はじめに
目的
本書は、iPhoneでWebページをPDF形式に変換し保存する方法を分かりやすくまとめたガイドです。iOS標準機能とサードパーティアプリの双方を取り上げ、それぞれの特徴や使いどころを紹介します。
対象読者
iPhoneで記事や領収書、レシピ、学習資料などを保存したい一般の方を想定しています。専門知識は不要で、基本操作だけで実行できる手順を重視します。
本書の構成（全6章）
第1章: はじめに（本章）
第2章: iPhoneでWebサイトをPDF化する主な方法
第3章: PDF化したファイルの保存と管理
第4章: その他のPDF化方法とおすすめアプリ
第5章: 写真やスキャンアプリとの組み合わせによるPDF化
第6章: まとめ
PDF化のメリット
- オフラインで閲覧できる
- 文字やレイアウトが固定されるため印刷や共有に便利
- 注釈やハイライトを付けやすい
注意点と準備
プライバシーや著作権に留意してください。ファイルサイズや保存先（iPhone本体、iCloud、他サービス）も事前に考えておくと後で管理が楽になります。
iPhoneでWebサイトをPDF化する主な方法
概要
iPhoneでWebページをPDFにする方法は主に4つあります。目的や保存先によって使い分けると便利です。
方法1: Safariの標準機能で保存
手順:
1. Safariでページを開く
2. 共有ボタンをタップ
3. 「PDFにする」や「プリント」を選び、プリント画面で拡大してPDF化
長所: 追加アプリ不要で高速。ページ全体をそのまま保存できます。
短所: 広告や不要な要素もそのまま残る場合があります。
方法2: スクリーンショット（フルページ）
手順:
1. スクリーンショットを撮る（電源＋音量上など）
2. 左下のサムネイルをタップ
3. 「フルページ」を選び、PDFとして保存
長所: 長い記事も1枚のPDFに。簡単に注釈を付けられます。
短所: レイアウトが画像扱いになるため、テキスト検索や選択ができません。
方法3: マークアップ機能で保存
手順:
1. 共有メニューから「マークアップ」を選択
2. 注釈や切り取りを行い「ファイルに保存」等でPDF化
長所: ページに直接メモや強調を加えられます。
短所: 元のHTMLに戻せず、編集は画像ベースになることがあります。
方法4: サードパーティアプリを使う（例: Web to PDF Converter & Reader）
特徴: 広告除去（クラッターリムーバー）や複数ページ結合、OCRなどが使えます。手順はアプリごとに異なりますが、URLを貼るか共有メニューから送るだけでPDF化できます。
長所: きれいなレイアウトや軽いファイルを作成しやすい。テキスト抽出や管理機能が充実する場合があります。
短所: アプリの権限やプライバシー設定を確認してください。
補足のコツ
- 長文や引用はスクロールしてフルページ保存が便利です。
- テキスト検索やコピーが必要ならSafari標準や専用アプリを使うと良いです。
PDF化したファイルの保存と管理
保存場所の基本
iPhoneで作ったPDFは、標準の「ファイル」アプリに保存されます。保存時にフォルダを選べるので、iPhone内（このiPhone内）かiCloud Driveのどちらかを選びます。iCloudを使うと他のApple製デバイスでも同じファイルが見られます。
保存手順（簡単）
- ページをPDF化して共有ボタンを押します。
- 「ファイルに保存」を選び、フォルダを指定して保存します。名前は入力できます。
フォルダと名前付けのコツ
サイト名や作成日を入れると探しやすくなります。例えば「サイト名_2025-06-01.pdf」のようにすると後で並べ替えが簡単です。用途別にフォルダを作ると整理しやすいです。
タグ・検索・並べ替え
「ファイル」アプリのタグを使うと、複数フォルダにまたがる管理が楽になります。検索バーにキーワードや日付を入れるとすぐ見つかります。並べ替えは名前・日付・サイズで切り替えられます。
プレビューと注釈
ファイルアプリでPDFを開き、マークアップ（ペン・ハイライト・テキスト挿入）で注釈できます。完了したら上書き保存されます。
共有・書き出し
共有ボタンからメールやメッセージ、AirDropで送れます。別のクラウドサービスに置きたい場合は「共有」→対応アプリを選んでエクスポートしてください。
バックアップと復元
