awsサポートプランの種類と特徴をわかりやすく解説

目次

はじめに

概要

本記事は、AWSが提供するサポートプランについて分かりやすく解説します。プランの種類、料金体系、各プランの特徴、具体的なサポート内容、そして適切なプラン選びのポイントまでを順を追って説明します。

本記事の目的

読者が自分の利用状況に合ったAWSサポートを選べるようにすることが目的です。無料のベーシックからエンタープライズまで、何が違うのかを具体例を交えてお伝えします。

想定読者

  • 個人や中小企業でクラウドを使い始めた方
  • システム運用を委託する前に選択肢を整理したい担当者
  • 既にAWSを利用しているがサポートの違いを知りたい方

読み方のコツ

まず第2章でサポートの全体像を押さえ、第3〜7章で各プランや機能を確認してください。最後の第8章で自分に合うプランを決める助けになります。

補足

専門用語は最小限にし、具体例を通して丁寧に説明します。気になる点があれば、各章ごとに戻って確認してください。

AWSサポポートとは

概要

AWSサポートは、Amazonが公式に提供する技術支援サービスです。複数のプランがあり、利用者の規模や目的に合わせて選べます。クラウドの操作で迷ったときやシステム障害の切り分け、運用に関する相談に対応します。

できること(具体例)

  • 技術トラブルの切り分け:サーバーが応答しないときの原因調査の手順を案内します。
  • 設計相談:可用性や拡張性を高める設計の考え方を提案します。
  • コスト最適化の助言:請求が増えたときの確認ポイントや節約のヒントを示します。
  • セキュリティや運用の一般的助言:設定の見直しや運用フロー改善の提案を行います。

利用方法

AWSコンソールのサポートセンターからケースを作成します。プランによって電話やチャット、メールなど利用できる窓口が異なります。案件の緊急度に応じて優先対応が受けられます。

誰が使うべきか

個人で試す段階の方から企業の本番運用担当まで幅広く役立ちます。本番の重要なシステムを運用する場合は、上位プランの検討が安心です。

注意点

すべての問題を即解決するわけではありません。ソフトウエア固有のバグ調査やサードパーティ製品の深掘りは範囲外になることがあります。料金や詳細な機能はプランごとに異なるため、次章で確認してください。

AWSサポートプランの5つの種類と料金体系

5つのプランと月額の最低料金

  • ベーシック(無料)
  • デベロッパー(最低 29 USD/月)
  • ビジネス(最低 100 USD/月)
  • エンタープライズ On‑Ramp(最低 5,500 USD/月)
  • エンタープライズ(最低 15,000 USD/月)

料金の決まり方(概略)

各プランは「月ごとのAWS利用料」に応じて請求額が変動します。各プランには必ず最低請求額が設定されており、実際の請求はこの最低額より高くなることがあります。小規模な利用なら最低額が目安になり、大きく使う場合は利用料に応じた計算で金額が上がります。

具体例でイメージ

  • 趣味や学習で少しだけ使う場合は、ベーシック(無料)かデベロッパー(29USD)で十分なことが多いです。
  • 商用サービスで継続的に使うなら、応答時間や運用支援を考えてビジネス以上を検討します。AWSの使用料が増えれば、ビジネスの実際の請求額は最低の100USDを上回る可能性があります。

注意点と選び方の簡単な指針

  • 過去数か月のAWS請求額を確認して、サポート費用がどれくらいになるか試算してください。
  • サポートで何を重視するか(早い回答、人手による支援、アカウント支援など)を明確にするとプラン選びが楽になります。

必要なら、利用想定に基づく簡単な試算例も作成します。

ベーシックプランの内容

概要

ベーシックプランはAWSへアカウントを作成すると自動的に適用される無料のサポートです。料金は発生せず、主にセルフサービスで問題を解決するための手段を提供します。技術的な個別サポートは含まれません。

利用できる主な機能

  • サポートフォーラムの閲覧・投稿:コミュニティやAWSスタッフによる議論を参照できます。たとえば、EC2やS3に関するよくある質問を検索できます。
  • ドキュメントとホワイトペーパー:公式の使い方や設計指針が参照可能です。具体例や手順が豊富にあります。
  • サービス状態の確認:AWS Service Health Dashboardで各リージョンやサービスの稼働状況を確認できます。
  • FAQとナレッジセンター:よくある問題の解決方法がまとまっています。

技術サポートの有無

ベーシックでは個別の技術支援や診断は受けられません。コードの不具合調査やアーキテクチャ相談は有料プランが必要です。

利用方法と注意点

まずは公式ドキュメントとフォーラムで同様の事例を探すと早く解決できます。もし時間がかかる問題や業務に影響する障害が発生した場合は、デベロッパー以上の有料プランへのアップグレードを検討してください。

上位プラン(デベロッパー以上)の特徴

概要

開発者向けの「デベロッパー」から、より手厚い「ビジネス」「エンタープライズ」まで、上位プランは技術的な相談に応じられます。障害対応や設計の助言を受けたい場合は上位プランを検討してください。

デベロッパープラン(例)

  • 対象: 個人開発者や試験運用。費用を抑え、主に開発中の技術質問に対応します。
  • サポート内容: メールやオンラインケースでの技術質問。応答はビジネスプランより遅い場合があります。
  • 具体例: 新しいサービスの動作確認やエラー調査を行いたいときに使います。

ビジネスプラン

  • 対象: 本番環境を持つ中小〜中規模のチーム。
  • サポート内容: 24時間のケース受付やチャット、電話サポートが利用できます。運用で発生する障害や設計相談に迅速に応じます。
  • 具体例: サービスの遅延原因調査やスケール方法の相談に適します。

