awsとガバメントクラウドの実態を徹底解説!導入の全ポイント公開

目次

はじめに

本書の目的

本ドキュメントは、AWSが日本のガバメントクラウドに果たす役割や選定理由、支援体制、移行プロセスを分かりやすく解説します。専門用語をなるべく減らし、具体例を交えて説明しますので、初めての方でも読みやすい構成です。

範囲と構成

全5章で構成します。第2章ではガバメントクラウドの定義と目的を説明します。第3章でAWSが選ばれた理由を技術面と運用面から紹介します。第4章はAWSジャパンの支援体制と実績、最後の第5章で移行プロセスの実務的な流れを示します。

想定読者

地方自治体、政府機関の担当者、ITベンダー、導入検討中の意思決定者を想定しています。技術的な背景が浅い方にも配慮した内容です。

読み方のコツ

まず第2章で基本を押さし、その後に第3章以降を順に読むと理解が深まります。具体的な事例や支援メニューは第4・5章で確認してください。

ガバメントクラウドとは

ガバメントクラウドは、デジタル庁が整備する行政・自治体専用のクラウド環境です。行政の基幹業務や住民サービスを支えるために設計され、公共データの取り扱いに配慮した基準や仕組みが整っています。

目的と背景

目的は、各自治体でばらつくシステムを共通化し、運用コストの削減やセキュリティの底上げを図ることです。2022年度以降は原則としてガバメントクラウドの活用が方針となり、2025年度末までに基幹業務の標準化が求められています。

特徴

  • 複数のクラウドサービスプロバイダー(CSP)から選択可能で、採択された事業者にはAWS、Google Cloud、Microsoft Azure、Oracle Cloudが含まれます。
  • 行政向けに求められるセキュリティ要件や運用指針が整備されています。
  • 標準化により他の自治体との連携やシステムの互換性が高まります。

具体例(イメージ)

住民基本台帳や税務システムの一部をガバメントクラウド上で運用すると、災害時の復旧が早くなったり、更新作業が共通化されて保守負担が減ったりします。自治体ごとに必要な機能や法規制に合わせてプロバイダーを選べます。

注意点

全ての業務を一度に移すのではなく、データの重要度や連携の必要性に応じて段階的に導入することが現実的です。

AWSがガバメントクラウドで選定された理由

背景と目的

AWSは、国内でいち早くクラウドサービス事業者(CSP)として認定された実績があります。自治体が2025年度末までに標準仕様書準拠版へ切り替える必要があるため、短期間で安全かつ確実に入れ替えを進めることが求められました。AWSはこの要件を満たすための技術と経験を備えており、選定に至りました。

自動化とInfrastructure as Code(IaC)の強み

AWSは環境をコードで定義し再現できるIaCを幅広くサポートします。具体例として、サーバーやネットワークの設定をテンプレート化しておけば、複数の自治体に同じ構成を短時間で展開できます。AWS CloudFormationや、CDK for Terraformといったツールを使うと、手作業でのミスを減らし、作業のスピードと正確さを高められます。

運用・セキュリティ面での利点

自動化により、セキュリティ設定やパッチ適用を一元管理できます。ログや変更履歴をコードで管理するため、誰がいつ何を行ったかが明確になります。これにより監査対応も容易になり、自治体の厳しい要件に対応しやすくなります。

コスト・体制面のメリット

テンプレートを使った一括展開は導入工数を削減し、結果としてコストの低減につながります。また、AWSには国内パートナーやサポート体制が整っており、移行作業や運用保守の支援を受けながら進められます。

技術的な裏付けと実用例

例えば、共通の標準仕様書に合わせた環境をCloudFormationテンプレートとして用意すれば、数十の自治体に対して同一の設定を自動で配布できます。CI/CDパイプラインを組めば、変更があっても迅速に反映でき、品質を保ちながら標準準拠を進められます。

AWSジャパンの支援体制と実績

支援の全体像

AWSジャパンは300以上の自治体でクラウド環境を提供し、2025年度の本番移行に向けて全面的に支援しています。設計から運用まで一貫して支援し、自治体ごとの要件に合わせたサポートを行います。

職員のスキル育成

自治体職員向けに無償の説明会や月次オンライントレーニングを実施しています。内容はクラウド基礎、運用手順、セキュリティ対策、費用管理などで、ハンズオンやQ&Aも含みます。学習履歴や教材を後で参照できる仕組みを用意します。

標準システムと移行支援

標準的な業務システムの移行テンプレートやチェックリストを提供します。事前診断や移行計画の作成、移行実行支援まで一貫して担当者が伴走します。実運用に即したテスト計画や切替手順も整備します。

コスト適正化と運用支援

利用状況の可視化と無駄削減提案を行います。毎月のレポートで改善点を提示し、リソースの見直しや運用自動化でコスト低減を図ります。障害発生時の対応指針や定期点検も支援します。

プロフェッショナルサービスとオンサイト支援

必要に応じて専門家を派遣し、オンサイトセミナーやワークショップを開催します。実務に即した演習で職員の理解を深め、移行後の運用体制構築まで支援します。

実績の例

住民向けポータルや窓口システムを移行した自治体事例が多数あります。短期間で稼働させたケースや運用コストを削減した例など、実践的なノウハウを共有します。移行を検討する際は、まず説明会や診断をご活用ください。

ガバメントクラウドへの移行プロセス

1. 準備・計画

最初に現状の業務・システムを整理し、優先度を決めます。たとえば業務の重要度や稼働時間で移行順を決めます。セキュリティ要件や接続形態(専用回線かインターネット越しか)もこの段階で確定します。

2. アカウント払い出し(AWS Control Tower)

デジタル庁がAWS Control Towerを使い自治体ごとにAWSアカウントを払い出します。これにより設定やポリシーを一元化できます。例えばログ管理やアクセス制御の基本設定を標準化します。

3. インフラのコード化(IaC)の活用

サーバーやネットワークの構成をコードで定義し、自動的に作成します。これにより再現性が高まり、手作業によるミスを減らせます。テンプレートを用意してコピー&修正で展開します。

4. アプリケーション導入支援(ADWORLD)

自治体システム「ADWORLD」のインストールや設定を支援します。具体的にはインストーラー実行、設定ファイルの調整、利用者アカウントの作成などを行います。事前に動作確認環境で試験してから本番へ移します。

5. ネットワーク構築と専用回線の敷設

VPCやファイアウォールなどのネットワークを設計・構築します。自治体ごとの個別回線を敷設し、安全な接続を確保します。ネットワールドのAWS Direct Connectサービスを使えば、クラウドとの専用線接続で通信品質を安定させられます。

6. 試験・切替え・運用支援

機能試験と負荷試験を実施し、問題がなければ切替えを行います。切替え後は運用支援を提供し、監視や障害対応、定期的な設定見直しを行い知識移転を進めます。

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