サーチコンソールとカバレッジの基本知識と活用法を初心者にも分かりやすく解説

目次

はじめに

目的

このドキュメントは、Google Search Consoleの「カバレッジ」機能について、初心者にもわかりやすく解説するために作成しました。サイト内のページが検索エンジンでどう扱われているかを把握し、問題があれば適切に対応できるようになることを目的としています。

対象読者

サイト運営者、コンテンツ担当者、SEOの学び始めの方を想定しています。専門用語はできるだけ減らし、具体例で補足します。

本書の構成と使い方

全11章で、基本概念、ステータスの意味、エラーの確認・修正、サイトマップの扱い、定期チェックの方法までを順に解説します。各章に実践的な手順やチェックポイントを載せるので、実際の画面を見ながら進めてください。

読むとできるようになること

検索表示に問題があるページの原因特定、優先的に修正すべき箇所の判断、サイトマップやクロールを改善してインデックス状況を向上させる基本的な対応ができるようになります。

次は「サーチコンソール カバレッジとは?」に進みます。

サーチコンソール カバレッジとは?基本概念と重要性

概要

サーチコンソールの「カバレッジ」は、サイト内の各ページや動画がGoogleにどう認識されているかを示すレポートです。インデックス済みか、エラーがあるか、インデックス対象外かなどを一覧で確認できます。問題を早めに見つけて対処するための道具です。

何がわかるか

  • インデックスされたページ数
  • エラーが起きているURLの種類(例:404、アクセス制限)
  • インデックス対象外の理由(例:noindex、重複ページ)

具体例:新しい記事が検索に出ないとき、カバレッジで「インデックス未登録」になっていれば原因を特定できます。

なぜ重要か

正しくインデックスされないと、検索結果に表示されません。つまり、見込み客や読者がサイトを見つけられないリスクが高まります。カバレッジを使うと、SEOの効果を確かめつつ問題を優先的に修正できます。

使い方のポイント

  1. 定期的にレポートを確認する。エラーは早めに直しましょう。
  2. エラーの種類ごとに対応を分ける(技術的な問題は開発、noindexはコンテンツ担当が確認)。
  3. 修正後は検証機能で再クロールを依頼すると早く反映されます。

日常的にチェックすることで、検索からの流入を安定させられます。

カバレッジとURL検査ツールの違い

概要

サーチコンソールには「インデックスカバレッジ」と「URL検査ツール」の二つがあります。前者はサイト全体の状況を俯瞰し、後者は個別ページの状態を詳しく調べます。両方を使うことで、広く深くインデックス状況を把握できます。

インデックスカバレッジ(マクロ視点)

  • 何が分かるか:サイト内のインデックス可能なページ数やエラーの分布を一目で確認できます。
  • 使い方:未検出やエラーの割合を見て、どのカテゴリやディレクトリで問題が多いかを把握します。
  • 例:トップページやカテゴリ一覧で多数のエラーが出ている場合、テンプレート側の問題を疑います。

URL検査ツール(ミクロ視点)

  • 何が分かるか:指定したURLがGoogleに登録されているか、クロール時のレスポンスやインデックス理由を詳しく教えてくれます。
  • 使い方:個別ページの修正後に再クロールをリクエストして反映状況を確認します。
  • 例:記事1本だけ検索に出ない時、そのURLを直接検査して原因を突き止めます。

使い分けのポイント

  • 大まかな問題把握はカバレッジで行い、原因追及と確認はURL検査で行います。
  • 定期チェックではまずカバレッジを見て、異常があれば対象URLをURL検査で深掘りしてください。

注意点

  • カバレッジはデータに遅延があることがあります。すぐの変化はURL検査で確認する習慣をつけると安心です。

Googleインデックスの仕組み

クロール(巡回)

Googleのクローラーはリンクをたどってウェブページを発見します。新しいページや更新されたページを見つけると、ページを取得して内容を読み取ります。例:ブログの新記事を公開すると、内部リンクやサイトマップ経由で巡回されます。

インデックス登録

取得したページを検索エンジンのデータベースに登録します。登録可否はコンテンツの品質や重複、robots.txtの指示などで決まります。登録されると検索対象になります。

評価とランキング

登録後、Googleは200以上の要素を基に順位を決めます。内容の関連性、ページ速度、モバイル対応、被リンクなどが主な要素です。ユーザーの検索意図に合うかを重視します。

チェックポイント(実務)

サイトマップを送信し、robots.txtを確認します。重要なページがnoindexになっていないか、ページ速度やモバイル表示を定期的に検査します。問題を見つけたら修正して再クロールを依頼します。

インデックスカバレッジのステータスタイプ

1. エラー(Error)

  • 意味:Googleのクロール時に問題があり、インデックスされていない状態です。
  • 主な原因と具体例:サーバーエラー(500)、ページが見つからない(404)、リダイレクトループなど。
  • 対応方法:Search Consoleの詳細を確認し、該当URLで発生したエラー内容を特定します。例えば404なら該当ページを復元するか、正しいページへ301リダイレクトします。修正後はURL検査で再クロールを依頼します。

