はじめに
この章では、本ドキュメントの目的と使い方を分かりやすく説明します。Googleサーチコンソールの「表示回数」を正しく理解し、SEO改善に役立てたい方に向けた入門的な案内です。
目的
「表示回数」の定義やカウント方法、確認手順、増減要因、活用法、ほかの指標との関係をまとめます。初心者でも実務で使えるよう、具体例を交えて丁寧に解説します。
対象読者
・サーチコンソールを使い始めた方
・SEOの基本を学びたい方
・サイトの検索流入を改善したい運営者や担当者
本ドキュメントの読み方
各章は独立して読めますが、全体を通すと理解が深まります。まずは第2章で「表示回数とは何か」を押さしてください。実践したい場合は第4章の手順を試し、データを見ながら第6章の活用方法を取り入れてください。
注意点
サーチコンソールのデータはGoogle検索での挙動を示します。アクセス解析と目的が異なるため、指標の意味を混同しないよう注意してください。必要に応じて後続章で詳しく説明します。
サーチコンソールの表示回数とは
定義
表示回数(インプレッション)とは、Googleの検索結果ページに自社サイトのページへのリンクが表示された回数を指します。ユーザーがそのリンクをクリックしたかどうかは関係なく、結果ページに掲載された時点で1回とカウントされます。
カウントされる条件
- 検索結果にURLやタイトルが表示された場合にカウントされます。
- 実際にユーザーがスクロールして見たかは問われません。
- 同じページが同じ検索結果内で複数回表示されても、通常は1回として扱われます。
なぜ重要か
表示回数が多いことは、Googleがそのページをある検索キーワードに対して適切と判断している証拠です。検索で見つかる機会が増えるため、長期的な流入増加につながります。
具体例
例えば「自転車 メンテナンス」で検索したときに自社ページが検索結果の3番目に出れば、その検索で1回の表示とカウントされます。クリックしなくてもカウントされるため、表示回数とクリック数の差から注力すべき改善点が見えてきます。
表示回数がカウントされるタイミング
検索結果にページが含まれたとき
表示回数は、検索結果ページに自分のページのURLが含まれた瞬間にカウントされます。画面上に見えているかどうかは関係ありません。たとえば検索結果が10件表示され、あなたのページが9位で一番下に出ていても1回とカウントされます。
スクロールの有無は関係ない
ユーザーがスクロールして実際にその結果を見たかどうかでカウントが変わることはありません。検索結果に“含まれる”だけでカウントされます。スマホで下にスクロールして初めて見える場合でも同様です。
掲載順位と検索ボリュームの差
一般に掲載順位が11位以下(2ページ目以降)だと、表示回数は検索ボリュームより少なくなる傾向があります。検索者は通常1ページ目を中心に見るためです。10位以内だと、検索ボリュームとほぼ同じ数値になることが多いです。
その他の注意点
・同じ内容の別URLがあると、どちらか一方に表示回数が集まる場合があります。
・リダイレクトや非公開設定のページは表示回数になりません。
・特集枠や画像枠に表示される場合も、その枠に自サイトが含まれればカウントされます。
表示回数の確認方法
基本操作手順
- Googleサーチコンソールにログインし、左メニューの「検索パフォーマンス」をクリックします。
- 上部の指標から「合計表示回数」を選択し、画面を下にスクロールします。データが表とグラフで表示されます。
集計視点の切り替え
- タブで「クエリ」「ページ」「国」「デバイス」「検索タイプ」を切り替えられます。サイト全体、ページ別、クエリ別で表示回数が確認できます。
- ページ別を選ぶと特定ページの表示回数を、クエリ別を選ぶと検索語ごとの表示回数を一覧で見られます。
フィルタと日付範囲
- 上部の「+新規」ボタンでページやクエリ、国、デバイスで絞り込めます。特定のURLだけ調べたいときはページで指定してください。
- 日付を指定して期間比較もできます。過去3か月や比較モードで増減を確認してください。
データの取り出しと注意点
- 右上のエクスポートでCSVやスプレッドシートに保存できます。分析や共有に便利です。
- 同じ表示が複数のクエリに紐づくことがあり、サイト全体とページ別・クエリ別で合計値が一致しない場合があります。またデータは反映に時間差があります。
簡単な確認のコツ
- まずサイト全体のグラフで大きな傾向を見て、次にページ別やクエリ別で原因を探す流れが効率的です。
- デバイス別や国別で差が出ることが多いので、必要に応じて切り替えて確認してください。
