はじめに
本ドキュメントは「cdn package」に関する調査結果をまとめたものです。主な目的は、CDN（コンテンツ配信ネットワーク）の基本的な仕組みと、導入を検討する際に押さえておきたい要点を分かりやすく伝えることです。
想定する読者は、ウェブサイト運営者や開発担当者、あるいはCDN導入を検討している方です。検索意図としては「CDNのパッケージプランや導入に必要な情報」を期待されることが考えられますが、本稿では主に基礎概念と主要構成要素、動作メカニズム、キャッシング機能に焦点を当てています。パッケージの比較や料金表に関する具体的情報は、本稿の範囲外となる場合があります。必要があれば別途お尋ねください。
身近な例で言うと、遠方の利用者があなたのサイトを開くとき、CDNは近くのサーバーから画像や動画を届けて表示を速くします。これにより、表示遅延の軽減やサーバー負荷の分散、トラフィック急増時の耐障害性向上といった効果が期待できます。
以降の章では、まずCDNの基本概念と構成要素を説明し、その後に動作メカニズムとキャッシング機能について詳しく解説します。どの章も具体例を交えながら丁寧に説明しますので、ご安心ください。
CDNの基本概念と構成要素
概要
CDNは、世界中に分散したサーバーを使って、ユーザーに近い場所から画像や動画、ウェブページを届ける仕組みです。これにより読み込みが速くなり、元のサーバーの負担を減らせます。身近な例では、東京の利用者には東京のサーバーから画像が届きます。
エッジサーバー（キャッシュサーバー）
エッジサーバーはユーザーに近い場所に置かれ、よく使うファイルを一時保存します。例えば人気の写真を保存しておけば、毎回遠くのサーバーに取りに行く必要がなくなり表示が速くなります。
オリジンサーバー
オリジンサーバーは元のコンテンツを保管するサーバーです。エッジに無い新しいデータはここから取得されます。運営側は更新や管理をこのサーバーで行います。
ポイント・オブ・プレゼンス（PoP）
PoPは地理的に分散したサーバー群のまとまりです。大都市や通信の要所に置かれ、地域ごとのアクセスを効率化します。
コンテンツ配信ノードとルーティング
配信ノードはリクエストを適切なエッジに振り分けます。地理情報や混雑状況を見て最短ルートを選び、無駄な往復を減らします。
コントロールプレーン（管理部分）
コントロールプレーンはキャッシュの設定や配信ルールを管理します。更新のタイミングや配信する優先度をここで決めます。
短い動作イメージ
ユーザーが画像を要求→最寄りのPoPのエッジを確認（あれば即配信）→無ければオリジンから取得して配信・保存します。
CDNの動作メカニズム
リクエストの始まりとDNS
ユーザーがウェブページや画像を要求すると、まずブラウザがドメインのDNSを問い合わせます。DNSはCDNのロードバランサーを指し示し、ユーザーの接続をCDN側に向けます。例えば画像を開くと、その要求は直接オリジンではなく最寄りのCDN入口へ送られます。
最適なエッジサーバーの選択
ロードバランサーはユーザーの近接性、各サーバーの現在の負荷、ネットワークの混雑状況などを見て最適なエッジサーバーを選びます。anycastルーティングを使うと、同じIPアドレスを複数地点で運用し、地理的に一番近い経路へ誘導します。これによりレイテンシーを最大で50%削減できるケースがあります。
キャッシュヒットとキャッシュミスの流れ
選ばれたエッジサーバーはまずキャッシュの有無を確認します。キャッシュヒットなら、そのままエッジからユーザーへ配信します（応答が速く、オリジン負荷も下がります）。キャッシュミスならエッジは上位の地域サーバーやオリジンサーバーへ要求を送り、取得後にユーザーへ配信しつつエッジに保存します。
階層構造と負荷分散
CDNは通常、エッジ（最もユーザーに近い）、地域サーバー（集約点）、オリジン（元のサーバー）の階層で構成します。この階層によりトラフィックを分散し、急なアクセス増加にもスケールして対応します。結果として応答性と可用性が向上します。
CDNのキャッシング機能
キャッシュの役割と効果
CDNのキャッシングは、配信側が一時的にコンテンツを保存して次の要求に素早く応える仕組みです。画像や動画、CSSやJavaScriptなどを近くのサーバーに置くことで、読み込み時間を短くし、オリジンサーバーの負荷を下げます。例えば、全国のユーザーが同じ画像を見る場合、各地のエッジサーバーが応答するため速く表示されます。
キャッシュの種類と配置
主な置き場所はエッジサーバーとブラウザです。エッジはCDNのサーバー群でユーザーに近く、ブラウザは利用者の端末内です。端末側は一時保存で再読み込みを減らし、エッジは多数のユーザーに対して高速に配信します。
キャッシュ制御の基本（実例付き）
TTL（有効期限）を短くすると更新が早く反映し、長くするとヒット率が上がります。HTTPヘッダの例：Cache-Control: max-age=3600 は1時間保存します。画像は長め、動的なAPIは短めに設定します。
更新戦略と整合性
プル型は必要時にエッジがオリジンから取得します。プッシュ型は事前に配信側がエッジに送ります。更新時はキャッシュバスト（URLにバージョンを付ける）や条件付きGET（If-Modified-Since）で古い内容を避けます。
トラブルと対策
個人情報などはキャッシュしない、認証付きはprivateにする、古いコンテンツが残るときはバージョン付与で対応します。ログやモニタでヒット率を確認すると改善点が見えます。