2. 有効(警告あり)

  • 意味:インデックスはされているが、問題を示す警告がある状態です。
  • 主な原因と具体例:モバイル問題や構造化データの小さなエラー、クロール制限で一部情報が取得できない場合など。
  • 対応方法:警告の内容を確認して優先順位を付けて対応します。主要な機能に影響しない軽微な警告は優先度を下げても良いですが、ユーザー体験に関わる場合は早めに修正します。

3. 有効(Valid)

  • 意味:問題なくインデックスされ、Googleがページを認識している状態です。
  • 主な確認点:意図したページが正しく表示されているか、canonicalが期待通りかを確認します。例えば別のページが正規化されてインデックスされていないケースに注意します。
  • 対応方法:基本は現状維持で構いません。コンテンツ更新や内部リンク改善でさらに価値を高めます。

4. 除外(Excluded)

  • 意味:robots.txtやnoindexタグ、canonical指定などで意図的にインデックス対象から外れている状態です。
  • 主な原因と具体例:noindexタグ、robots.txtブロック、重複コンテンツによる除外、未承認のページなど。
  • 対応方法:もしインデックスさせたい場合はnoindexやrobots.txtの設定を見直し、重複ならcanonicalを適切に設定します。意図的に除外する際はそのままで問題ありません。

補足:優先順位の付け方

  • まず「エラー」を最優先で解決します。次にユーザー体験に影響する「有効(警告あり)」を確認します。最後に「除外」や「有効」を状況に応じて扱います。

チェックのコツ

  • Search Consoleの個別URL検査で詳しい理由を確認します。
  • 修正後は必ず再クロールを依頼して反映を確認します。

エラーの影響とビジネス上の重要性

エラーが検索表示に与える直接的影響

サイト内のエラー(404やサーバーエラーなど)が続くと、該当ページはGoogleのインデックスから外れやすくなります。結果として検索結果に表示されず、該当ページへの自然検索流入が減ります。具体例:商品ページがインデックスされなければ、その商品を探す顧客は来ません。

集客とコンバージョンへの波及

流入が減ると、問い合わせや購入などのコンバージョンも減ります。例えば決済ページにエラーが出ると、購入途中で離脱が増え、即座に売上に影響します。アクセスが減ると広告費対効果も悪化します。

信頼とブランドへの影響

エラーが多いサイトは信頼を損ないます。ユーザーは使いづらいと感じ、競合へ流れます。長期的には検索エンジンの評価にも影響し、回復に時間とコストがかかります。

ビジネス上の優先度付けと対応の考え方

すべてのエラーを同時に直すのは現実的ではありません。まずは収益や流入に直結するページ(商品ページ、購入フロー、主要ランディングページ)を優先します。その後、発見頻度やクロール頻度の高いページに取り組みます。

早期把握と迅速な対処がもたらす効果

エラーを早く見つけて直すほど、損失を小さくできます。定期的にカバレッジを確認し、問題が出たら優先度に応じて対応する習慣をつけることが大切です。

エラーの発見と通知

自動通知の仕組み

新しいサーチコンソールは、インデックスカバレッジの問題を検出すると自動で通知を送ります。通知は対象のプロパティに紐づいたメールや、コンソール内のアラートとして届きます。たとえば大量の404エラーやrobots.txtによるブロックが発生すると、具体的なURL例と原因が提示されます。

通知の種類と受け取り方

  • メール通知:所有者や許可されたユーザーに届きます。受信設定を確認してください。
  • コンソール内通知:ホーム画面やカバレッジレポート上で確認できます。

発見後の基本的な流れ

  1. 通知で示された例のURLをURL検査ツールで確認します。具体的に表示されるエラー箇所を確認してください。
  2. 優先順位を決めます。影響が大きいページ(トラフィックが多い、販売に直結するページ)を先に対応します。
  3. 修正後、Search Consoleで検証リクエストを送ります。検証が通ればステータスが更新されます。

実務上の注意点

通知は早期発見に役立ちますが、すべての問題を即検出するわけではありません。大量通知が来た場合はフィルタやチームでの共有ルールを作り、対応漏れを防いでください。

エラー修正と検証方法

はじめに

検索カバレッジでエラーが出たら、落ち着いて手順を踏むことが大切です。ここでは見つけたエラーを確実に直し、Googleに反映されたかを確認する方法をわかりやすく説明します。

対処フロー(基本の4ステップ)

  1. 問題の特定
  2. カバレッジ画面で問題のURLやエラー詳細を確認します。例:404、サーバーエラー、noindexなど。
  3. 原因の調査
  4. 該当ページのHTML、内部リンク、robots.txt、サーバーログを確認します。レンダリングで崩れていないかもチェックします。
  5. 修正の実施
  6. ファイルの復元、リダイレクト設定、noindexタグの削除、サーバー設定の修正などを行います。修正後はページをブラウザで必ず表示確認します。
  7. Googleへの検証依頼
  8. カバレッジ画面の「修正を検証」ボタンを押します。これでGoogleが問題の再確認を始めます。検証中はステータスが変わるまで待ちます。

