はじめに
このドキュメントでは、Google向けのXMLサイトマップの作成方法をわかりやすく解説します。サイトマップの役割や手動での作り方、自動ツールやWordPressプラグイン、Node.jsでの生成方法、そしてGoogle Search Consoleへの送信手順まで、実務で役立つ内容を網羅しています。
目的
XMLサイトマップは、検索エンジンにサイト内のページを一覧で伝えるファイルです。新しく作ったページや、普段クロールされにくいページを見つけてもらいやすくなります。たとえば、記事が多いブログや商品が多数あるECサイトで効果を発揮します。
想定読者
・サイト運営者や初心者のウェブ担当者
・開発者やSEOを学び始めた方
専門知識がなくても理解できるよう、手順は具体例を交えて説明します。
本書の使い方
第2章で概要と重要性を説明し、第3章で具体的な作り方を紹介します。第4章でGoogle Search Consoleへの登録方法を解説し、第5章で作成時の注意点とベストプラクティスをまとめます。章ごとに手を動かしながら進められる構成です。
XMLサイトマップの概要と重要性
XMLサイトマップとは
XMLサイトマップは、サイト内のページURLを一覧にしたファイルです。検索エンジンに対して「どのページがあるか」「最後に更新した日時」などを伝えます。人が見るページとは別の機械向けの地図と考えてください。
なぜ重要か
検索エンジンはサイトを巡回(クロール)して情報を集めます。サイトマップを用意すると、見つけにくいページや新しく追加したページを効率よく検出してもらえます。特にページ数が多いサイトや更新頻度が高いサイトで効果が出やすいです。
小規模サイトと大規模サイトでの違い
小規模サイトでは、数ページをリストするだけで十分です。例えば個人ブログなら主要な記事とカテゴリを登録します。大規模サイトでは、数千~数万のURLを扱い、カテゴリーや画像、動画などを細かく分けて管理します。
主な利点と具体例
- 新しい記事や商品を早く見つけてもらえる(例:新商品を追加したECサイト)。
- 重要度や更新頻度を伝えられる(例:頻繁に更新するニュース欄)。
- 画像や動画を含めると、メディアの検索表示にも役立ちます。
よくある誤解
サイトマップを送れば必ず上位表示されるわけではありません。検索エンジンがクロールしやすくなる手段の一つと理解してください。
XMLサイトマップの作成方法
手動での作成
まずGoogle推奨の基本フォーマットに従います。最低限必要な要素はと、です。例えば:
<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>https://example.com/</loc>
<lastmod>2025-01-01</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>0.8</priority>
</url>
</urlset>
lastmod等は任意ですが、更新日時を入れると検索エンジンが理解しやすくなります。ファイル名は通常sitemap.xmlとし、サイトのルートに置きます。
自動生成ツール(sitemap.xml Editor)
初心者向けのツールです。URLを貼り付けるかサイトをクロールして一覧を作り、エクスポートでXMLが得られます。操作は直感的で、設定画面から頻度や優先度を一括指定できます。
WordPressでの自動生成(Google XML Sitemapsプラグイン)
プラグインをインストールして有効化します。設定画面で投稿タイプや優先度を選ぶだけで自動生成されます。更新ごとに自動で再生成されるため手間が省けます。
Node.js環境(gulp-sitemap)
静的サイトやビルド工程で利用します。導入手順の例:
- npmでインストール: npm install –save-dev gulp-sitemap
- gulpfileにタスクを追加してHTMLファイルからサイトマップを作成します。短い例:
const gulp = require('gulp');
const sitemap = require('gulp-sitemap');
gulp.task('sitemap', function () {
return gulp.src('dist/**/*.html', {read: false})
.pipe(sitemap({siteUrl: 'https://example.com'}))
.pipe(gulp.dest('./dist'));
});
ビルド後にdistにsitemap.xmlが出力されます。
どの方法でも基本フォーマットを守ることが重要です。サイトの規模や更新頻度に合わせて手動・自動を選んでください。
Google Search Consoleへの送信方法
前提
Google Search Consoleにサイトを登録し、所有権を確認していることを前提とします。プロトコル(http/https)やwwwの有無でプロパティは別扱いです。したがって正しいプロパティを選んでください。
手順
- GoogleアカウントでSearch Consoleにログインし、該当のプロパティを開きます。
- 左メニューから「サイトマップ」をクリックします。
- 「新しいサイトマップの追加」欄にサイトマップのパスを入力します。例: sitemap.xml や sitemap_index.xml(フルURLは不要)。
- 「送信」ボタンを押します。送信はすぐ完了し、一覧に追加されます。
送信後の確認ポイント
- ステータス:送信直後は処理中となることがあります。読み込み日時とステータスを確認してください。
- URL数:送信したサイトマップに含まれるURLの数を確認できます。Search Consoleはクロール可能なURLのみをカウントします。
よくあるエラーと対処
- 404やアクセス不可:サイトマップのパスが間違っていないか、公開されているか確認します。
- robots.txtでブロック:Search ConsoleのURL検査やrobots.txtを確認してブロックを解除します。
- フォーマットエラー:XMLの構文やエンコーディング(UTF-8)を確認します。
- サイズ/件数制限:1ファイルにつき最大50,000 URL・50MBです。超える場合はサイトマップインデックスで分割してください。
更新と再送信のタイミング
Search Consoleは定期的にサイトマップを読み込みますが、重要な更新を行ったときは手動で再送信できます。大幅な構成変更後やエラー修正後は再送信して確認してください。
XMLサイトマップ作成時の注意点
サイトマップのサイズと件数の上限
- 1ファイルあたり最大50,000件・最大50MB(非圧縮)です。超える場合は複数ファイルに分けます。例:120,000件なら sitemap1.xml(50,000)・sitemap2.xml(50,000)・sitemap3.xml(20,000)を用意し、sitemap_index.xmlでまとめます。
- ファイルはgzip圧縮(.xml.gz)できます。圧縮後のサイズに気を取られず、非圧縮での上限を満たさないように分割してください。
複数ドメインやサブドメインの扱い
- ドメインごとにサイトマップを作成します。例:example.com と blog.example.com は別ファイルにします。
- 各ドメインで同じ構成を保ち、Sitemapインデックスで整理すると管理が楽になります。
noindexや不要ページを含めない
- noindex が設定されたページや検索結果ページ、重複ページは除外します。例:/search?q=〜 や内部のデバッグページなど。
- サイトマップには「検索エンジンに登録してほしいページ」だけを列挙します。
URL表記の統一(正規化)
- http/https、wwwの有無、末尾スラッシュなどを統一します。サイト内リンク・canonicalタグ・リダイレクトと合わせて同じ形式を使ってください。
- 例:https://example.com/ を正と決めたら、サイトマップと内部リンクもすべて https://example.com/ に統一します。
ファイル配置と公開方法の注意
- sitemap.xml はサイトのルートや robots.txt で参照できる場所に置きます。robots.txt に Sitemap: https://example.com/sitemap_index.xml を記載すると良いです。
- 作成後はSearch Consoleで送信し、エラーを確認して修正してください。