iCloudを有効にすると自動で同期されます。誤って消した場合は「最近削除した項目」から復元できます。ローカル保存のままにすると他デバイスから見えないので注意してください。
管理の習慣
定期的にフォルダを見直し、不要なPDFは削除または外部ストレージへ移すと探しやすくなります。重要な書類はコピーを作ってバックアップしておくと安心です。
その他のPDF化方法とおすすめアプリ
はじめに
プリント機能やサードパーティ製アプリを使うと、Webページ以外の資料も簡単にPDF化できます。ここでは手軽な方法と代表的なアプリを紹介します。
プリント機能でのPDF化（iOS10以降）
- Safariやメールなどで共有ボタンをタップします。
- 「プリント」を選びます。
- プレビュー画面で2本指でピンチアウトするとPDFが表示されます。
- 右上の共有ボタンから「ファイルに保存」やクラウドサービスを選んで保存します。
この方法は手順が少なく、複数ページの文書もまとめてPDF化できます。余白や細かなレイアウト調整は限られる点に注意してください。
おすすめアプリ（使い分けの例）
- Adobe Acrobat Reader：閲覧、注釈、署名、クラウド連携が可能で汎用性が高いです。フォーム入力やテキスト検索が必要なときに便利です。
- iLovePDF：PDFの結合・分割・圧縮・変換が得意です。複数ファイルを一括処理したいときに向きます。
- PDFelement：編集機能とOCRを備え、スキャンした文書を編集したい場合に役立ちます。デスクトップとの連携もスムーズです。
- PDF Expert：注釈作成やファイル管理が使いやすく、Apple Pencilで手書きメモを取りたい方におすすめです。
- PDFgear for iOS：軽快で基本機能が揃っており、初心者でも直感的に操作できます。
アプリの選び方ポイント
- 目的を明確にする（閲覧中心か編集中心か）。
- OCRや注釈、署名が必要か確認する。
- クラウド同期やセキュリティ方針をチェックする。
まず無料版で試して、自分の使い方に合うか確かめると失敗が少ないです。
写真やスキャンアプリとの組み合わせによるPDF化
iPhoneのカメラとスキャンアプリを組み合わせると、紙の書類だけでなく、写真や画面キャプチャをPDFにまとめられます。ここでは使い方とちょっとしたコツを分かりやすく説明します。
基本の流れ
-
iPhone標準の「メモ」アプリを使う方法：メモを開き、「新規作成」→カメラアイコン→「書類をスキャン」を選びます。カメラを書類に合わせると自動で撮影・トリミングします。複数ページをまとめてスキャンでき、完了後に共有メニューからPDFとして保存できます。
-
サードパーティアプリの活用：Adobe Scan、Microsoft Lens、Scanner Proなどは自動トリミングや透かし補正、OCR（文字認識）が充実しています。高精度で複数ページを結合し、直接PDF出力できます。
実務でのコツ
- 明るい場所で撮影し、影や反射を避けます。平らな面に置くと良いです。
- 余分な背景をトリミングし、向きを調整します。
- OCR機能を使えば、検索可能なPDFになります。領収書や名刺の管理に便利です。
- スキャンしたページは順番を並べ替えたり、不要ページを削除してから保存します。
この方法は、紙のデジタル化に最も手早く使える手段です。用途に合わせて標準アプリかサードパーティを選んでください。
まとめ
iPhoneでWebサイトをPDF化する際は、まずSafariの標準機能を試すことをおすすめします。iOS13以降であれば追加アプリ不要で簡単にPDFを作成でき、手軽さと互換性で最も便利です。
用途別の選び方:
– 単に保存したい：Safariの共有メニューからPDFを作成してFilesやクラウドに保存します。
– 注釈やページ編集が必要：サードパーティのPDFアプリを検討してください。注釈、結合、OCRなど高度な機能を提供します。
– 大量処理や自動化：外部サービスやアプリのバッチ機能が役立ちます。
保存・管理のコツ:
– ファイル名とフォルダを分かりやすく付けると後で探しやすくなります。
– クラウド同期を有効にすると異なる端末でも参照できます。
結論として、ほとんどの場面ではSafariの機能で十分です。より細かい編集や自動化が必要な場合は、自分の用途に合ったサードパーティアプリを選んでください。iOSのバージョンと目的を確認してから決めると失敗が少ないです。
