はじめに
Webサイトを運営する上で「サイトマップ」は検索エンジンにページを伝える大切な手段です。本記事は、サイトマップファイルの基本から作成方法、配置場所、そしてGoogle Search Consoleへの登録までをやさしく解説します。
この記事の目的
サイトマップの役割と種類を理解し、実際にXMLサイトマップを作れるようになることを目標にしています。WordPressプラグインや自動生成、手動作成の方法も具体例で示します。
対象読者
- 個人ブログや企業サイトの運営者
- サイト管理を始めたばかりの方
- 開発者で自動化を考えている方
本記事の構成(全7章)
- はじめに(本章)
- サイトマップとは
- XMLサイトマップファイルの基本的な書き方
- XMLサイトマップファイルの作成方法
- サイトマップファイルの配置場所
- テキストサイトマップの作成
- Google Search Consoleへのサイトマップ登録
各章は実践しやすい手順を中心に書いています。必要な箇所を順に読めば、初めてでもサイトマップを作成して登録できるようになります。
サイトマップとは
概要
サイトマップは、Webサイト内のページやファイルの一覧と関係性をまとめたファイルです。主に検索エンジン向けのXMLサイトマップと、訪問者向けのHTMLサイトマップの二種類があります。XMLは機械に読みやすく、HTMLは人に読みやすい形です。
種類と違い
- XMLサイトマップ:検索エンジン用。ページの優先度や更新日時を伝えられます。たとえば、ブログの各記事や商品ページのURLを列挙します。
- HTMLサイトマップ:ユーザー用。サイト内のページを一覧にして訪問者が目的のページを見つけやすくします。
なぜ重要か
検索エンジンはサイトをクロールしてページを見つけますが、すべてのページを自動で見つけられるとは限りません。XMLサイトマップを用意すると、新しく追加したページや深い階層のページも通知できます。たとえば、新商品ページをすぐに知らせたい場合に役立ちます。
具体例と注意点
- 例:ブログなら /sitemap.xml に記事URLを並べます。画像や動画を含めることも可能です。
- 注意:サイトマップを送れば必ずインデックスされるわけではありません。重複ページやクロール制限は別途対策が必要です。
XMLサイトマップファイルの基本的な書き方
概要
XMLサイトマップはGoogleが推奨する形式で作成します。ファイルの先頭でUTF-8エンコードを宣言し、タグで複数の要素を囲みます。各はページごとの情報を示します。
基本構造
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>...</url>
<url>...</url>
</urlset>
主なタグと使い方
- (必須):ページの絶対URLを入れます。例: https://example.com/page
- (任意):最終更新日。ISO形式(YYYY-MM-DD)で記載します。
- (任意):更新頻度の参考値。使用できる値は always, hourly, daily, weekly, monthly, yearly, never
- (任意):優先度を0.0〜1.0で指定します(例: 0.8)。
具体例
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-05-10</lastmod>
<changefreq>daily</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
注意点
URLは必ず正規(canonical)な絶対URLを使い、特殊文字は適切にエスケープしてください。日付はISO形式で統一するとクローラーが扱いやすくなります。
XMLサイトマップファイルの作成方法
方法1:sitemap.xml Editorなどのオンラインツール
- 手順:ツールを開き、サイトのURLを入力します。優先度(priority)、更新頻度(changefreq)、最終更新日時(lastmod)を必要に応じて設定し、生成ボタンを押します。生成後にsitemap.xmlをダウンロードしてサーバーのルートにアップロードします。簡単で初心者向けです。
方法2:WordPressプラグイン(例:Google XML Sitemaps)
- 手順:管理画面からプラグインをインストールして有効化します。設定画面で投稿タイプや優先度を決めるだけで自動生成します。更新時に自動でサイトマップを更新し、検索エンジンへ通知する機能があると便利です。
方法3:開発者向け(gulp-sitemapなど)
- 手順:Node.js環境でnpmからgulpとgulp-sitemapを導入します。ビルド時にHTMLファイルやルート一覧を読み取り、sitemap.xmlを出力するタスクを作ります。大規模サイトや自動化が必要な場合に向きます。
方法4:手動で作成する方法(URLが少ない場合)
- 手順:テキストエディタでXMLヘッダと、各要素を記述して保存します。基本は以下の形式です。
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-01</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
