はじめに
本書の目的
このドキュメントは、Googleに付属する「Search Console Insights（サーチコンソールインサイト）」について、分かりやすく整理することを目的としています。基本的な使い方から、従来のサーチコンソールとの違い、実際の活用例まで順を追って解説します。視覚的で直感的な分析を学びたい方に向けた入門ガイドです。
対象読者
- ブログやWebサイトを運営する個人
- サイトの流入やコンテンツ改善を担当する方
- Search Consoleは使っているが、より簡単に傾向をつかみたい方
本書で扱う内容（概要）
以下の項目を扱います。各章で画面の見方や具体的な操作例、活用のヒントを紹介します。
– Search Console Insightsの概要と特徴
– 従来のSearch Consoleとの主な違い
– ログイン方法と初期設定
– 確認できる主な指標と機能
– 実際の活用例と運用上の注意点
– 関連機能や補助ツールの紹介
読み進め方
各章は独立して読める構成です。まず第2章で基本のイメージをつかみ、第4章以降で具体的な操作や活用例を確認すると実践しやすいです。必要に応じて目次から該当章に移動してください。
Search Console Insights（サーチコンソールインサイト）とは
概要
Search Console Insightsは、Googleが提供するサイトのパフォーマンス確認ツールです。サーチコンソールと連携して動作し、記事やページがどのように見つけられ、読まれているかを分かりやすく示します。視覚的なグラフや要点表示が中心で、初心者でも重要なデータを素早く把握できます。
主な特徴
- 検索キーワードやトラフィックの傾向を簡潔に表示します。例えば「どの検索語で記事に来たか」が分かります。
- 人気記事や新しい記事の評価が一目で分かります。SNS経由の流入や人気の上がり下がりも確認できます。
- 詳細な分析はGoogleアナリティクスと連携すると可能です。連携すると滞在時間やページごとの行動も見られます。
どんな人に向くか
コンテンツの改善を始めたばかりのブロガーや、技術的な分析に時間をかけたくない運営者に向いています。マーケティング担当者も、方向性を決めるための手早い判断材料として使えます。
利用上の注意点
使用は無料で、サーチコンソールにサイト登録すればすぐに利用できます。より深いデータを得るにはアナリティクスとの連携が必要です。データの解釈は文脈を踏まえて行ってください。
サーチコンソールとの主な違い
目的の違い
従来のサーチコンソールはサイト運営の技術管理と検索パフォーマンスの詳細分析を目的とします。一方、Search Console Insightsは「コンテンツの見え方」と「ユーザーの反応」を素早く把握するために作られています。たとえば、特定記事の人気推移やどの外部サイトから読者が来たかを直感的に確認できます。
データの見せ方
サーチコンソールはクエリごとのクリック数や表示回数、平均掲載順位など細かい数値を表で示します。Search Console Insightsはグラフや簡潔なカードで「どの記事が伸びているか」「どの参照元が効いているか」を分かりやすく表示します。
機能の範囲
サーチコンソールはインデックス状況の確認、サイトエラーやサマリー、URL検査やサイトマップ管理などを行えます。Search Console Insightsはこれらの管理機能を持ちません。インデックス登録リクエストやエラー確認はできないため、問題解決にはサーチコンソールを使う必要があります。
利用シーンの違い
日常的にコンテンツの状況をさっと把握したい場合はSearch Console Insightsが便利です。技術的な問題を調べたり、検索クエリの詳細分析をしたい場合は従来のサーチコンソールを使ってください。
Search Console Insightsのログイン方法
Search Console Insightsへは複数の方法でアクセスできます。ここでは代表的な3つの方法と、事前に確認しておきたいポイント、よくあるトラブルの対処を分かりやすく説明します。
方法1：Search Consoleのダッシュボードから
- GoogleアカウントでSearch Consoleにログインします。
- 左側メニューの「サマリー」をクリックします。
- 画面右上にある「Search Console Insights」を選択します。
- 複数のプロパティがある場合は、対象のサイトを選びます。
方法2：検索から直接アクセス
ブラウザで「サーチコンソール インサイト」や”Search Console Insights”を検索して、表示された公式結果から直接アクセスします。ログインしているGoogleアカウントがアクセス権を持っていることを確認してください。
方法3：iOSのGoogleアプリから
