はじめに
本書は、Googleサーチコンソール(以下、サーチコンソール)の日本語環境での活用法をわかりやすくまとめたガイドです。使い方や初期設定、注意点に加え、新機能の日本語対応や日本語キーワードの分析手法まで扱います。
目的
サーチコンソールを通じて、自サイトの検索状況を正しく把握し、改善につなげることが目的です。例として「東京 カフェ」といった日本語検索キーワードの表示回数やクリック率を見て、記事改善に役立てます。
対象読者
ウェブサイト運営者、コンテンツ制作担当、SEOの初級〜中級者を想定します。専門用語は必要最低限にし、手順や具体例を示します。
本書の構成
第2章で基本機能の説明、第3章で日本語設定の重要性を解説します。続く章で新機能や検索パフォーマンス、フィルターやページ別分析、その他の主要機能を順に説明します。
まずはサーチコンソールを使って何を知りたいかを明確にすると、設定や分析がスムーズになります。
Googleサーチコンソールとは
概要
Googleサーチコンソール(通称サチコ)は、Googleが無料で提供するウェブサイト向けの分析ツールです。検索エンジンでの表示やクリック、掲載順位などを確認でき、ホームページの見直しや改善に役立ちます。日本では多くの検索がGoogleで行われるため、実用性の高いツールです。
主な機能と具体例
- 検索パフォーマンス:どのキーワードで表示され、何回クリックされたかを把握できます。例:『季節のレシピ』での表示回数や平均掲載順位を確認して、記事のタイトルを改善できます。
- カバレッジ(インデックス状況):どのページがGoogleに認識されているか分かります。例:新しい記事がインデックスされないときに原因を探せます。
- サイトマップ送信:サイト全体の構成を知らせることで、インデックスを促進できます。
- モバイルの使いやすさやセキュリティ問題の通知:スマホ表示やマルウェア警告を確認できます。
導入の流れ(簡単)
- サイト所有権を確認(HTMLファイルやタグで確認)
- サイトマップを送信
- 検索パフォーマンスやカバレッジを定期確認
利用のヒント
毎週一度、検索パフォーマンスの傾向をチェックし、クリック率が低いページはタイトルや説明文を見直しましょう。初心者でも使いやすい設計なので、まずは基本項目を押さえることをお勧めします。
日本語設定の重要性
言語設定が必要な理由
サーチコンソールを日本語で使うと、項目名やエラーメッセージを直感的に理解できます。英語表記だと意味を取り違えやすく、操作が遅くなります。特に初心者やチームでの共有時に差が出ます。
設定の確認と変更手順
- Googleアカウントの「個人情報」→「ウェブ向け全般設定」にアクセスします。
- 言語が「日本語」になっているか確認します。違う場合は日本語を選んで保存します。
- サーチコンソールに再ログインすると日本語表示になります。
よくあるトラブルと対処法
- 表示が混在する:ブラウザのキャッシュをクリアして再読み込みしてください。
- 他のメンバーだけ英語:アカウントごとの設定なので、各自で確認してもらいます。
日本語表示のメリット
- 設定ミスや誤解が減り、作業効率が上がります。
- 推奨事項や通知を見落としにくくなります。
新機能「推奨事項」の日本語展開
概要
2024年8月5日に追加された「推奨事項(Recommendation)」が、日本語表記で表示されるようになりました。日本での表示確認は2024年10月17日時点です。本機能はサイトの変化を短く伝える機能で、スマートフォンのハイライトに似た情報をPCでも見やすくします。
表示される内容
- サイトで見つかった問題や改善点を短い文で提示します。例:表示速度の低下、モバイル表示の不具合、構造の変更に伴う警告など。
- 各項目から詳細画面へ移動でき、該当ページや影響範囲を確認できます。
活用例
- 毎朝ダッシュボードを確認して、優先度の高い推奨事項から対応します。たとえば、重要なページで表示崩れが出た場合はまず修正します。
- チームで共有して対応履歴を追うことで再発防止に役立てます。
導入の意義と今後
短い通知で重要点を把握できるため、運用工数を減らせます。今後、日本向けの案内や項目が増え、さらに使いやすくなる可能性があります。必要に応じて、推奨事項から詳細レポートへ進んで原因を特定してください。
検索パフォーマンスの活用方法
検索パフォーマンスの概要
サーチコンソールの検索パフォーマンスは、検索結果・Discover・Googleニュースでの表示回数、クリック数、クリック率(CTR)、平均掲載順位を確認できます。検索クエリごとの数値も見られ、日々の改善に役立ちます。
主な指標と意味
- 表示回数:検索結果にページが表示された回数。需要のある語句を把握できます。
- クリック数:実際にユーザーがクリックした回数。流入の実績を示します。
- クリック率(CTR):クリック数÷表示回数で、タイトルや説明文の魅力を判断できます。
- 平均掲載順位:検索結果での平均的な位置。上げる施策の優先順位を決めます。
