awsとcodecommitの基本機能と使い方を徹底解説!初心者必見ガイド

目次

はじめに

目的

本ドキュメントは、AWSが提供するフルマネージド型のGitリポジトリサービス「AWS CodeCommit」について、基本的な概要から実務で使う際に役立つポイントまで分かりやすくまとめることを目的としています。初心者から運用担当者まで幅広く参照できるように構成しています。

背景

ソフトウェア開発ではソースコードの管理が重要です。CodeCommitはクラウド上で安全にGitリポジトリを運用できるサービスで、オンプレミスの管理負担を減らし、チームでの共同作業を容易にします。具体例としては、複数人でのブランチ運用やプルリクエストを使ったレビューが挙げられます。

対象読者

  • 開発者、運用担当者
  • クラウドでのソース管理を検討している技術責任者
  • Gitの基本操作を理解している方(未経験でも読み進められるよう配慮しています)

本書の構成

第2章:CodeCommitの概要
第3章:セキュリティ機能
第4章:スケーラビリティと信頼性
第5章:他のAWSサービスとの統合
第6章:実際の使用フロー
第7章:セットアップと接続方法

次章からは、より具体的な機能や運用上の注意点について順に説明していきます。

AWS CodeCommitとは

概要

AWS CodeCommitは、AWSが提供するフルマネージド型のGitリポジトリサービスです。ソースコードやドキュメント、バイナリファイルをプライベートに保管し、チームで安全に共有できます。通常のGitコマンド(clone、commit、push、pull)がそのまま使えます。

主な特徴

  • フルマネージド:サーバー管理やバックアップを気にせず利用できます。
  • プライベートリポジトリ:デフォルトで外部から隔離された状態です。
  • AWS認証連携:IAMユーザーやロールでアクセス制御できます。

利点

  • 初めてのチームでも扱いやすく、インフラの運用負担が減ります。
  • AWSの他サービスと連携しやすく、CI/CDやデプロイの自動化に向きます。

使い始めの簡単な例

  1. リポジトリを作成します(AWSコンソールで数クリック)。
  2. ローカルでgit cloneして作業します。
  3. 変更をcommitしてpushすると、クラウド上に保存されます。

日常のコード管理をシンプルにし、チーム作業を支える基盤として便利なサービスです。

セキュリティ機能

概要

CodeCommitはセキュリティを最優先に設計されています。データは転送中も静止中も暗号化され、安全に保管されます。以下で主要な機能をわかりやすく説明します。

データの暗号化

転送中は通信を暗号化し、静止中は自動的に暗号化します。鍵管理はAWS KMSを使い、組織で管理する鍵を指定することも可能です。たとえば機密データを扱うリポジトリでは専用の鍵を使えます。

アクセス制御(IAMとの統合)

IAMと統合し、リポジトリ単位や操作(読み取り・書き込み・管理)ごとに権限を細かく設定できます。例:テスターにはクローンのみ許可、リリース担当者だけがマージ可能にする、といった制御ができます。

ブランチ保護とプルリクエスト

特定ブランチを保護して直接のpushを禁止し、プルリクエスト経由でのみ変更を反映できます。承認者の指定や、自動テストの成功をマージ条件にすることもできます。

監査とログ記録

操作履歴は監査ログとして記録できます。誰がいつどのブランチに変更したかを追跡でき、異常な操作を検知した際に通知を送る仕組みとも連携します。

ベストプラクティス

最小権限の原則を適用し、重要なアクションには多要素認証(MFA)やレビューを組み合わせましょう。機密リポジトリには専用鍵や厳格なブランチ保護を適用することをおすすめします。

スケーラビリティと信頼性

高可用性の設計

AWSの広域なインフラを利用し、CodeCommitは高い可用性を目指します。データは複数の物理的な施設(リージョン内の複数アベイラビリティゾーン)に分散して保存します。障害が起きても自動で切り替わるため、リポジトリが長時間使えなくなるリスクを減らします。SLAで示される99.999%は、年間の想定ダウンタイムがごく短いことを意味します(目安として数分程度)。

大規模アセット対応(予定)

2026年第3四半期に導入予定の大規模アセット対応は、大きなファイルや膨大な履歴を扱うプロジェクト向けの機能です。例として、ゲームのアート資産や映像素材など、数GB〜数十GBのファイルを効率よく保管・取得できるようになります。これにより、既存のワークフローでも無理なく運用できるようになります。

高速クローンとパフォーマンス向上

同じく予定されている高速クローン機能は、リポジトリをローカルに複製する時間を短縮します。大容量リポジトリを扱うチームでも、チェックアウトやビルドの開始を速められます。具体的には、差分のみを効率的に転送したり、並列処理でダウンロードを高速化したりする技術が使われます。

運用面での利点

運用者はスケールの心配を減らせます。需要が増えても自動で処理能力が確保され、バックアップや復元もクラウド側で担保されます。結果として、チームはコードや資産の開発に集中できます。

