CMSのファイル管理で押さえるべき基本知識と対策法

目次

はじめに

目的

本ドキュメントはCMS(コンテンツ管理システム)におけるファイル管理機能について、分かりやすくまとめたものです。サイトで使う画像やPDF、動画、バックアップファイルなどの取り扱いから、WordPressでの対応形式、アップロード時のエラー対処、各CMSの違いまで解説します。

対象読者

ウェブサイト運営者、制作担当者、CMS選定を検討中の方を想定しています。専門知識がなくても読み進められるよう、具体例を交えて丁寧に説明します。

本書の構成

第2章でファイル管理の基本を説明し、第3章でWordPressの対応形式、第4章でエラーと対処法、第5章でCMS間の違いを比較します。順を追って読めば、実務で必要な知識が身につきます。

読み方のポイント

まず第2章で基礎を押さえると、その後の章がより理解しやすくなります。各章には運用上のヒントや具体的な対処例を載せますので、すぐに役立ててください。

CMSとファイル管理機能について

CMSの基本的な役割

CMSは文章や画像などのコンテンツをまとめて扱うための仕組みです。データベースに情報を保存し、テンプレートで見た目を整えます。これにより、専門知識がなくても編集や公開がしやすくなります。

どんなファイルを扱えるか

テキストや画像、動画はもちろん、PowerPoint(.pptx)、Excel(.xlsx)といったオフィス文書、業務用のmxfや設計図のdwgなど多様な形式を扱えます。CMSによってサポートする形式は異なりますが、一般的な用途で必要なファイルはほとんど管理可能です。

主なファイル管理機能

  • アップロード:ファイルをサーバーに保存します。ドラッグ&ドロップで簡単に行えることが多いです。
  • 整理:フォルダやタグで分類し、探しやすくします。
  • アクセス管理:公開範囲を設定して、特定ユーザーだけ閲覧できるようにします。
  • プレビューと変換:画像やPDFはブラウザ上で確認でき、必要に応じて形式を変換します。
  • バージョン管理:更新履歴を残して差分を確認できます。

運用で気を付ける点

セキュリティ対策を行い、不正なファイルのアップロードを防ぎます。容量管理をして不要ファイルは削除し、バックアップを定期的に取ります。権限は最低限にして誤操作を減らします。

活用のコツ

使用頻度の高いファイルはタグやフォルダを工夫してすぐ見つかるようにします。ファイル名に日付やプロジェクト名を入れると履歴管理が楽になります。

WordPressのアップロード対応ファイル形式

概要

WordPressはセキュリティを優先して、アップロード可能なファイル形式をあらかじめ制限しています。標準で許可される形式に合うファイルだけをメディアライブラリに追加できます。

標準で許可される主な形式(例)

  • 画像: .jpg、.jpeg、.png、.gif、.ico
  • 動画: .mp4、.m4v、.mov、.wmv、.avi、.mpg、.ogv、.3gp、.3g2
  • ドキュメント: .doc、.ppt、.pptx、.pps、.ppsx、.odt、.xls、.xlsx、.psd
  • 音声: .mp3、.m4a、.ogg、.wav

これらは多くの用途でそのまま使えます。たとえば記事の挿入やダウンロード用ファイルに向いています。

注意点とよくある例

  • SVGはデフォルトで許可されていません。ベクター画像は便利ですが、スクリプト埋め込みで危険になることがあります。
  • 実行ファイル(.exe)やスクリプトファイル(.php)はアップロードできません。
  • ファイル名に日本語や特殊文字が入ると問題になる場合があります。英数字に変更すると解決しやすいです。

追加の形式を使いたいとき

  • プラグインを使う方法がおすすめです。たとえば「Allow SVG」や「WP Add Mime Types」などを使うと安全に拡張できます。
  • 開発者がfunctions.phpでmimeタイプを追加する方法もありますが、誤った設定でセキュリティリスクを招くことがあります。権限を持つユーザーだけが設定変更するようにしてください。

アップロードできないときに確認する項目

  • ファイルサイズ制限(サーバーのupload_max_filesizeやWordPressの設定)
  • ブラウザやネットワークの問題
  • セキュリティプラグインやテーマの制限
  • ファイル名や拡張子が正しいか

必要であれば、特定ファイルの対応方法(プラグイン名やコード例)も詳しく説明しますのでお知らせください。

ファイルアップロードエラーと対処方法

WordPressで許可されていないファイルをアップロードすると「このファイルは許可されていません」といったエラーが出ます。これは安全のためにWordPressが拡張子やファイルの種類を確認しているためです。例としてSVGや.ai、.epsなどがはじかれることがあります。

対処法1:wp-config.phpでALLOW_UNFILTERED_UPLOADSを有効にする
– 手順
1. サイトのルートにあるwp-config.phpをバックアップします。安全のため必須です。
2. テキストエディタでwp-config.phpを開きます。
3. 以下の一行を追加します(”/ That’s all, stop editing! /”の直前が推奨です)。

define('ALLOW_UNFILTERED_UPLOADS', true);
  1. ファイルを保存してアップロードを試します。
  2. 注意点
    ・この設定は管理者全員に未検証ファイルのアップロードを許可します。信頼できる管理者のみがいる環境で使ってください。
    ・セキュリティ上のリスクがあるため、不要になったらfalseに戻すか設定を削除してください。

対処法2:無料プラグイン「WP Extra File Types」を使う
– 手順
1. 管理画面のプラグイン→新規追加で「WP Extra File Types」を検索してインストール、有効化します。
2. 設定画面で追加したい拡張子(例:svg、ai、eps)を入力して保存します。
3. 必要に応じてMIMEタイプも設定します(プラグイン画面に説明があります)。
– 注意点
・プラグインは細かくファイル種別を制御できます。管理者以外のユーザーにも権限を付与する場合は慎重に設定してください。
・外部から受け取るファイルはウイルススキャンやSVGの不正スクリプト除去などの対策を行ってください。

どちらの方法でも、まずバックアップを取り、テスト環境で動作確認を行ってから本番へ反映してください。安全に配慮しつつ必要なファイルを使えるように調整することをおすすめします。

CMS全体でのファイル管理機能の違い

ファイル管理の基本

多くのCMSは画像やPDF、動画などをアップロードして、データベースにメタ情報を保存します。これにより検索や再利用が簡単になります。例:画像のタイトルや説明、タグを付けて検索できるようにします。

代表的なCMSの違い(例)

  • WordPress:アップロード先を年月で分け、メディアライブラリで管理します。プラグインで検索やフォルダ表示を拡張できます。
  • Drupal:ファイルをエンティティとして扱い、詳細な権限設定やバージョン管理が可能です。
  • SaaS型(例:Shopify):管理はシンプルで設定が少ない代わりに、ファイル種類や容量に制約があります。

運用形態の違い(クラウド/オンプレ)

クラウド型は導入や保守が楽で自動的にスケールします。オンプレミスは自社で細かく設定でき、セキュリティや保存場所を直接管理できます。バックアップやアップデートの手間が変わります。

選び方のポイント

  1. 対応ファイル形式とサイズ上限を確認する。2. 検索機能やタグ付けの有無を確認する。3. アクセス権やバージョン管理の必要性を検討する。4. 将来の拡張性や外部ツール連携を確認する。
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