「修正を検証」実行時の注意点

  • 検証には時間がかかる場合があります。すぐに結果が出ないときは焦らず待ってください。むやみに何度も押す必要はありません。検証が成功しても、インデックスの変化が反映されるまでさらに時間を要することがあります。

再発防止のポイント

  • 変更履歴を残す、重要ページの監視や定期的なクロール確認を行います。サイトマップを更新して送信することで巡回の助けになります。

よくある簡単な対処例

  • 404:正しいURLへ301リダイレクト、またはページ復元。
  • サーバーエラー:ログで原因特定し、ホスティング業者に相談。
  • noindex誤設定:タグを削除して再確認。

丁寧に一つずつ確認すれば、エラーは着実に減らせます。

サイトマップとクローラビリティの最適化

サイトマップの役割

サイトマップ(sitemap.xml)は、サイト内の重要なURLを一覧で伝えるファイルです。ページ数が多い場合や更新が頻繁な場合に、Googleクローラーの発見とインデックスを助けます。例:ブログのアーカイブやECの商品ページ。

送信と基本手順

  1. sitemap.xmlを作成しルートに置く(/sitemap.xml)。
  2. Search Consoleで「サイトマップ」→パスを追加して送信します。
  3. カバレッジレポートでインデックス状況を確認し、問題があれば修正して再送信します。

ベストプラクティス(簡潔に)

  • 1ファイルは最大50,000 URL・50MB。多い場合はインデックス用sitemapを使う。
  • canonicalで正しいURLだけを載せる。
  • lastmodを使って更新日時を示すと効率が上がることが多い。
  • robots.txtにsitemapの場所を追記するとクローラーに伝わりやすい。

クローラビリティを高める具体策

  • 内部リンクを整えて孤立ページ(オーファンページ)を減らす。
  • 重要ページはサイト構造の浅い位置に置く(クリック数を減らす)。
  • サーバー応答を速くし、404や500を減らす。
  • noindexで低価値ページを制御し、クロール予算を有効に使う。

注意点

XMLに非公開や重複URLを入れない。大幅な構成変更後はsitemapを更新し再送信してください。

カバレッジ機能の進化

概要

旧ウェブマスターツールでは、インデックス数の急変や理由の特定が難しい場面がありました。新しいサーチコンソールのカバレッジ機能は、原因ごとに問題をグループ化し、該当URLや時系列の変化を見やすく表示します。これにより、原因特定と対応が大幅に速くなりました。

主な改善点

  • 問題の分類表示:エラー、警告、有効、除外などを明確に分けます。具体的に該当URL一覧を表示します。
  • 時系列データ:日ごとの変動がグラフ化され、急激な増減のタイミングが分かります。
  • 検証機能:修正後にGoogle側で再検証をリクエストできます。

具体例(使い方イメージ)

たとえば、ある日インデックス数が急減した場合、カバレッジで「robots.txtでのブロック」や「サーバーエラー」が原因として表示されます。該当URLから共通点を探し、該当箇所を直して検証を行えば復旧を早められます。

運用への効果

日次での変化把握、問題の優先順位付け、チーム間での共有が容易になります。小さなミス(誤ったnoindex記述やサイトマップの除外)も見つけやすくなり、検索パフォーマンスの安定に寄与します。

運用での注意点

表示はあくまでヒントです。複数の要因が絡む場合もあるため、URL検査ツールやサーバーログも併用して原因を確かめてください。

定期的なチェックの重要性

概要

サイトの健全な運営と検索順位の維持・向上には、インデックス状況の定期的な確認が欠かせません。カバレッジレポートを継続的に見ることで、潜在的な問題を早く見つけて対応できます。

なぜ定期チェックが必要か

検索エンジンの挙動やサーバー状態は変わります。たとえば、新しいページがインデックスされない、意図せず404が増える、サイトマップが更新されていないなどは、放置すると流入減につながります。早期発見で被害を小さくできます。

チェック頻度の目安

  • 大規模サイト:週1回
  • 中小サイト:2週間〜月1回
  • 新規公開や大幅な更新後:即時確認

チェック時の具体項目

  • カバレッジのエラーと除外の増減
  • インデックス数の急激な変化
  • サイトマップ送信とステータス
  • サーバー/モバイルの問題
  • robots.txtやnoindexタグの誤設定

問題発見時の初動対応

  1. 優先度をつけて対応(トラフィック影響が大きいページから)
  2. 修正後、URL検査や再クロールをリクエスト
  3. 結果をログに残し次回チェックに活かす

自動化と運用のコツ

サーチコンソールの通知を有効にし、定期レポートを作成すると負担が減ります。簡単なチェックリストをチームで共有し、定期的に見直してください。

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