はじめに
調査の目的
本調査は「aws サポート 料金」に関する情報を分かりやすく整理することを目的とします。AWSのサポートプラン種類や料金体系、追加の課金項目、そして料金に影響する要素を順を追って解説します。
対象範囲
- AWSサポートの5つの主要プラン
- 料金の計算方法と変動要因
- Trusted AdvisorやRDS延長サポートなどの追加料金
- 無料プランの刷新やコスト削減キャンペーンに関する解説
想定読者
AWSを利用中の技術者、コスト管理を担当するご担当者、これから導入を検討する企業のご担当者向けです。専門用語は最小限にし、具体例を交えて説明します。
本書の構成
全8章で構成します。第2章でプランの基本、第3章で料金の仕組み、第4章以降で各種追加費用や最新の動向、最後にまとめを掲載します。各章で実践的なポイントと注意点を提示します。
AWSサポートの基本構造と5つのプラン
概要
AWSは利用者のニーズに応じて5つのサポートプランを用意しています。ベーシックは無料、それ以外は有料で、料金と提供内容が段階的に増えます。ここでは各プランの特徴と、どのような場合に適するかを具体例で説明します。
各プランの特徴
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ベーシック(無料):アカウント管理や請求に関するサポートが中心です。技術的な電話サポートは付きません。個人利用や学習用途に適します。
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デベロッパー:開発や検証段階の小規模なプロジェクト向けです。営業時間内の技術サポートが受けられ、料金は比較的安価です。例:社内の試作環境。
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ビジネス:本番運用を想定する中小〜大規模環境向けです。24/7の技術サポート、より短い初動対応時間、Trusted Advisorの主要チェック項目が利用可能になります。例えば、ECサイトの本番運用をしているチームに向きます。
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エンタープライズ On‑Ramp:エンタープライズ向けの入り口的なプランで、より手厚いサポートを段階的に受けたい組織向けです。ビジネスプランより追加の運用支援が付きます。
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エンタープライズ:専任のTechnical Account Manager(TAM)やインフラ設計支援、イベント時のハンドリングなど最も手厚いサービスを受けられます。大規模な本番環境やミッションクリティカルなシステムに適します。
料金の考え方と選び方の目安
サポート料金は月額固定型に加え、利用料ベースで算出される場合があります(請求額の割合など)。小さく始めるならデベロッパーやベーシック、大きな運用や高可用性が必要ならビジネスやエンタープライズを検討してください。
具体的な選択例
- 個人の学習:ベーシック
- スタートアップの商用リリース:ビジネス
- 金融機関や大手サービス:エンタープライズ
以上がAWSのサポート基本構造と5プランの概要です。必要に応じて各プランの細かい機能や料金例を次章で説明できます。
料金の変動メカニズム
仕組みの概略
各サポートプランの料金は、月ごとのAWS利用料(請求対象となるサービスの合計)に応じて変動します。プロバイダは「最低請求額」を設定しており、利用料が少ない月でもその金額が下限になります。利用が増えるとサポート料金も増加します。
最小請求額の意味
最小請求額は、利用がわずかな月に支払う最低限の対価です。運用開始直後やテスト環境で利用が少ない場合、この最低額が請求されます。企業側は、短期利用でもサポートコストを見込みやすくなります。
変動する要素
- 月間のAWS使用料(高いほどサポート費用が増える)
- プランごとの課金ルール(固定額+使用率や階層式など)
- 請求期間内の急激な利用増加
簡単な数式と例
一般的な考え方は「請求額=max(最低請求額, 利用料×割合)」です。
例:もしサポートが利用料の5%と定められているなら、月の使用料が10万円ならサポートは5,000円、使用料が1万円なら500円ですが、最低請求額が1,000円なら後者は1,000円となります。
運用時の注意点
- 月ごとの変動に備えて予算に余裕を持ちます。
- 大きく増える月がある場合は、想定より高いサポート費が発生します。
- 請求明細を定期的に確認し、ルールの違い(固定+割合など)を把握します。
AWS Trusted Advisorと料金の関係
概要
AWS Trusted Advisor(以下、Trusted Advisor)は、アカウントの設定やリソース状況を点検し、コスト最適化やセキュリティ、パフォーマンスの改善点を示すツールです。単体で別途料金が発生するものではなく、サポートプランに含まれて提供されます。
Trusted Advisorは単体での課金はないが機能差がある
Trusted Advisor自体に個別の課金はありません。ただし、利用できるチェック項目や詳細なレコメンデーションは、契約しているサポートプランによって異なります。全機能を使うには有料プランへの加入が必要です。
チェック項目とプランの違い(例)
- 無料または低位プラン:基本的なセーフティチェックやサービス制限の通知など、限定的な項目。
- 有料プラン:コスト最適化(未使用インスタンス、未アタッチのボリューム、リザーブド化候補など)や詳細な構成診断が使えます。
料金にどう影響するか(具体例)
- 未使用インスタンスの検出で停止・解約すれば月額が下がります。
- リザーブドインスタンスやSavings Plansの提案を採用すれば長期の割引が得られます。