日本語キーワードを確認する手順
- 「検索パフォーマンス」を開く
- 対象を「検索結果」に設定(Discoverやニュースも切替可能)
- フィルタで「クエリ」を選び「新規」をクリック
- 条件で「(語句を含む/正確な語句)」を選び、日本語キーワードを入力
- 期間やデバイスを比較して変化を確認します
実務での活用例
- 対策キーワードの順位確認:定期的に順位とCTRを追い、改善効果を評価します
- タイトル変更の効果検証:変更前後でCTRとクリック数を比較します
- 新規ネタ発見:表示は多いがクリックが少ない語句を元に説明を改善します
注意点
クエリはサンプル表示のため全てが出るとは限りません。検索回数の少ない語句はブレが大きいので、期間を長めにして判断してください。
フィルター機能による詳細分析
概要
サーチコンソールは初期設定だと全世界の検索パフォーマンスを表示します。サイトの評価は国ごとに変わるため、国別フィルターで日本向けのデータに絞ることが大切です。
フィルターでできること
- クエリ(検索語)別の絞り込み
- ページ別、国別、デバイス別、日付別の組み合わせ
- 含む/除外を使った細かい条件設定
これにより、日本語キーワードの実際の表示回数やクリック率(CTR)を詳細に把握できます。
設定手順(例)
- サーチコンソールでプロパティを選ぶ
- 「パフォーマンス」へ移動
- 「+ 新しい」→「国」→「日本」を選択
- さらに「デバイス」や「クエリ」で条件を追加
活用のコツ
- 日付を比較して季節変動を見る
- インプレッションが多くCTRが低いクエリはタイトルやディスクリプションを改善
- ページフィルターでどのページが特定キーワードに貢献しているか確認
したがって優先順位を決めやすくなります。
注意点
フィルターを多用すると対象データが少なくなる場合があります。データ量が少ないと誤解を招く結果になるため、期間を広めに取ってから分析すると安心です。 しかし、目的に合わせて適切に絞り込むことが最も効果的です。
ページ別の詳細分析
ページを指定する方法
検索パフォーマンス画面の絞り込みバーで「ページ」を選び、正確なURLを入力します。例:https://example.com/sample-page。URLはプロトコル(http/https)や末尾のスラッシュも一致させてください。
検索キーワードの絞り込み
ページを指定したら「クエリ(検索語)」で絞り込みます。「正確一致」を選び、日本語キーワードを入力します。例:「無料レシピ」。これでそのページが特定の日本語検索でどう見えるかを確認できます。
期間の設定
デフォルトは過去3ヵ月です。日付を変更して短期や長期で傾向を比較できます。短期的変化を見たいときは2週間以上を目安に設定してください。
タイトル変更の効果検証
ページタイトルを変更した場合は比較タブでカスタム期間を指定し、変更前後を比較します。変更後は少なくとも2週間運用してから評価すると誤差が少なくなります。
実務上の注意点
・URLの表記ゆれ(末尾スラッシュ、パラメータ)に注意する
・表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位を合わせて見る
・必要ならデータをCSVで出力して細かく分析する
これらを順に確認すると、特定ページの日本語キーワードパフォーマンスをより正確に把握できます。
その他の主要機能
検索パフォーマンス
検索パフォーマンスは、どの検索語で何回表示され、何回クリックされたかを示します。期間やデバイス、ページ別に絞り込めます。例えば、表示回数は多いのにクリック率が低い場合は、タイトルや説明文(スニペット)を改善すると効果が出やすいです。具体的な数値を見ながら仮説を立て、A/B的に試してみてください。
URL検査
個別ページのインデックス状況やクロール時の問題点を確認できます。公開後すぐにライブテストを実行し、問題がなければインデックス登録をリクエストします。エラーがある場合は、修正後に再テストして結果を確認してください。これで誤ったnoindexやモバイル表示の問題を早期に発見できます。
インデックス作成(カバレッジとサイトマップ)
カバレッジレポートでインデックス状況とエラーを把握します。サイトマップを送信すると新しいページの検出が早まります。404や重複ページが多い場合はリダイレクトやcanonicalの見直しが必要です。したがって、サイトマップは定期的に更新しましょう。
主な指標(旧コアウェブバイタル)
以前の「コアウェブバイタル」は日本語で「主な指標」と表記されます。表示速度や視覚的安定性、入力応答性などを示し、ユーザー体験の改善点を教えてくれます。しかし、数値だけでなく実際の表示確認も大切です。
実用チェックリスト
- 週に一度、検索パフォーマンスを確認する
- 新規公開はURL検査でインデックス要求する
- カバレッジのエラーを優先的に修正する
- 主な指標で体感と数値を照らし合わせる
これらを組み合わせることで、サーチコンソールを日常的に活用できます。