エンタープライズプラン

  • 対象: ミッションクリティカルなワークロードを運用する大規模組織。
  • サポート内容: 専任の支援(技術窓口)、優先的な対応、運用や構築の深いレビューを受けられます。事前対策や障害時の迅速な支援が得やすいです。
  • 具体例: グローバルに稼働するサービスの可用性設計や大規模障害の即時対応。

選び方のポイント

  • 本番での重要度と対応スピードを基準に選びます。
  • 小規模かつコスト重視ならデベロッパー、運用の安定性重視ならビジネスかエンタープライズを検討してください。

AWSサポートの具体的な内容

概要

AWSサポートでは、日常の問い合わせから設計や障害対応まで、いくつかの具体的なサービスを提供します。ここでは主要な項目を分かりやすく説明します。

Webと電話での問い合わせ

AWSコンソールの「サポートセンター」からWebフォームでケースを作成できます。問題の種類や重要度を選び、ログやスクリーンショットを添付して送信します。AWSは公式にWebからの問い合わせを推奨しています。電話サポートも利用できますが、利用可否や対応範囲は契約プランによって異なります。

サポートフォーラム

公式のフォーラムはコミュニティとAWS担当者が情報を交換する場です。検索して同じ事例を探せますし、自分で質問を投稿して回答を待てます。公開の議論なので、事前に個人情報や機密情報を除いて投稿してください。

AWS Cost Explorer

Cost Explorerは利用料の可視化ツールです。期間ごとの費用やサービス別の内訳をグラフで確認し、コスト増の原因を探せます。レポートや予算アラートを設定して、無駄を早めに発見できます。

AWS Trusted Advisor

Trusted Advisorは環境を自動でチェックし、コスト最適化やセキュリティ改善、性能向上などの提案を行います。チェック項目はカテゴリ別に表示され、優先度の高い指摘から対応できます。

サポートエンジニアによる対応

問題を報告すると、担当のサポートエンジニアが技術的な調査や再現手順の提示を行います。ログや設定情報を共有すると診断が早まります。必要に応じて内部の専門チームへエスカレーションします。

ベストプラクティスガイド

AWSは公式ドキュメントやホワイトペーパー、アーキテクチャガイドを提供しています。設計や運用の良い例がまとまっているので、導入前後の参照に役立ちます。

Webからの問い合わせは利便性と履歴管理の面で特におすすめです。

AWS Trusted Advisorについて

概要

AWS Trusted Advisorは、AWS環境のベストプラクティスに沿ってリソース状態をチェックし、改善点を提案する診断ツールです。単体での追加料金は発生せず、サポートプランに含まれて提供されます。主にビジネスプラン以上でフル機能が使え、ベーシックやデベロッパープランではセキュリティの一部チェックとサービス制限の確認だけ利用可能です。

チェックのカテゴリーとプラン差

Trusted Advisorは主に5つのカテゴリでチェックします:コスト最適化、パフォーマンス、セキュリティ、フォールトトレランス(冗長性)、サービス制限。ビジネス/エンタープライズではこれらすべての詳細なチェックと修復手順が見られます。ベーシック/デベロッパーだと、重要なセキュリティチェックの一部(例:公開されたS3バケット、MFA未設定のルートアカウント)とサービス制限のしきい値チェックだけです。

代表的なチェック例と対応例

  • コスト最適化:未使用のEBSボリュームや低稼働のEC2を指摘します。不要なら削除、必要ならタグ付けして運用を見直します。
  • セキュリティ:公開S3やセキュリティグループの広いルールを検出します。即座にアクセス許可を絞ります。
  • サービス制限:APIやリソースの上限近接を知らせます。上限引き上げの依頼準備をします。

コンソールでの使い方と運用手順

  1. AWSコンソールのTrusted Advisorダッシュボードを開きます。2. 色(緑・黄・赤)で優先度を確認します。3. 重要な項目から修正計画を立て、実行またはサポートケースで支援を依頼します。チェックは定期的に更新するので、定期的な確認を習慣にしてください。

注意点

提案はあくまで推奨です。変更は自動的に行われないため、影響範囲の確認とテストを必ず行ってください。プランのアップグレードで利用できるチェック範囲が広がるため、必要に応じてプラン見直しを検討してください。

プラン選択のポイント

目的を明確にする

まず何を優先するかをはっきりさせます。例えば本番環境で停止が許されないなら、問い合わせの応答時間や24時間対応が重要になります。開発や検証だけなら、無料や低料金のプランで十分な場合が多いです。

システム規模とコストのバランス

AWSの利用料に応じてサポート費用が変わります。小規模でコスト重視ならベーシックやデベロッパー。利用量が多くSLAや迅速な支援が必要ならBusinessやEnterpriseを検討してください。

体制と技術力を考慮する

社内に運用の知見があるかで選択が変わります。自社で障害対応や設計改善ができるなら最低限のプランで足ります。外部に頼る必要がある場合は、電話やチャットでの迅速なサポートがある上位プランが助けになります。

フェーズ別の目安

  • 開発・テスト:Developerで十分なことが多い
  • 本番初期:Businessで運用とトラブル対応を強化
  • 大規模・ミッションクリティカル:Enterpriseで専任支援やアカウント支援を確保

購入前チェックリスト

  • 想定する障害や問い合わせの内容
  • 必要な応答時間(例:1時間以内、24時間以内)
  • 予算と費用対効果
  • Trusted Advisorなどの自動診断が必要か
  • 運用担当のスキルと対応可能時間

定期的に見直して、事業や利用状況に合わせてプランを変更することをおすすめします。

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