表示回数が急増・減少する要因
主な急増要因
- 検索順位の上昇:あるページが検索結果の上位(特に1〜10位)に入ると表示回数が大きく増えます。例:10位から3位に上がると表示回数が数倍になることがあります。
- 季節性・イベント:夏のレシピや年末のギフトのように時季に合った検索需要が急増します。
- トレンド・話題化:メディアやSNSで注目されるキーワードが一時的に検索を集めます。例:ドラマで紹介された商品名。
- SERPの仕様変更:リッチスニペットや画像カルーセルの表示で表示機会が増える場合があります。
主な急減要因
- 検索順位の低下:順位が下がると表示回数が減ります。ページのコンテンツ変更や競合の強化が原因です。
- インデックスの問題:ページがインデックスされなくなると表示がほぼゼロになります。noindexやrobotsの設定ミスが原因です。
- 技術的障害や手動対策:サイトのダウンやペナルティで表示が急減します。
- SERPの変更:検索結果に広告や別フォーマットが増え、自然検索の表示機会が減ることがあります。
確認のポイント(簡単)
- 表示回数が変化した日付を特定します。2. その期間のページ別・クエリ別データを調べます。3. コンテンツ更新・サイト設定・外部要因を順に確認します。具体例を一つずつ潰すと原因が見つかりやすいです。
表示回数の活用方法
表示回数は“検索エンジンの評価の窓口”
表示回数はGoogleがページをどのテーマで認識しているかを示す手がかりです。クエリごとに表示回数を確認すると、狙ったキーワードで表示されているかを直感的に把握できます。
具体的な確認と改善の流れ
- クエリごとの表示回数を見て、想定外のキーワードが多ければコンテンツを見直します。例えば「家庭菜園」に対して「土のpH」で多く表示されるなら、記事内の語句や見出しを調整します。
- 表示回数が多いがクリック率(CTR)が低い場合は、タイトルやスニペットを改善します。例:検索結果のタイトルに具体的な数字やメリットを入れるとCTRが上がることが多いです。
- 表示回数が少ないが対象キーワードで上位表示されている場合は、内部リンクや関連記事で露出を増やして育てます。
平均掲載順位との関係を意識する
平均掲載順位は表示回数で重みづけされます。表示回数の多いクエリの順位変動が全体の平均に大きく影響します。したがって、改善優先度は“表示回数×重要度”で判断すると効率的です。
実務での使い方(例)
- 新コンテンツの方向性決定:表示回数上位の関連クエリを洗い出し、ニーズに合う見出しを追加します。
- コンテンツ改訂の優先順位:表示回数とCTRの差が大きいものから手直しします。
- 月次レポート:表示回数の増減を基に施策の効果を評価します。
計測時の注意点
表示回数は数日で変動します。短期の変化に一喜一憂せず、2〜4週間単位で傾向を見てください。また、地域やデバイス別に見ると改善点が明確になります。
これらを日常的に確認すれば、限られたリソースで効率よく検索流入を伸ばせます。
表示回数とその他の指標との関係
表示回数とクリック数(CTR)
表示回数は検索結果にリンクが表示された回数、クリック数は実際に訪問が発生した回数です。CTRはクリック数÷表示回数で求めます。例えば1000回表示され50回クリックされたらCTRは5%です。表示回数が多いのにクリックが少ない場合は、タイトルやメタディスクリプションを分かりやすく、目を引く表現に変更してください。A/Bテストで比較するのも有効です。
平均掲載順位との関係
掲載順位が上がると表示回数とCTRは一般に増えます。ただし、ロングテールの語句では低順位でも表示されることがあります。重要なページは順位改善を優先し、効果の大きい語句を狙って最適化してください。
滞在時間・直帰率(エンゲージメント)
表示回数とクリックだけで満足せず、訪問後の行動も確認します。クリック後の滞在時間が短い、直帰率が高い場合は検索意図とコンテンツが合っていない可能性があります。見出しを明確にし、読みやすさや導線を改善してください。
コンバージョンとの関係
表示回数→クリック→セッション→コンバージョンという流れを意識します。表示回数が多くてもコンバージョンが低ければ、ランディングページやCTAを見直してください。信頼性の強化やフォーム簡略化が効果的です。
実践的な優先順位
- タイトル・メタの改善(CTR向上)
- 検索意図に合わせたコンテンツ修正
- ランディングページの改善でコンバージョン向上
- 内部リンクや構造化で掲載順位改善
これらを順に試して、表示回数と他指標のバランスをとってください。












