はじめに
調査の目的
本調査は、情報セキュリティに関するウェビナーやオンラインセミナーの動向を分かりやすく整理することを目的とします。参加方法やテーマの広がりを把握し、実務で役立つ情報へ結びつけます。
対象と範囲
医療機関向けの対策、グローバル市場の動向、地域別の専門イベント、制御システム向けセミナーなど、幅広い分野を含めています。形式はライブ配信、オンデマンド、現地開催（無料含む）を対象としました。
本調査の特徴
・テーマと形式の多様性を具体例で示します（例：病院向けの標準化対策セミナー、産業制御向けの技術講座）。
・参加者のニーズに合わせた参加方法の利便性に注目します（オンデマンド視聴で復習しやすい等）。
読み方の案内
各章でセミナーの内容、対象者、参加方法、期待できる効果を順に説明します。専門用語は最小限にし、実務で使えるポイントを中心にまとめます。ご自身の関心分野から読み進めてください。
医療機関の情報セキュリティ対策セミナー2025
セミナー概要
サイリーグHDが参画した「医療機関の情報セキュリティ対策セミナー2025 ～重要なインフラである医療機関をどう守るか～」は、2025年9月26日にオンラインで開催されました。南部弘毅氏が講演し、高度化するサイバー攻撃と医療現場の備えについて解説しました。医療機関の事業継続を守る「サイバーレジリエンス戦略」が中心テーマです。
講演の要点
- サイバー攻撃の現状を具体例で紹介（ランサムウェアの被害、外部侵入による機器停止など）。
- 医療現場が狙われやすい理由（機器の常時稼働、患者情報の価値）を明確に説明しました。
- サイバーレジリエンスの考え方を「備える・検知する・対応する・復旧する」の4段階で整理しました。
現場で取り組める具体策
- バックアップを定期的に取り、オフラインで保管する。例：重要データを週次で外部媒体に保存。
- ネットワークを区分けし、医療機器と事務系を分離する。これにより感染拡大を抑えます。
- 多要素認証やアクセス権の見直しで不正ログインを防ぐ。
- 職員向けの啓発と模擬訓練（テーブルトップ演習）を定期的に実施する。
導入の手順とポイント
- リスク評価で優先度を定める。2. 小さな対策から着手して運用に定着させる。3. 定期的に訓練と見直しを行う。
講演では、外部の専門企業と連携し実務支援を受ける重要性も強調されました。参加者は、実践的な対処法と段階的な導入方法を学び、即時に始められる対策を持ち帰りました。
JAPAN Security Summit 2025 スペシャルライブセッション見逃し配信
概要
2025年11月に開催されたJAPAN Security Summit 2025のスペシャルライブセッションが、11月20日からオンデマンド配信されています。約60分のウェビナー形式で、海外のサイバーセキュリティ市場の全体像、日本と海外の市場比較、韓国の最新状況、日本で求められるセキュリティ対策について専門家が議論しました。
見どころ
- 海外市場の全体像：各国の投資傾向や注目分野を分かりやすく解説します。例えばクラウドの利活用やデータ保護の動きが紹介されます。
- 日本と海外の比較：対応の違いや導入の優先順位を具体例で説明します。中小企業や医療機関での実践例も取り上げられます。
- 韓国の最新状況：法制度や企業の取り組み事例から学べる点を示します。
視聴方法
申し込み後に届くメールで視聴情報が送付されます。時間や場所を選ばず視聴できるため、業務の合間や自宅でも利用できます。
視聴時のポイント
- 気になる部分は一時停止や巻き戻しで何度も確認してください。
- メモを取り、社内で共有すると実務に結び付きやすいです。
- 資料が提供される場合はダウンロードして参照してください。
こんな方におすすめ
情報システム担当者、経営層、医療機関の関係者、セキュリティを学びたい個人など幅広い方に向いています。
Security Days Fall 2025
開催概要
情報セキュリティ専門イベント「Security Days」が2025年秋に大阪、名古屋、東京、福岡の4地域で開催されます。展示会とセミナーの両方に無料で参加でき、来場は事前の登録制です。後援には特定非営利活動団体ビジネスシステムイニシアティブ協会（BSIA）が名を連ねています。
見どころ
- 標的型攻撃対策：実際の侵入事例をもとにした対策紹介（例：メールからの侵入を防ぐ手順）
- ランサムウェア対策：被害を減らすためのバックアップ運用や初動対応の説明
- クラウドセキュリティ：クラウド利用時の設定ミスを避ける具体例と対策
参加方法とポイント
- 公式サイトで来場登録を行ってください。登録後、参加案内が届きます。
- 目的を決めてセッションを選ぶと効率的です（展示で製品比較、セミナーで運用知識を習得）。
- 名刺や必要な機器情報を準備すると現地での相談がスムーズです。
注意点
会場によって収容人数が限られる場合があります。人気のセッションは早めに満席になることがあるため、事前登録と希望セッションの確認をおすすめします。
BSIA後援の意義
BSIAの後援により、業界水準に沿った内容や実務に近い事例が期待できます。初めて参加する方でも分かりやすい企画が多い点が魅力です。
IPA（情報処理推進機構）セミナー
開催概要
IPAが主催する「制御システムのセキュリティリスク分析ガイド オンラインセミナー2025年度上期」は、2025年6月2日から9月30日までオンラインで開催されました。政府系機関による専門講座で、産業用の制御システムに特化したセキュリティ対策を学べます。
対象者と目的
対象は制御システムに関わる技術者や運用担当者、管理者、セキュリティ担当者です。目的はリスク分析の基本手順を習得し、現場で優先度を付けて対策を実施できるようにすることです。
主な内容（例）
- 脅威と脆弱性の洗い出し方法（簡単なチェックリストや事例で説明）
- リスク評価の進め方と優先順位付け
- 現場で有効な対策例（ログ管理、アクセス制御、ネットワーク分離など）
- 実際のインシデント事例と学び
進め方と成果
講義形式の説明に加え、Q&Aや配布資料で理解を深めます。受講後は自組織の資産棚卸しやリスク評価の実践に役立ちます。初心者でも取り組みやすい具体的な手順が提示される点が特長です。
まとめ
要点の振り返り
本記事で紹介したウェビナーやオンラインセミナーは、医療機関向け、グローバル動向、地域開催、制御システム特化など多様でした。専門家による最新情報と実務的な知見の共有が共通点です。オンデマンド配信やライブ、見逃し配信など参加形式が多様化しており、利用者は自分の都合や目的に合わせて学べます。
参加時のポイント
- 関心のあるテーマを明確にする。例：医療機器のセキュリティ対策、院内運用ルールの整備など。
- ライブは質問や意見交換を活用する。オンデマンドは繰り返し復習する。
- 学んだ内容は要点を社内で共有し、実務に落とし込む。小さな改善から始めると定着しやすいです。
今後の学習プラン
継続的に情報を取り入れ、実践と評価を繰り返してください。複数の視点を比較することで、より実務に即した対策が見えてきます。ご自身の関心や業務に合わせて、無理なく学習を続けてください。