</urlset>
どの方法でも、生成後は必ず内容を確認し、サーバーに配置して動作をテストしてください。更新頻度に応じて再生成を行うと良いです。
サイトマップファイルの配置場所
基本はドメイン直下に配置
サイトマップは原則としてドメイン直下に置きます。たとえば https://example.com/sitemap.xml のようにします。多くの検索エンジンはこの場所を見に来るため、発見性が高くなります。
ドメイン直下に置く理由
- サイト全体のURLを網羅しやすい
- robots.txt や Search Console から連携しやすい
- パスが単純で管理が楽
ディレクトリごとに分割する場合の制限
ディレクトリごとにサイトマップを分けると、そのサイトマップには同じディレクトリ以下のURLしか含められません。たとえば https://example.com/blog/sitemap.xml に置くと、/blog/ 以下のURLのみ指定できます。ドメイン直下のURLや他のディレクトリのURLは含められません。
実例と確認方法
- 全体用: https://example.com/sitemap.xml
- 部分用: https://example.com/blog/sitemap.xml(/blog/ 以下のみ)
ブラウザでアクセスしてXMLが表示されるか、Google Search Console や curl コマンドでHTTPステータスを確認してください。
権限と公開設定
公開されるファイルなので、適切なアクセス権(読み取り可)に設定してください。認証が必要だと検索エンジンが読めません。
テキストサイトマップの作成
目的と特徴
テキストサイトマップは、1行に1つのURLだけを並べたシンプルなファイルです。XMLより簡単に作れ、Googleにそのまま送信できます。例: https://www.example.com/sitemap.txt
書き方(基本ルール)
- 各行に完全なURL(スキームを含む)を1つだけ書きます。
- 余分なコメントや空行は避けます。
- 文字コードはUTF-8にします。
例:
https://www.example.com/
https://www.example.com/about
https://www.example.com/blog/post-1
作成の手順
- テキストエディタで新規ファイルを作ります。
- 各ページのURLを1行ずつ追加します。
- UTF-8で保存し、ファイル名は sitemap.txt にすると分かりやすいです。
配置と追加の注意点
- できるだけサイトのルート直下(例: https://www.example.com/sitemap.txt)に置くと分かりやすいです。
- ファイルサイズやURL数の上限はXMLと同様で、1ファイルあたり最大50,000件・圧縮前で50MBです。多い場合は複数ファイルに分け、インデックスファイルかrobots.txtで指定します。
- 圧縮(gzip)して .txt.gz として配信可能です。
robots.txtでの指定例
robots.txtに次の行を追加するとクローラーが見つけやすくなります。
Sitemap: https://www.example.com/sitemap.txt
以上がテキストサイトマップの作り方です。シンプルなので初めての方でもすぐに用意できます。
Google Search Consoleへのサイトマップ登録
概要
作成したサイトマップをアップロード後、Google Search Console(以下GSC)で登録すると、Googleに構造を伝えやすくなります。ここでは手順とよくあるエラー対応をやさしく説明します。
手順
- サイトマップをサーバーへアップロード
-
例: https://example.com/sitemap.xml に置きます。サイトルート直下が分かりやすいです。
-
GSCにログインしてサイトを選択
-
ドメインプロパティかURLプレフィックスでサイトを選びます。所有権確認が済んでいない場合は、画面の指示に従って確認してください(HTMLファイル、メタタグ、DNSなど)。
-
「サイトマップ」メニューから登録
- 新しいサイトマップの欄に sitemap.xml のパス(またはフルURL)を入力し、「テスト」を実行します。
- テストで問題がなければ「送信」をクリックします。
テスト結果とエラー対応
- 404(見つからない): URLが誤っているかアップロードに失敗しています。パスを確認して再アップロードしてください。
- XML構文エラー: サイトマップが正しいXML形式か検証ツールで確かめ、修正します。
- robots.txtでブロック: robots.txtの記述を見直し、Googleに読み取りを許可してください。
送信後の確認と注意点
- GSCの「送信済み」欄でステータスと最終取得日を確認します。発見されたURL数とインデックス数に差がある場合は、カバレッジレポートで原因を調べます。
- サイトマップは更新ごとに再送信できます。noindexページは含めない、正規URLを登録するなど基本を守ってください。












