はじめに
この記事の目的
本記事は、ホームページの閲覧数(アクセス数)を正しく確認し、改善につなげるための実用ガイドです。特にGoogleアナリティクス4(GA4)を使った具体的な手順と、理解しておくべき主要指標の見方を分かりやすく説明します。
誰に向けた記事か
- 個人でサイトを運営している方
- 中小企業や店舗のWeb担当者
- ブログやメディアのアクセスを改善したい方
専門用語をなるべく抑え、初めてGA4を触る方でも読み進められる構成にしています。
この記事で学べること(全体の流れ)
- アクセス数の基本定義と測り方
- アクセスを構成する主要な指標(例:ユーザー数、セッション、ページビュー)
- GA4の初期設定と準備
- サイト全体のアクセス確認手順
- ページごとのアクセス確認方法
- 期間指定での分析方法
読み方のポイント
章ごとに手順と補足を示します。まずは第2章で用語と測定の基本を押さしてください。具体的な操作は第4章以降で丁寧に解説します。
アクセス数の基本定義と測定ツール
はじめに
ホームページの「アクセス数」とは、ユーザーがサイトに訪れた回数やその行動を数値化したものです。定義を理解すると、どのデータを見ればよいかが分かります。
アクセス数の基本的な定義
- ユーザー数:サイトを訪れた人数(同一人物を同一端末で複数回訪れても区別される場合あり)。
- ページビュー(PV):ページが表示された回数。例:同じ人が3ページ見ればPVは3。
- セッション:一定時間内の訪問のまとまり。30分以上操作がなければ新しいセッションとカウントされます。
測定ツールの選び方
無料で扱いやすいものとしてGoogleアナリティクス4(以下GA4)をおすすめします。導入が簡単で、訪問元や使用デバイス、行動などを幅広く取得できます。ほかにも有料ツールや独自解析がありますが、まずはGA4で十分です。
GA4で得られる主な情報(例)
- どのページが人気か(人気ページの確認)
- 誰がどこから来たか(参照元や地域)
- 使用デバイス(スマホ・PC)や滞在時間
導入の簡単な流れ(例)
- GA4アカウントを作成
- プロパティを設定
- サイトにトラッキングタグを設置(CMSならヘッダーに貼るだけ)
- データが入るか確認
注意点
プライバシー対応(同意取得)やデータが反映されるまでの時間に注意してください。
アクセス数を構成する主要な3つの指標
1. PV(ページビュー)
PVはページが閲覧された回数です。ページを開くごとに1カウントされるため、一人が同じページを何度も見ればそのぶん増えます。たとえば、記事を3回読み返したらPVは3増えます。サイトの人気度やコンテンツごとの注目度をざっくり把握するときに便利です。
2. セッション(訪問)
セッションは「ひと続きの訪問」を意味します。サイトに来てから離脱するまでを1回と数えます。短時間で複数ページを見ればセッションは1のままですが、時間を置くと再度セッションが始まります。ユーザーの行動のまとまりを分析するときに役立ちます。
3. ユーザー(人数)
ユーザーはサイトを訪れた人の数です。同じ人が繰り返し来ても識別できれば1人としてカウントされます。新規ユーザーとリピーターの比率を知る際に重要です。
指標の関係と使い分け
一般に「PV > セッション > ユーザー」という順になります。PVは閲覧回数、セッションは訪問のまとまり、ユーザーは実際の人数を示します。PVが高い=多く読まれている、セッションが多い=訪問回数が多い、ユーザーが多い=新しい人に届いていると解釈できます。
実務での注意点
・短時間のリロードや自動更新でPVが増えることがある。
・同一端末・ブラウザを基にカウントするため、端末やCookieの影響でユーザー数が過少・過大になる場合がある。
・目的に応じて指標を選び、複数の指標を組み合わせて判断してください。
GA4の初期設定と準備
はじめに
GA4を使い始めるには、アカウント作成とサイト側へのタグ設置が必要です。ここでは順を追って、迷わず進められる手順をわかりやすく説明します。
ステップ1:アカウントとプロパティの作成
- アカウント名:会社名や運営サイト名を入力します(例:example株式会社)。
- プロパティ名:分析対象のサイト名やサービス名にします(例:exampleサイト)。
- タイムゾーン・通貨:レポートの表示が正しくなるので正確に設定します。
- サイトURL:https://example.com のように正しい形式で入力します。
ステップ2:データストリームと計測IDの取得
Webデータストリームを作成すると「計測ID(G-XXXXXXX)」が発行されます。これはサイトに貼るタグを特定する大切な番号です。
ステップ3:トラッキングコードの設置(例)
・方法A:直接HTMLに貼る
head内に公式のタグを貼ります。CMSを使う場合はヘッダー設定に貼るだけで反映します。
