サーチコンソールのドメインプロパティ設定と活用方法完全ガイド

目次

はじめに

目的

本ドキュメントは、Google Search Consoleの「ドメインプロパティ」について分かりやすく解説することを目的としています。設定や計測の範囲、メリット・注意点まで順を追って説明します。

対象読者

  • 自分のサイトを正確に計測したいウェブ担当者
  • サイト所有権の管理に不安がある個人運営者
  • ドメイン単位で検索パフォーマンスを把握したい方
    専門知識は必須ではありません。基礎的なサイト運営の経験があれば読み進められます。

本書で学べること

  1. ドメインプロパティの概要とURLプレフィックスとの違い
  2. 導入のメリットと設定手順
  3. 計測対象となるURLの範囲と注意点
  4. トラブル時の対応やプロパティ削除方法

読み方のポイント

各章は独立して理解できるように作成しました。設定手順をすぐ試したい場合は第5章から読み始めても構いません。具体例を交えて丁寧に説明しますので、実務にそのまま活用できます。

Google Search Consoleのドメインプロパティとは

概要

ドメインプロパティは、指定したドメイン配下の全てのサイトを一括で管理する機能です。httpとhttps、wwwあり・なし、サブドメインやサブディレクトリまで含めて自動的に計測対象になります。複数サイトを運営する方にとって、データを一箇所で確認できる便利な仕組みです。

含まれる範囲(具体例付き)

  • プロトコル:http://example.com と https://example.com の両方
  • サブドメイン:www.example.com、blog.example.com、shop.example.com
  • サブディレクトリ:example.com/ja/ や example.com/blog/
    例)example.com をドメインプロパティにすると、上の全てが自動で集計されます。

どんなときに向くか

  • 複数のサブドメインを運営しているとき
  • http→https の移行を行ったとき
  • ドメイン全体の検索状況を俯瞰したいとき

設定時の注意点

ドメインプロパティの登録は、ドメインの所有権を確認するためにDNSのレコード追加が必要です。ドメイン管理画面にアクセスできる権限が求められます。確認後、データは通常その時点から集計されますので、過去のデータが自動で結合されるわけではありません。

イメージしやすい利点

複数のサイトを個別に切り替えて見る手間が減り、一度に全体の傾向を把握できます。運営が楽になり、問題発見も早くなります。

URLプレフィックスとの違い

概要

Google Search Consoleの「ドメインプロパティ」と「URLプレフィックス」は計測範囲と所有権の確認方法で異なります。ドメインプロパティは指定したドメイン配下のすべてのURLをまとめて計測し、所有権の確認はDNS(TXT)だけで行います。URLプレフィックスは指定したURLの接頭辞だけを計測し、確認方法は複数あります(HTMLファイル、metaタグ、Googleアナリティクス、タグマネージャーなど)。

具体例で比べる

  • ドメインプロパティ例: example.com を登録すると、https://example.com、http://example.com、https://www.example.com、https://blog.example.com といった全てが含まれます。これによりデータが一元化されます。
  • URLプレフィックス例: https://www.example.com/blog/ を登録すると、その接頭辞以下だけが計測対象です。サブドメインや別プロトコルは含まれません。

どちらを選ぶか

  • DNS設定を編集できる場合はドメインプロパティが便利です。複数のサブドメインやプロトコルをまとめて管理できます。
  • DNSにアクセスできない、または個別のディレクトリだけ見たい場合はURLプレフィックスが現実的です。個別の確認方法が使えて導入しやすいです。

注意点

同じサイトで両方を作れますが、データは別々に集計される点に注意してください。目的に応じてどちらを主に使うか決めると運用が楽になります。

ドメインプロパティのメリット

概要

ドメインプロパティを使うと、ドメイン配下のすべてのバリエーション(http/https、サブドメイン、ポートなど)を一括で管理できます。複数のサブドメインやサービスを運用している場合でも、データを一箇所で見ることが可能です。

主なメリット

  • データの一元化:blog.example.com、shop.example.com、www.example.comなどを別々に登録する必要がありません。全体のインプレッションやクリック数をまとめて確認できます。
  • 欠落データの回避:URLプレフィックスのみで管理すると、プロパティが分散して一部のデータ(例:インプレッションの一部)が表示されないことがあります。ドメインプロパティはそのリスクを減らします。
  • SEOの効率化:サイト全体のパフォーマンス傾向を把握しやすく、改善点の優先順位を付けやすくなります。
  • 管理負担の軽減:アクセス権の設定やレポート作成をまとめて行えます。

具体例

例えば、企業サイトでブログとECを別サブドメインで運用している場合、ドメインプロパティにより両方の検索データをまとめて分析でき、検索流入の相互影響を評価しやすくなります。

運用上の注意(簡単に)

ドメインプロパティはDNS確認が必要です。手順は第5章で詳しく説明します。

ドメインプロパティの設定方法

ステップ1:Googleにログイン

Google Search Consoleにアクセスし、使いたいGoogleアカウントでログインします。個人用と組織用で別アカウントを使う場合は、間違えないよう注意してください。