iOS版のGoogleアプリを開いて、アプリ内検索で「Search Console Insights」と入力すると直接アクセスできます。モバイルで手軽に確認したいときに便利です。
利用前の確認事項
- Search Consoleにサイトが登録され、対象アカウントにアクセス権があることを確認してください。
- 初回表示までにデータ反映に時間がかかる場合があります。
よくあるトラブルと対処
- メニューに「サマリー」が見当たらない：別のアカウントでログインしている可能性が高いので、アカウントを切り替えてください。
- 画面が表示されない：ブラウザのキャッシュをクリアするか、シークレットウィンドウで再試行してください。
簡単な手順でアクセスできるので、まずはご自身のアカウントとプロパティを確認してみてください。
主な機能と確認できる項目
概要
Search Console Insightsでは、サイトの流入やコンテンツの反応を視覚的に確認できます。数字だけでなく変化や傾向が分かりやすく表示されるので、改善点を見つけやすいです。
確認できる主な項目
- 新しいコンテンツのパフォーマンス
- 表示例：公開後のページビューや平均滞在時間。例）新しい記事が初週に500PV、滞在時間30秒。
- 人気のあるページ
- 最近よく見られているページのランキング。急上昇中のページも分かります。
- Google検索からの流入クエリ
- 多く検索されている語句や、急に増えたキーワードを表示します。例）特定の語句でアクセスが急増。
- 他サイトからの参照（リファラ）
- 外部サイトやブログからのリンク経由の流入が分かります。
- SNSからのアクセス経路
- TwitterやFacebookなど、どのSNSから来ているか確認できます。
使い方のポイント
- 新規記事はまず“ページビュー”と“滞在時間”を確認してください。滞在時間が短ければ、導入文や見出しを見直します。
- 検索クエリで急上昇ワードがあれば、その語句を含めた関連記事を作成すると効果的です。
- 参照元やSNSを見て、協力してくれたサイトへ感謝を伝えたり、SNS用の見せ方を改善したりしましょう。
Search Console Insightsの実際の活用例
目的と前提
直近3か月の新しいコンテンツ機能でページビューを確認し、平均PVが30,000のところ10,000未満の記事を改善対象にします。目的は短期間でのパフォーマンス向上です。
実際の運用フロー
- 抽出：新しいコンテンツ機能で期間を3か月にし、PV順に並べて10,000未満の記事をピックアップします。
- 分析：各記事について、上位の流入クエリ、参照元（SNSや外部サイト）、直帰率、平均掲載順位を確認します。
- 優先度付け：流入の伸びしろが大きい記事（関連検索が残っている、CTRが低いが表示は多い等）を優先します。
改善の具体例
- 構成変更：見出しを整理し、読みやすい流れにする。目次を追加して回遊を促します。
- 文字追加：不足している情報や最新データを補足して網羅性を高めます。
- タイトル・メタの改善：検索意図に合わせて魅力的に書き換え、CTR改善を狙います。
- 内部リンク：関連する高PV記事からリンクを張り、ページ評価を上げます。
- 技術面：画像最適化や表示速度改善、モバイル表示の確認を行います。
効果測定と運用サイクル
修正後は2〜4週間でPVやCTRを観察し、効果が出なければ別の施策（構成の再検討や外部プロモーション）を試します。小さな改善を積み重ねることで、短期間でも確実にパフォーマンスを上げられます。
その他の関連機能
サーチコンソールインサイトとSearch Consoleの補完
Search Console Insightsは、記事ごとの入り口やPV推移、上位クエリの要約が手早く分かります。一方でSearch Console本体はより詳しい検索データと技術的な診断を提供します。両方を組み合わせると、全体像と個別施策の両方を把握できます。
Search Consoleで確認できる主な項目
- 検索パフォーマンス：キーワード別やページ別のクリック数・表示回数。改善効果を測れます。
- インデックス（カバレッジ）：どのページが検索結果に載っているか、問題の有無を確認します。
- エクスペリエンス：ページの表示速度やモバイル対応など、ユーザー体験に関する指標です。
- 拡張（リッチリザルト）：構造化データの問題や表示機会を把握できます。
他ツールとの連携
Googleアナリティクスやタグマネージャーと連携すると、流入後の行動やコンバージョンまで追えます。両方を見比べると、検索からの価値をより正確に評価できます。
活用時のポイント
- 定期的に両方をチェックして仮説と結果を照合します。
- 重要なページとキーワードに優先順位を付け、改善を繰り返します。
注意点
データの反映に時間差がある点と、プライバシー保護のため個別ユーザーの詳細は見られない点に留意してください。