・方法B:Googleタグマネージャー(GTM)を使う
GTMのコンテナに計測IDを設定すれば、複数タグの管理が楽になります。
ステップ4:設置後の確認と初期設定
・リアルタイムレポートで自分のアクセスが反映されるか確認します。
・内部トラフィックの除外:自社のIPや社員のPCを除外します。例:社内IPを指定。
・「拡張計測(Enhanced Measurement)」を有効にすると、ページビュー以外のイベントも自動で取れます。
・必要に応じて、Search Console連携やコンバージョン設定を行います。
注意点
タグを入れても即座に過去データは得られません。タグ設置後にデータ収集が始まりますので、設定が終わったら数時間〜数日待って確認してください。
サイト全体のアクセス数を確認する手順
概要
GA4でサイト全体のPV(アクセス数)を確認する基本手順を、画面操作を追う形で説明します。具体的な例を交え、迷いやすい点も補足します。
手順(画面操作)
- 左側メニューの「レポート」をクリックします。
- 「エンゲージメント」→「イベント」を選びます。
- イベント一覧から「page_view」をクリックします。
- ここで表示される件数がサイト全体のPVに相当します。期間は画面右上の期間指定で変更できます(例:過去30日)。
ユーザー概要の確認
- 左側メニューの「ユーザー」→「概要」を開くと、ユーザー数や新規ユーザー、平均エンゲージメント時間など複数の指標を同時に確認できます。
- たとえば「過去30日」と比較期間を設定し、変化を確認すると傾向が分かりやすいです。
便利な操作と注意点
- 表示をCSVやGoogleスプレッドシートにエクスポートできます。画面上部のエクスポートボタンを使ってください。
- 社内アクセスやボットを除外しないと数値が上振れすることがあります。必要ならフィルタや除外設定を行ってください。
- リアルタイムで確認したいときは「レポート」→「リアルタイム」を利用します。
補足
- GA4はイベントベースの仕組みなので、PV集計は「page_view」イベントが基準です。表記や場所が変わることがあるため、メニューが見当たらない場合は画面内検索で“page_view”を検索してください。
ページごとのアクセス数を確認する方法
はじめに
特定のページがどれだけ見られているかを知ると、改善点が見えてきます。ここではGA4の基本的な確認手順と、よく使う操作を丁寧に説明します。
方法1:レポートから確認(推奨)
- GA4の左メニューで「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」をクリックします。
- 表示される表の中の「ページパスとスクリーン クラス」を探します。
- 「表示回数」の列でページごとのアクセス数(ページビュー)を確認できます。右の「ユーザー数」列でそのページを見たユニークユーザー数も分かります。
- 表の上部にある検索欄に特定のURLやページタイトルを入れて絞り込みできます。
方法2:行動メニューから確認(別の見方)
- メニューで「行動」→「サイトコンテンツ」→「すべてのページ」を開きます。
- 各ページURLごとにページビューや訪問数を一覧で確認できます。表をクリックして詳細を掘り下げたり、ソートして上位ページを絞れます。
コツと注意点
- 「表示回数」は同じユーザーが何度見てもカウントされます。「ユーザー数」は重複を除いた人数です。
- 表はCSVやPDFでエクスポートできます。レポート上部のエクスポートボタンを使って保存してください。
- 日付範囲は画面右上で変更します。特定期間の傾向を見たいときはここを必ず設定してください。
第7章: 期間を指定してアクセス数を分析する方法
手順(基本)
- GA4で「レポート」を開きます。画面右上の「過去28日間」をクリックします。
- カレンダーで開始日と終了日を選び、「適用」を押します。これで任意の期間のアクセス数が表示されます。
過去期間との比較
- 日付選択画面で「比較」をオンにすると、前期間や前年同時期と並べて見られます。増減率や傾向を把握しやすくなります。
メニュー別の確認場所
- 「ユーザー」→「概要」:訪問者数や新規ユーザーを確認します。
- 「集客」:流入元ごとの比較ができます。
- 「行動」:ページごとのPVや離脱率を見ます。
具体的な使い方の例
- 月次分析:月初〜月末を指定して月間PVを比較します。
- キャンペーン効果:キャンペーン期間を設定し、流入とコンバージョンを確認します。
注意点とコツ
- 範囲が短すぎると変動が大きく出ます。最低でも1週間〜1か月単位で見ると傾向が分かりやすいです。
- 季節要因や祝日が影響するため、前年同期間と比べると正確です。
- 必要に応じてデータをCSVでエクスポートし、スプレッドシートで詳細に分析します。












