AWSのデータセンター場所を徹底解説!日本と世界の主要拠点情報

目次

はじめに

目的

本資料は、AWS(Amazon Web Services)が世界各地に展開するデータセンターの所在地や配置状況をわかりやすくまとめることを目的としています。企業や個人がクラウド利用を考える際に、拠点の分布がどのように影響するかを理解できるようにします。

本資料の範囲

米国内の主要拠点、日本国内のデータセンター、各地での拡張計画やグローバルな展開の概要を扱います。専門用語は最小限にとどめ、具体例や図示で補足します。

読者への期待

クラウドの基礎知識を持つ方はさらに理解が深まります。初心者の方も読み進めやすいように配慮しました。技術的な詳細は別章で丁寧に説明します。

構成と読み方

全7章で構成します。第2章以降で地域ごとの拠点や計画を順に解説します。必要に応じて章を参照し、目的に合わせて読み進めてください。

AWSのグローバルデータセンター展開の規模

全体の規模

AWSは50カ国以上に900以上の施設を展開しています。大規模な自社データセンター(たとえばバージニア州やオレゴン州の拠点)に加え、世界各地の数百に及ぶコロケーション(賃借)施設も利用しています。これらの賃借施設は、アマゾンの総計算能力の約5分の1を占めています。

コロケーション施設とは

コロケーションとは、自社で建てた建物ではなく、既存のデータセンター施設の一部を借りて機器を設置する形です。例としては、都市部の通信事業者が運営する施設を借りて、地域のユーザーに近い場所でサービスを提供する場合があります。こうした施設を活用すると、設置までの時間を短縮できます。

使い分けの理由

大きな自社拠点は大量の計算や長期的な投資に向きます。一方で賃借施設は、特定地域での接続性向上や需要の急増対応、法規制やデータ主権の要件に応える際に有効です。両者を組み合わせることで、柔軟で耐障害性の高いインフラを作れます。

身近なイメージ

想像するとわかりやすいです。バージニアやオレゴンの巨大拠点は巨大な工場のようで、多くのサーバーを一括して動かします。都市近くのコロケーションは地域の支店のように機能し、ユーザーとの距離を縮めます。これらが連携して、世界中に速く安定したクラウドサービスを届けています。

米国内の主要データセンター拠点

バージニア州北部(ラウドン郡)

バージニア州北部、特にラウドン郡はAWSの重要拠点です。ラウドン郡には115以上のデータセンター施設が集まり、世界のインターネットトラフィックの70%以上を処理しているとされます。多くの企業がこの地域に設置するため、設備や接続の密度が高く、短い遅延で大規模な通信を行えます。

オハイオ州ニューアルバニー

オハイオ州ニューアルバニーは、信頼性の高い電力供給と高度なネットワーク接続を持つ戦略的な拠点です。電力インフラが安定しているため、システムの可用性を高めやすく、地域内外への接続点としての利便性が高まります。

拠点の選定理由と利用者への影響

両地域は、電力・通信・土地のバランスが良く、冗長構成を取りやすい点で選ばれています。結果として、サービスの安定性や低遅延、迅速な復旧が期待できます。利用者はデータの応答性や可用性の向上といった恩恵を受けやすくなります。

バージニア州での拡張計画

背景

Amazonはバージニア州北部を中心に長年データセンターを展開してきました。首都圏に近く通信回線や電力の整備が進むため、同州は主要な拠点になっています。

既存拠点と申請中の地域

ラウドン郡、フェアファックス郡、プリンスウィリアム郡には既に施設があります。スポッツィルベニア郡やスタッフォード郡では開発申請中で、ウォーレン郡やリッチモンド郡など多数の郡でも拡大が予定されています。

拡大の理由

主な理由は次の通りです。首都圏への近接で遅延が少ないこと、光ファイバーなど通信インフラの充実、電力や土地の確保が比較的しやすいことです。これらが運用コストと信頼性の改善に寄与します。

地元への影響と対応

雇用や税収の増加と引き換えに、水資源の利用、景観変化、騒音、交通増加といった懸念が出ます。自治体は環境影響評価や住民説明会を実施し、開発基準や緩和策を求めることが多いです。