Trusted Advisorは提案を出す役割で、実際の削減は利用者の対応によります。
利用方法と注意点
ConsoleのTrusted Advisor画面やAPIでレポートを確認します。提示される項目は優先度が付くため、まずコストやセキュリティに直結する項目から対応すると効率的です。提案を実行する前に、その変更がシステム運用に与える影響を必ず確認してください。
Amazon RDS 延長サポート料金
延長サポートとは
Amazon RDSの標準サポート期間が終了した後も、セキュリティパッチや重要な修正を受け続けるための有償サービスです。サービスを継続する場合は延長サポート料が発生します。
料金の仕組み
延長は年単位で契約します。一般に、初年度と2年目は通常料金ですが、3年目には料金が2倍になります。課金はインスタンス単位やバージョン単位で発生する点に注意してください。
アップグレード時の課金ルール
サポート対象バージョンにアップグレードする際、既に延長契約中のバージョンがあるときは課金の取り扱いが変わります。例えば、延長対象の旧バージョンから新バージョンへ移行しても、新バージョンがまだ延長対象であれば延長料が継続して発生することがあります。逆に、サポート中の最新バージョンへ移行すれば延長料が不要になる場合もあります。
具体例と注意点
・延長はバージョンごとに設定されるため、複数バージョンを同時運用する場合は合算で費用がかかります。
・契約更新のタイミングで料金が変わることがあるため、事前にAWS管理画面で明細を確認してください。
運用計画に合わせ、延長の必要性とコストを早めに検討するとよいです。
2025年の最新情報と無料プラン刷新
概要
2025年7月16日、AWSは新規ユーザー向けに無料プランを刷新しました。新プランは最大6ヶ月間、最大200ドル分のクレジットの範囲内で利用できます。検証や学習、短期の試験環境に向く設計です。
主なポイント
- 対象:新規アカウントに限定されます。
- 期間と額:最長6ヶ月、合計で最大200ドルのクレジットが付与されます。
- 目的:短期間でのサービス確認やPOC(概念実証)に適しています。
利用時の注意点
- クレジットの適用範囲や除外されるサービスがある可能性があるため、初期画面で適用条件を必ず確認してください。利用超過分は課金されます。
- クレジットは期間内に消費されなければ無効になります。継続利用する場合は、有料プランへの移行やリソース削減を計画しましょう。
- 請求アラートや予算設定をすぐに有効化して、想定外の課金を防いでください。
活用のコツ
- 目的を明確にし、短期の実験・学習に絞る。長期運用は別途見積りを取ります。
- 必要最小限の構成で検証を行い、不要なリソースは速やかに停止・削除します。
- モニタリングとアラートを設定して、使用量がクレジット残高に近づいたら通知を受け取るようにします。
- 期間終了前にデータのバックアップや移行先を決めておくとスムーズです。
この刷新により、新規利用者は短期的にAWSを試しやすくなりました。費用管理をしっかり行えば、学習や検証のコストを抑えつつ有効に活用できます。
コスト削減キャンペーン情報
キャンペーン概要
AWS請求代行サービスを利用すると、2025年10月までの期間でAWS利用料が10%〜20%割引になるキャンペーンが提供されます。条件を満たせばエンタープライズサポートが無料になる場合があり、合計で最大月額27%のコスト削減が可能です。
割引の適用例(具体例)
- 月額利用料が100万円の場合:
- 10%割引で90万円(差額10万円)
- 20%割引で80万円(差額20万円)
- さらにエンタープライズサポート(例:月額7万円相当)が無料になると、合計で最大27%程度の削減が現実的です。
適用条件と手順
- 請求代行業者と契約します。契約内容に割引率と適用期間(〜2025年10月)を明記します。
- 請求の移行手続きを行い、請求アカウントが代行業者へ切り替わることを確認します。
- サポートプランの適用可否を確認し、必要な場合は無料化の条件(利用実績や契約金額)を満たします。
注意点と確認項目
- 割引は対象サービスや契約条件で変わります。すべてのサービスが同率で割引されるわけではありません。
- 長期的に見ると、割引と引き換えに契約期間や最低利用額が発生することがあります。
- 既存のReserved InstancesやSavings Plansとの兼ね合いを確認してください。割引が重複して期待通りに適用されない場合があります。
実務上のおすすめ
- 見積もりを複数の業者から取り、総コスト(割引後+付帯費用)で比較してください。
- 契約書の割引根拠、終了時の取り扱い、サポートの範囲を明確にしておきます。
- 小規模ならまず短期契約で試し、効果を確認してから長期化することをおすすめします。
以上がコスト削減キャンペーンの主なポイントです。具体的な割引適用は業者ごとに異なるため、契約前に詳細を必ず確認してください。
まとめ
要点の整理
- AWSサポート料金は、基本的に5つのプランとAmazon RDSの延長サポート料金で構成されます。利用状況と求めるサポートの深さで最適なプランが変わります。
選び方の指針
- ビジネスの重要度と障害許容度を明確にします。短時間での復旧が重要なら上位プランを検討します。
- 月次・年次のクラウド利用料とサポート費の比率を試算します。コスト対効果を見て決めます。
- RDS延長サポートが必要か確認します。データベースの稼働形態で費用が変わります。
- 2025年の無料プラン刷新やコスト削減キャンペーンを活用し、初期負担を抑えます。
実務上の注意点
- Trusted Advisorの推奨事項や請求アラートを定期的に確認します。
- 大規模利用や長期契約なら営業窓口に相談すると追加割引や条件調整が得られる場合があります。
- 料金体系は変わることがあるため、定期的に見直して最適化してください。
以上を踏まえ、業務要件と予算を照らし合わせて柔軟にプランを選択してください。