他のAWSサービスとの統合

概要

CodeCommitは単体のソースリポジトリにとどまらず、他のAWSサービスと密に連携してCI/CDを自動化します。コードのプッシュやプルリクエストをきっかけに、自動でビルド・テスト・デプロイを実行できます。

主な連携パターン

  • CodePipeline: リポジトリの変更をトリガーにパイプラインを実行します。ステージごとにCodeBuildやCodeDeployを繋げ、段階的に処理を進めます。
  • CodeBuild: ソースを取得してビルドやテストを行います。ビルド完了後に成果物をS3やECRに保存できます。
  • CodeDeploy / ECS / Lambda: ビルドしたアプリケーションをサーバー、コンテナ、関数へデプロイします。ECSとECRを組み合わせるとコンテナのデリバリが自動化できます。
  • CloudWatch / EventBridge: ビルド失敗やデプロイ状況を監視し、通知や自動対応を行います。
  • CloudFormation: インフラの構成をコード化し、デプロイ工程と一緒に実行できます。

コンテナ開発フローの例

  1. 開発者がfeatureブランチにプッシュします。CodePipelineが起動します。2. CodeBuildがイメージをビルドしてECRへプッシュします。3. ECSサービスが新しいイメージを受け取り、ローリング更新します。自動でテストやロールバックも組み込めます。

プルリクエストとワークフロー制御

プルリクエストをトリガーにビルドや自動テストを実行し、結果に応じてマージや承認フローを進められます。承認ステップや手動アクションもPipelineに組み込めます。

ベストプラクティス

  • 最小権限のIAMロールを使ってサービス間のアクセスを制御します。
  • ビルドとデプロイを小さなステップに分けて失敗時の影響を減らします。
  • CloudWatchや通知で失敗を早く検知する仕組みを整えます。

実際の使用フロー

概要

開発者はローカルで変更を行い、CodeCommitのリモートリポジトリにプッシュします。プルリクエスト(PR)を作成してレビュー担当者に依頼し、コメントや修正を経て承認されたらメインブランチにマージします。この流れでコード品質を保ちます。

基本的な手順

  1. ブランチ作成:機能ごとに新しいブランチを切ります(例:feature/login)。
  2. 開発とコミット:小さな単位で変更を行い、わかりやすいコミットメッセージを付けてコミットします。
  3. プッシュとPR作成:リモートにプッシュし、PRを作成してレビュアーを指定します。
  4. レビューと修正:レビュアーがコメントを追加します。必要に応じて修正し、再プッシュします。
  5. 承認とマージ:レビュー承認後にCIを通してメインにマージします。

並行開発と競合解決

複数メンバーが別ブランチで同時に作業できます。競合が発生したら、ローカルでマージまたはリベースして解決し、再度プッシュします。

問題発生時の追跡とロールバック

問題が見つかったら該当コミットを特定し、revertコマンドで取り消すか、以前の安定タグに戻します。PRの差分で原因を素早く確認できます。

運用のコツ

  • 小さな変更を頻繁にプッシュする。
  • メインブランチは保護し、必ずレビューとCIを通す。
  • 変更内容をチケットやPRに紐づけると追跡が楽になります。

セットアップと接続方法

概要

AWSマネジメントコンソールでリポジトリを作成したら、ローカルから接続する準備をします。接続方法は主に3種類あります。用途や環境に合わせて選びます。

前提(簡単な準備)

  • AWSアカウントとIAMユーザーを用意します。適切な権限(CodeCommitへのアクセス)が必要です。
  • ローカルにGitが入っていることを確認します。
  • AWS CLIを使う場合はaws configureで認証情報を設定します。

接続方式と手順(簡潔に)

1) HTTPS(AWS認証情報を使う、推奨)
– AWS CLIを使う方法は設定が楽で安全です。
– 設定例:
git config –global credential.helper ‘!aws codecommit credential-helper $@’
git config –global credential.UseHttpPath true
– リポジトリURL例:
https://git-codecommit.<リージョン>.amazonaws.com/v1/repos/<リポ名>
– この方法はIAMのアクセスキーで認証します。

2) HTTPS(IAMのGit認証情報を使う)
– IAMユーザーの「HTTPS Git 認証情報」を作成し、生成されたユーザー名とパスワードを使います。

3) SSH(公開鍵認証)
– ローカルで鍵を作成:ssh-keygen -t rsa -b 4096
– 公開鍵をIAMの「SSH 公開鍵」へアップロードすると、SSHキーIDが発行されます。
– クローン例:
git clone ssh://@git-codecommit.<リージョン>.amazonaws.com/v1/repos/<リポ名>
– SSHエージェントに鍵を追加しておくと便利です。

権限と注意点

  • 最低限必要なのはCodeCommitに対する読み書き権限です。管理者権限を与えずにポリシーで絞ることをおすすめします。
  • リージョンとリポジトリ名がURLに正しく入っているか確認してください。
  • ネットワークによってはSSH(ポート22)が遮断されることがあります。その場合はHTTPSを使ってください。

必要であれば、実際の画面操作やコマンドの具体例(自分のリージョン・リポ名入り)で手順を詳しく示します。どの接続方法で詳しく知りたいか教えてください。

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