ステップ2:プロパティを追加

画面左上の「プロパティを追加」をクリックし、「ドメイン」タブを選びます。例:example.com のように、サブドメインやプロトコルを付けずにドメイン名だけ入力します。

ステップ3:TXTレコードの取得と設定

表示されるTXTレコードをコピーします。レンタルサーバーやドメイン管理サービスのDNS設定画面へ移動し、ホスト名は空欄または「@」としてTXTレコードを追加します。設定画面の例や項目名はサービスごとに異なるため、提供元のマニュアルを参考にしてください。

補足:DNSの反映には数分から最大72時間かかることがあります。すぐ確認が通らない場合は少し待ってから再試行してください。

ステップ4:所有権の確認

Search Consoleに戻り「確認」ボタンを押します。成功すれば「プロパティに移動」をクリックして完了です。もし失敗した場合は、コピー漏れや余分なスペース、ホスト名の指定ミスを確認してください。

よくあるトラブルと対処

  • 反映が遅い:DNSのTTLを確認し、最大72時間待つ。
  • 入力ミス:TXTレコードを再コピーして全角スペースが入っていないか確認。
  • 管理者権限がない:レンタルサーバーやドメインの管理者に依頼してください。

計測対象となるURL

概要

ドメインプロパティに指定したドメイン(例:example.com)配下のすべてのURLが計測対象になります。指定したドメイン名を含むすべてのプロトコル、サブドメイン、サブディレクトリをまとめてカバーします。

含まれるもの(具体例)

  • プロトコル: http://example.com と https://example.com の両方
  • サブドメイン: https://www.example.com、https://m.example.com、https://blog.example.com など
  • サブディレクトリ: https://example.com/ja/、https://www.example.com/shop/page.html など
  • クエリやパラメータ付きURL: https://example.com/search?q=商品名

例示での理解

ドメインプロパティを example.com に設定すると、次のようなURLすべてが含まれます。
– http://example.com/
– https://example.com/
– https://www.example.com/page
– https://blog.example.com/post?id=123

注意点

  • 別ドメイン(例: example.net や example.jp)は含まれません。完全に別のドメインは個別に追加が必要です。
  • ポートを明示した特殊なURL(例: https://example.com:8080)は通常含まれますが、サーバー設定やリダイレクト次第で確認方法が変わることがあります。
  • 同じコンテンツが複数のURLで見つかる場合、Search Console側でどのURLを代表として扱うかが変わることがあります。サーチの表示には影響するため、正規化(Canonical)設定は整備しておくとよいです。

以上の点を踏まえ、ドメインプロパティは管理範囲を広くカバーし、漏れなく計測したい場合に便利です。

注意点と失敗時の対応

必要な権限と確認方法

ドメインプロパティの登録では、DNS設定を編集できる権限が必須です。所有権の確認はDNSに追加したレコード(通常はTXT)の有無だけを見ます。編集権限がない場合は、無理に操作せずURLプレフィックスでの登録を検討してください。URLプレフィックスはHTMLファイルやmetaタグ、Google Analyticsなど別の確認方法が使えます。

確認に失敗したときのチェックリスト

  • DNSレコードが正しく追加されているか(ホスト名/名前、値のコピーミスに注意)
  • レコードの種類がTXTになっているか
  • 反映待ち(TTL)で数分〜48時間かかる場合がある
  • 同じドメインに重複するレコードがないか
  • 間違えて既存の重要なレコードを消していないか

対処手順

  1. DNS管理画面でレコードを再確認し、必要なら修正する。2〜48時間待ってからSearch Consoleで再試行する。3. 管理者やDNSプロバイダに問い合わせて公開状況を確認する。4. どうしても難しい場合はURLプレフィックスでの登録に切り替える。

ちょっとした注意点

DNS操作は誤るとサービスに影響します。操作に不安があるときは、サイト管理者やホスティング会社に依頼してください。

プロパティの削除方法

手順(簡潔)

  1. Google Search Consoleにログインします。
  2. 左上のプロパティ選択から、削除したいプロパティを選びます。
  3. 左メニュー下部の「設定」をクリックします。
  4. 「プロパティを削除」を選択します。
  5. 表示される確認ポップアップで再度「プロパティを削除」をクリックして完了です。

削除前の確認ポイント

  • 削除しても、サイトがGoogle検索から消えることはありません。検索結果には影響しません。
  • 削除はあなたのSearch Consoleアカウントからの表示を消すだけです。他の所有者やユーザーのアクセスは残ります。
  • ドメインプロパティの場合、再び追加するにはDNS確認(TXTレコード)が必要になることがあります。

削除後の対応

  • 間違えて削除した場合は、同じ方法で再度プロパティを追加して確認します。
  • 他のユーザーのアクセスを取り消したい場合は、「ユーザーと権限」から個別に削除してください。

この手順で安全にプロパティを管理できます。不安な点があれば削除前に確認やバックアップ(設定や所有者情報の控え)を取ることをおすすめします。

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