はじめに
本資料は、WordPress以外のCMS(コンテンツ管理システム)について、ビジネス規模別・利用目的別のおすすめを分かりやすく紹介します。個人のブログや副業サイト、中小企業のコーポレートサイト、大企業の多言語サイトなど、実際の利用を想定して比較します。
CMSとは
CMSは、文章や画像を簡単に管理・公開できる仕組みです。たとえばブログの投稿、商品ページの更新、会員向けコンテンツの配信を、専門的なプログラミング知識が少なくても行えます。
本資料の構成と使い方
- 第2章:ビジネス規模別におすすめCMSを紹介します(個人・中小・大企業それぞれの視点で)。
- 第3章:目的別(EC、会員サイト、ブログ、多言語など)に適したCMSを検討します。
- 第4章:オープンソース型CMSの特徴・導入時の注意点を詳しく解説します。
読み進める際は、まず自社の規模と目的を明確にしてください。どんな作業を誰が行うのかを想定すると、選択が簡単になります。
ビジネス規模別のCMS選択
ビジネスの規模によって求められるCMSの機能は変わります。ここでは「個人・小規模」「中小企業」「大企業」の三つに分けて、代表的なサービスと選び方のポイントをやさしく説明します。
個人・小規模事業者向け(1〜5人)
WixやAmeba Owndは直感的な操作と低コストが魅力です。テンプレートを選んでドラッグ&ドロップで作れ、ホスティングも含まれるためすぐ公開できます。写真やメニューを載せる飲食店、作品紹介のポートフォリオ、簡単なネットショップに向きます。一方で細かいカスタマイズや大規模な拡張は難しい点を把握してください。
中小企業向け(5〜50人)
BlueMonkeyやSTUDIOはデザイン性と拡張性に優れ、会員管理やEC、外部ツール連携がしやすいです。マーケティングツールやアクセス解析と組み合わせることで集客力を高められます。社内にウェブ担当者がいるか、制作会社と協力できると効果的です。費用は個人向けより高くなるため、優先機能を明確にしましょう。
大企業向け(50人以上・複雑な要件)
HeartCoreやAdobe Experience Manager(AEM)は多サイト運用、パーソナライズ配信、大量トラフィック対応など高度な機能を備えます。API連携や認証、セキュリティ要件に対応し、マーケティング自動化と組み合わせられます。導入と運用に専門の開発チームやベンダー支援が必要で、コストと期間を見込んで計画してください。
利用目的別のCMS選択
コーポレートサイト向け
a-blog cmsやおりこうブログは、更新のしやすさと管理の安定性に優れます。社内で複数人が記事やお知らせを更新する場合に向きます。テンプレートで見た目を整えやすく、公開権限の管理も簡単です。導入時は、カスタマイズ性とサポート体制を確認してください。小〜中規模の企業に特に合います。
オウンドメディア向け
Movable Typeやnoteはコンテンツ作成と流通を重視します。Movable Typeは構造化した記事管理とSEO対策がしやすく、大量コンテンツに向きます。noteは記事投稿と読者との関係作りが得意で、手軽に始めたい個人やチームに適します。記事の長期運用と収益化の方法を考えて選んでください。
ECサイト向け
Shopifyは越境や決済連携が手軽で、早く販売を始めたい場合に便利です。Drupalは柔軟な拡張性があり、複雑なプロモーションや会員管理を要する大規模サイトに向きます。決済、在庫管理、セキュリティの要件を優先して検討しましょう。
ランディングページ向け
BiNDupやペライチはデザイン作成と公開が簡単です。短期間のキャンペーンや広告の到達先として使いやすく、ABテストやフォーム連携も行いやすいです。スピード重視でシンプルに訴求したいときに最適です。
それぞれのCMSは得意分野が違います。まず要件(更新頻度、予算、拡張性、サポート)を明確にし、それに合うものを選んでください。
オープンソース型CMSの詳細
概要
オープンソース型CMSは無償で利用でき、世界中の開発者が機能や安全性を改善します。自由にカスタマイズできる点が魅力で、用途に合わせて拡張できます。
Joomla!
特徴:管理画面が直感的で、拡張機能やテンプレートが豊富です。SEO設定や多言語化プラグインもそろっており、中小企業のコーポレートサイトや会員制サイトに向きます。導入は比較的容易で、テンプレートを使えば短期間で公開できます。
Drupal
特徴:コンテンツを柔軟に設計できる点が強みです(例:複数種類のコンテンツを連携)。多言語対応やアクセス権限の細かな設定、マーケティング自動化との連携に優れ、大規模サイトやEC、ポータル構築に適します。学習曲線はやや急ですが、拡張性とパフォーマンスは高いです。
比較のポイント
- 使いやすさ:Joomla!が比較的易しく、Drupalは専門知識を要します。
- 拡張性:Drupalは複雑な要件に強く、Joomla!は標準的な拡張で十分なことが多いです。
- セキュリティ/運用:両者とも定期的なアップデートとバックアップが重要です。
導入時の注意点
拡張機能の品質確認、テスト環境での検証、ホスティング性能の確認、保守体制の確保を行ってください。用途に合ったCMSを選ぶことで運用コストを抑えられます。












