初心者向けにわかりやすく解説するwebセキュリティサービスの基礎知識

目次

はじめに

目的と対象読者

本ドキュメントは、Webセキュリティサービスを体系的に理解したい方向けに作成しました。経営者や情報システム担当者、開発者、導入検討中のご担当者など、幅広い読者を想定しています。専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明します。

なぜWebセキュリティが重要か

Webサービスは日常的に攻撃の対象になります。例えば、ログイン画面の弱いパスワードを狙った不正アクセス、過負荷をかけるDDoS攻撃、入力欄の不備を突く攻撃などが挙げられます。これらは業務停止や個人情報流出につながり、信頼失墜や損害賠償の原因になります。

本書の構成と読み方

本書は全4章で構成します。第2章でサービス全体の見取り図を示し、第3章で主要なソリューションを解説します。第4章で代表的な製品を紹介します。目的に応じて章を選んでお読みください。経営判断をする方は第2章と第4章、技術担当は第3章を重点的に読むと効率的です。

用語と前提

専門用語は必要最小限にとどめ、出てくる用語は都度わかりやすく説明します。実務での導入や評価に役立つ実例を交えて進めます。

Webセキュリティサービスの全体像

概要

Webセキュリティサービスは、組織のウェブ資産を守るための活動を体系化したものです。主に「診断・テスト」「監視・運用」「インシデント対応」「脅威インテリジェンス」「教育・トレーニング」の五つに分かれます。各サービスは目的が異なり、組み合わせて使うことで効果を高めます。

診断・テストサービス

脆弱性診断はソフトや設定の弱点を見つける作業です。ペネトレーションテストは実際に攻撃を想定して試すもので、問題の深刻さを確認できます。例として、ログイン画面の不正アクセスを試して対策の優先度を決めます。

監視・運用サービス

監視(MSSやSOC)は常時ログや通信を見て異常を検知します。運用は検知後の対応手順や定期的な更新を含みます。具体的には、不審なアクセスを自動でアラートし、担当者に通知します。

インシデント対応サービス

被害発生時はデジタルフォレンジックやマルウェア解析で原因を突き止めます。復旧作業や再発防止策の提案も行います。早く対応するほど被害を小さくできます。

脅威インテリジェンスサービス

最新の攻撃手法や脅威情報を収集・分析し、優先的に対策すべきリスクを示します。具体例として、新たな詐欺メールの手口を共有し対処法を提案します。

教育・トレーニングサービス

従業員向けの啓発や専門家育成を行います。日常の注意点や実践的な演習を通じて、人為的ミスを減らします。初心者向けから上級者向けまで段階的に用意することが重要です。

Webセキュリティサービスの主要ソリューション

WAF(Webアプリケーションファイアウォール)

WAFはWebアプリへの攻撃を検知して遮断します。具体例を挙げると、SQLインジェクションやクロスサイトスクリプティングなどを防ぎます。導入形態は主に3つです。
– オンプレミス型:自社サーバに設置して細かく制御できます。カスタマイズ性が高い反面、運用負荷が大きいです。
– CDN付属型:配信網に組み込まれ、遅延が少なくグローバル配信に向きます。
– マネージド型:専門ベンダーが運用を代行し、設定やチューニングを任せられます。

MSS(マネージドセキュリティサービス)

MSSはセキュリティ機器やログの運用・監視を代行します。例として、24時間体制のSOCが不審な通信を検知して対応する形です。近年はネットワークやセキュリティを統合するクラウド型サービス(SASEやSSE)も登場し、遠隔拠点やクラウド環境に適した運用が可能です。

エンドポイント保護

エンドポイント(PCやサーバ、モバイル)を守る製品にNGAVやEDRがあります。NGAVは既知のマルウェアや振る舞いを防ぐ製品で、EDRは異常な挙動を検出して調査・隔離します。例えば、社員のPCが不正な挙動をした際にEDRがネットワークから切り離して原因を特定します。

クラウドセキュリティ

クラウド向けにはCASB、CSPM、CWPPが重要です。CASBはSaaS利用の制御やデータ流出防止を行い、CSPMはクラウドの設定ミス(公開設定など)を検出します。CWPPは仮想マシンやコンテナの脆弱性や不正なプロセスを守ります。例えば、公開設定になったストレージを自動で検出して通知します。

選び方の指針

資産(Web、端末、クラウド)を洗い出し、優先度に応じて組み合わせます。小規模ならマネージド型を選ぶと運用負荷が減ります。自社で細かく制御したい場合はオンプレミスや高度なEDRを検討してください。

主要なWebセキュリティサービス製品

BLUE Sphere

BLUE Sphereはオールインワン型のサービスです。WAF(不正なリクエスト防止)、DDoS対策、改ざん検知などを一つのパッケージで提供します。設定は管理画面から行え、ECサイトや社内ポータルをまとめて守りたい企業に向きます。例:急なトラフィック増加時にDDoS防御が自動で働き、サイト停止を防ぎます。

Cloudbric WAF+

Cloudbric WAF+はワンストップで5つの機能を提供します(WAF、ボット対策、改ざん検知、DDoS緩和、アクセス制御)。導入が簡単で、中小規模のサイトでも使いやすいです。例えば、ログインページへの総当たり攻撃をボット対策で軽減できます。

PrimeWAF

PrimeWAFは月額料金制で利用でき、多様な機能を組み合わせて使えます。予算に合わせてプランを選べるため、初期投資を抑えたい場合に有利です。API保護や細かなルール設定を必要とするサービスに向きます。

選び方のポイント

  • 保護対象:Webサイト単体か複数サイトかで選びます。
  • 運用負荷:運用を外部に任せるか自社で管理するか確認します。
  • 予算とスケール:月額制かパッケージかで費用感が変わります。
  • 導入の容易さ:設定画面やサポートの有無を比較します。

用途や運用方針に合わせて、まずはトライアルで挙動を確認することをおすすめします。

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