予定と今後の見通し

各プロジェクトは用地取得、許認可、設計、建設の段階を踏みます。段階的に稼働するため長期的な拡張が見込まれますが、地域合意と規制対応が重要になります。

ペンシルベニア州のデータセンター

概要

2024年3月、AWSはタレン・エナジー社が所有するペンシルベニア州北東部のキュムラス(Cumulus)データセンター・キャンパスを買収しました。この施設は原子力発電所に直結しており、電力供給の安定性と長期的な運用に適した戦略拠点です。

戦略的な強み

原子力発電所直結という特徴は、電力の安定性に直結します。クラウド事業は継続的な電力供給が必要なため、安定したベースロード電源があることは大きな利点です。また、化石燃料への依存を抑えられる点は、運用時の環境負荷軽減にも寄与します。

地域経済と雇用

大規模なデータセンターキャンパスの存在は、建設・運用に伴う雇用を生み出します。周辺のインフラ整備や関連サービス業の需要も高まるため、地域経済への波及効果が期待できます。地元自治体にとっては税収や投資誘致の面でも重要な資産になります。

運用と信頼性

このような施設では、電力の冗長化やネットワークの多重化、物理的なセキュリティ対策を整備して高い可用性を確保します。原子力直結の強みを活かしつつ、クラウドサービスにふさわしい運用基盤を整えることが想定されます。

今後の展望

AWSの買収は、同社の米国内での拠点強化の一環と考えられます。キュムラスのような戦略的キャンパスを活用することで、低遅延のサービス提供や災害時の回復力強化など、顧客に対する価値向上につながる可能性があります。

日本国内のデータセンター

主要拠点と配置

AWSは日本国内で複数の場所にサーバーを設置しています。千葉県印西市、東京都多摩市、東京都23区内、神奈川県横浜市などが代表例です。各拠点は利用者の近くに置くことで、通信の遅延を小さくします。たとえば東京都内の企業は都内のサーバーを使うことで応答が速くなります。

歴史とリージョン展開

AWSは2009年に日本で最初のオフィスを開設しました。2011年に東京リージョンを開設し、国内ユーザー向けのサービス基盤を整えました。2021年には大阪リージョンも開設し、地域分散を進めています。

耐震性と安全対策

東京リージョンのデータセンターは、地震対策を強化して設計されています。具体的には耐震構造や免震設備、重要機器の固定などにより、揺れや振動から機器を守ります。また電源や冷却の冗長化も行い、停止リスクを下げています。

利用者へのメリット

国内にデータセンターがあることで、データの保存先が国内に限定される安心感や、サービスの応答性向上が期待できます。バックアップや災害対策の面でも、複数リージョンを使う選択肢が増えます。

世界規模での主要拠点

グローバルなリージョン構成

AWSは世界各地にリージョンを分散して運用します。リージョンは地理的なまとまりで、その中に複数の物理的なデータセンター(可用性ゾーン)が配置されます。こうすることで遅延の低減や冗長性を確保します。

主な地域と具体例

  • 北米:バージニア州北部(Northern Virginia)やオレゴンなど。多くのサービスがここで稼働します。
  • 南米:ブラジル(サンパウロ)など。地域のユーザーに近い配置です。
  • ヨーロッパ:アイルランドやドイツ(フランクフルト)を中心に展開します。
  • アジア太平洋:日本(東京・大阪)、韓国、インド(ハイデラバードなど)、インドネシア(ジャカルタ)を含みます。
  • アフリカ・中東:南アフリカや中東のリージョンで、地域ごとの需要に応えます。

設計と運用の特徴

各拠点は電力やネットワークを二重化し、地震や停電などに備えた場所選定を行います。可用性ゾーン間でデータを分散することで、障害時もサービスを継続しやすくなります。

利用者へのメリット

地域ごとにデータを置けるため、応答速度が向上します。法律や規制でデータの保管場所が指定される場合も、適切なリージョンを選べます。さらに、複数リージョンを使うことでバックアップや災害対策が実現しやすくなります。

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