック
- ブラウザで実際にページを開いて正しく表示されるか確認します。
- キャッシュやCDNの反映を確認します(ブラウザのキャッシュ削除やプライベートウィンドウで確認)。
- URL検査ツールで対象URLのライブテストを実行し、HTTPステータスやモバイル表示を確認します。
実際の検証手順
- エラー一覧から該当エラーの詳細を開きます。2. 対象URLを選択し「修正を検証」を押します。3. 検証が始まるとステータスが変わります。処理には数分〜数日かかることがあります。
検証結果の見方と次の対応
- 成功ならステータスが解消されます。サイト全体の影響を確認するため他のURLもチェックしてください。
- 失敗ならエラーメッセージを読み、該当箇所を再修正します。問題が継続する場合はサーバー設定やrobots.txt、リダイレクトの確認も行ってください。
エラー対処の基本的なアプローチ
はじめに
エラーが出たときは慌てず、原因を絞り込む手順を先に決めます。順序を守ると短時間で復旧できます。
1. 優先順位を決める
影響範囲(サイト全体か一部か)、ユーザーへの影響度を先に確認します。例えばトップページが落ちていると優先度が高くなります。
2. サーバー関連を確認
サーバー停止や過負荷が原因でないかログや管理画面で確認します。CPUやディスクの異常、プロセスの停止をチェックします。500番台のエラーが出る場合は、早めにサーバー会社に状態を確認してもらいます。
3. 設定ミスとアクセス制限の確認
robots.txtや.htaccess、ファイアウォール設定が誤っていないか確認します。たとえばクロールを禁止する設定が入っているとGoogleの巡回が止まります。
4. CMS(WordPress)での対処
プラグインを一度すべて停止して問題が解消するか試します。テーマをデフォルトに戻す手も有効です。変更はステージング環境で先に試してください。
5. 修正後の検証方法
修正したらキャッシュをクリアし、URL検査ツールで再クロールを依頼します。該当URLのステータスやGoogleの検出結果を確認して問題が直ったか確かめます。
6. 問い合わせ時の伝え方
サーバー会社や開発者に連絡する際は、発生日時、対象URL、表示されたエラー、直前に行った変更を伝えます。スクリーンショットやサーバーログを添えると対応が早くなります。
以上の手順で原因を絞り込み、順に対応してください。
定期的な監視の重要性
なぜ定期的に確認するか
Googleサーチコンソールでクロールエラーを定期的に確認すると、検索順位の低下やトラフィック減少を未然に防げます。例えば重要なランディングページが404になると、掲載順位や流入にすぐ影響します。早く気付けば短時間で復旧できます。
監視の頻度と実務例
小規模サイトは週1回、大規模やキャンペーン中のサイトは毎日チェックすると安心です。簡単な運用例:
– 毎朝:アラートメールの有無を確認
– 週1回:サーチコンソールのカバレッジ画面を精査
– 月1回:主要ページの手動検査
優先すべき項目
重要度の高いURL(売上に直結するページ、上位表示中のページ)を優先してください。影響範囲が広いエラー(サイト全体のサーバーエラーなど)は即対応します。
自動化と通知設定
サーチコンソールのメール通知を有効にし、可能ならAPIで定期レポートを取得します。外部の監視ツールでダウンや応答遅延を検知すると効率的です。したがって早期発見につながります。
日常運用のコツ
担当者を明確にし、修正履歴を残してください。発生から復旧までの手順をテンプレート化すると対応が速くなります。定期チェックを習慣にして、継続的にサイト品質を保ちましょう。












