はじめに
本書の目的
本書は、ホームページ作成プラットフォームの選び方をわかりやすく伝えることを目的としています。Wix、WordPress、STUDIO、ペライチ、Jimdoといった代表的なツールの特徴を比較し、利用者の目的やスキルに合わせた選び方を示します。
なぜ比較が必要か
ホームページ作成ツールは機能や操作性、料金が異なります。例えば、デザインの自由度を重視する方、手早く公開したい方、将来拡張したい方では向くツールが変わります。本書は実例を交えながら、どの点を重視すべきかを具体的に解説します。
対象読者
・これから初めてホームページを作る方
・現在のツールを見直したい方
・用途に合った最適な選択肢を知りたい方
本書の読み方
各章でツールの特徴、向いているユーザー、注意点を説明します。まずは自分の目的(個人ブログ、会社サイト、ネットショップなど)を明確にし、その目的に合う章を中心にお読みください。
主要なホームページ作成プラットフォーム
以下では代表的な5つの作成プラットフォームについて、特徴と向いているユーザーを分かりやすく説明します。
Wix(ウィックス)
- 特徴: ドラッグ&ドロップの直感的な編集、豊富なテンプレート、アプリ市場で機能追加が可能です。
- 向いているユーザー: デザインを重視しつつ手早く公開したい個人や小規模店舗向け。専門知識がなくても使えます。
WordPress(ワードプレス)
- 特徴: 世界で最も普及するCMS。プラグインやテーマでほぼ無限に拡張できますが、別途サーバーと基本的な設定が必要です。
- 向いているユーザー: ブログや会員サイト、大規模なサイト運営を考える人。カスタマイズ性を重視する方に最適です。
STUDIO(スタジオ)
- 特徴: デザイン志向のビジュアルエディタで、レスポンシブ設計がしやすいです。コーディングなしで美しいサイトを作れます。
- 向いているユーザー: デザイナーやブランディングを重視する企業、ビジュアル重視のコーポレートサイト向け。
ペライチ
- 特徴: ランディングページや1ページ構成に特化。操作が単純で短時間で公開できます。
- 向いているユーザー: イベント告知やキャンペーン、商品紹介ページをすぐ作りたい方。
Jimdo(ジンドゥー)
- 特徴: 日本語サポートが充実。AIを使った簡単作成やテンプレートで初心者でも始めやすいです。
- 向いているユーザー: とにかく手軽に始めたい個人事業主や店舗。
選び方のポイント
- 目的: 情報発信か販売かで選び方が変わります。
- 予算と運用工数: 維持費や更新の手間を考えて選びましょう。
- 将来の拡張性: 機能追加やデザイン変更の可能性を見越して検討してください。
用途別の目安: 初心者はWixやJimdo、デザイン重視ならSTUDIO、本格運用や拡張性重視ならWordPress、短期の告知はペライチが向きます。
Wix(ウィックス)の特徴と向いているユーザー
概要
Wixはドラッグ&ドロップで直感的にデザインできるホームページ作成ツールです。900種類以上のテンプレートとアプリマーケットがあり、初心者でも短時間で見栄えの良いサイトを作れます。
主な特徴
- 編集の自由度が高い:要素を好きな場所に配置してデザインできます。具体例:写真ギャラリーをページ中央にドラッグするだけで反映されます。
- 豊富なテンプレート:業種別テンプレートが多く、飲食店、ポートフォリオ、イベント用ページに便利です。
- 機能拡張が簡単:EC、予約、ブログ、フォームなどをアプリで追加できます。小規模のネットショップや予約受付にも向きます。
- モバイル対応:スマホ表示を自動で最適化します。
向いているユーザー
- デザインにこだわりたい個人や小規模事業者
- 短期間で見栄えの良いサイトを作りたい人
- ECや予約など機能を手軽に導入したい店舗
注意点
- テンプレートを後から変更するとレイアウトが崩れる場合があります。初期設計をある程度決めておくと安心です。
- 高度なカスタマイズはコード知識が必要になります(Veloという開発機能があります)。
WordPress(ワードプレス)の特徴と向いているユーザー
概要
WordPressは世界で最も使われるCMS(サイト管理ツール)です。自由に機能や見た目を変えられるため、長く使う予定のサイトや大きなサイトに向いています。
主な特徴
- カスタマイズ性が高い:テーマやテンプレートを変えるだけで見た目を大きく変えられます。コーディングで細かく調整も可能です。
- 拡張性が高い:無数のプラグインで機能を追加できます。例:ネットショップならWooCommerce、予約機能や会員制もプラグインで実現します。
- 所有権と移行性:自分のサーバーにインストールするタイプが多く、データのコントロール性が高いです。
- SEOやコンテンツ運用に強い:記事管理やSEO対策用のツールが充実しています。
向いているユーザー
- 長期的に運用する事業者や企業
- 機能を追加して成長させたいサイト運営者
- 本格的なネットショップや会員制サイトを作りたい人
- 自由にデザインや動きを作りたい制作者
導入時の注意点
- 学習コスト:初期設定やテーマ・プラグイン選定に時間がかかります。
- 保守とセキュリティ:定期的なアップデートやバックアップが必要です。運用が苦手なら制作会社や保守サービスの利用がおすすめです。
- 費用の目安:レンタルサーバー費用+有料テーマやプラグインの費用が発生する場合があります。
導入の具体例
- ブログ、コーポレートサイト、ポートフォリオ
- ネットショップ(WooCommerce)
- 会員制サイトや予約サイト(専用プラグインを利用)
STUDIO(スタジオ)の特徴と向いているユーザー
概要
STUDIOは日本発のノーコードツールで、見た目の美しさと自由なレイアウトが特徴です。直感的な操作でデザインを組み立てられ、モダンなアニメーションも取り入れやすい作りです。機能は必要最小限に絞られており、見た目の洗練度を重視する人に向いています。
特徴(わかりやすく)
- デザインの自由度が高い:キャンバス上で要素を自由に配置できます。テンプレートに縛られずにオリジナルのレイアウトを作れます。
- アニメーションと表現力:スクロールやホバーで動く演出を簡単に追加できます。視覚的に印象づけたいページに向きます。
- ノーコードで操作可能:コードを書かずにデザインできるため、コーディングに自信がない方でも使いやすいです。
- 機能は限定的:高度なカスタマイズや専門的な拡張機能は少なめです。そのぶん学習は短く済みます。
向いているユーザー(具体例)
- ポートフォリオを作るクリエイター(写真家、デザイナーなど)。作品の見栄えを重視する方に最適です。
- 小規模な企業や個人事業主で、ブランドイメージを訴求したい場合。
- ランディングページやキャンペーンサイト。短期で見栄えの良いページを作るときに適します。
利用時の注意点
- 大規模サイトや複雑な機能を多用する場合は向きません。会員機能や大量データの管理が必要だと制約にぶつかることがあります。
- 外部サービスとの連携や高度なSEO設定は、他のツールに比べ制限されることがあります。導入前に必要な機能を確認してください。
- 表示速度やモバイルでの見え方は自分で検証しましょう。動きの多いデザインは読み込みに影響します。
まとめ代わりの一言(補助)
見た目の洗練度を第一に考える方に向くツールです。機能の多さよりデザインの自由を優先するなら、試してみる価値があります。
ペライチの特徴と向いているユーザー
特徴
ペライチは国産の1ページ構成(ランディングページ)作成に特化したツールです。テンプレートを選んでテキストや画像を入れるだけで、短時間に公開できます。スマホ表示に最適化されており、フォームや決済連携も可能です。
メリット
- 操作が非常に簡単で初心者でも使いやすいです。
- 公開までの時間が短く、キャンペーンやイベント告知に向きます。
- 無料プランから試せるため導入ハードルが低いです。
デメリット
- デザインの自由度は低〜中程度で、細かい調整が苦手です。
- 複数ページのサイト制作や高度な拡張機能には不向きです。
向いているユーザー
個人事業主、イベント主催者、期間限定のキャンペーンや商品紹介をしたい人におすすめです。短時間で分かりやすく情報を伝えたい場合に役立ちます。
利用の流れ(簡単)
テンプレート選択→コンテンツ編集→フォーム・決済設定→公開。画像と文章を準備しておくとスムーズに作業できます。
Jimdo(ジンドゥー)の特徴と向いているユーザー
概要
Jimdoはドイツ発のホームページ作成サービスです。AI(自動作成)機能が目立ち、質問に答えるだけでデザインや構成を提案します。最短で数分でサイトが作れ、初心者でも始めやすい点が強みです。
主な特徴
- AIによる自動作成:必要事項に答えると、適したレイアウトと文言を自動で配置します。例:店名と業種を入力するだけでトップページが完成します。
- 編集の簡単さ:ドラッグ&ドロップや直感的なメニューで修正できます。
- 基本機能が揃う:お問い合わせフォーム、SNS連携、画像・動画の配置が容易です。
操作の流れ(簡単ステップ)
- アカウント作成
- AI質問に回答(業種・目的・好みの色など)
- 提案されたデザインを確認・編集
- 公開
料金のポイント
無料プランで試せます。独自ドメインや広告非表示などは有料プランで対応します。
向いているユーザー
- 初めてサイトを作る個人や小規模事業者
- 操作に時間をかけたくない方
- シンプルな紹介ページや店舗ページをすぐ用意したい方
注意点
細かいデザイン調整や高度な機能(複雑なEC機能や大規模サイト)は制限があります。将来的に機能拡張を大きく考える場合は、他プラットフォームと比較検討してください。












