cms入稿の基本と手順をWordPressでわかりやすく解説

目次

はじめに

この文書はCMS入稿に関する実務ガイドです。CMSとはコンテンツ管理システムのことで、特にWordPressを中心に、入稿手順や実践的なポイント、バージョンやテーマの違い、業務の価値や見積もりまで幅広く解説します。現場で使える具体的な手順と注意点を重視してまとめました。

目的

CMS入稿の基本的な流れを理解し、実際の作業でミスを減らせるようにすることが目的です。初心者が戸惑いやすい用語や操作は具体例を交えて説明します。

対象読者

  • Web編集者やライター
  • CMS入稿を外注する担当者
  • フリーランスで入稿業務を受ける方

本書で学べること

  • 入稿の基本フローと準備事項
  • WordPressでの具体的な操作手順
  • 実務で役立つチェックリストや効率化のコツ
  • バージョンやテーマによる違いと注意点
  • 業務の価値を見積もる際の考え方

使い方と構成

各章は順を追って読めば実務で使える構成です。初めての方は第2章から順に、経験者は必要な章だけ参照してください。テスト環境で練習することをおすすめします。

以下の全6章で丁寧に解説します。

CMS入稿とは

概念と目的

CMS入稿とは、WordPressやStudioなどのコンテンツ管理システムに記事や画像を直接登録する作業です。単に原稿を渡すのではなく、見出しや本文、画像、メタ情報までCMS上で整えて公開できる状態にします。これにより公開までの手間を減らし、表示崩れやSEO設定の漏れを防げます。

CMS入稿と原稿納品の違い

原稿納品はテキストファイルやWordで納める作業です。CMS入稿はその先の作業を含み、実際にページを作成して公開準備まで行います。クライアント側での修正や確認の手間が減ります。

入稿で必要な要素(具体例)

  • タイトル、見出し(h1/h2)
  • 本文(段落・リード文)
  • アイキャッチ画像、図表(適切なファイル名・サイズ)
  • メタディスクリプション、スラッグ
  • カテゴリ・タグ、公開日時

よくあるワークフロー

  1. アクセス権を依頼してもらう
  2. 下書きをCMSで作成する
  3. 画像やリンクを挿入し、SEO項目を入力する
  4. クライアントにプレビューで確認してもらう
  5. 公開またはスケジュール設定する

権限と注意点

編集権限は最低限にとどめ、ログや自動保存を有効にします。画像の著作権やサイズ、内部リンクの切れを確認してください。セキュリティのため、不要なユーザー権限は付与しないでください。

WordPressへの入稿手順

準備

  • 投稿者または編集者権限のアカウントを用意します。ログイン情報と原稿、画像ファイルをまとめておくと作業が早くなります。

1. 管理画面にログイン

  • サイトの管理画面(通常は /wp-admin)にアクセスしてログインします。権限が足りない場合は管理者に依頼してください。

2. 投稿画面へ移動

  • 管理メニューの「投稿」→「新規追加」をクリックします。ブロックエディタ(Gutenberg)が表示されます。

3. 非公開設定を確認

  • 初期状態で公開されることがあるため、まず公開状態を「非公開」または「下書き」にします。誤って公開しないように注意してください。

4. タイトルを入力

  • 読者に伝わる短く明確なタイトルをつけます。SEOや編集ルールがある場合はそれに合わせます。

5. 本文を入力(ブロックエディタの基本)

  • 見出しブロックで構成を作り、段落ブロックで本文を書きます。
  • 画像は「画像ブロック」からアップロードまたはメディアライブラリを選び、代替テキストを必ず入力します。
  • リストや引用は専用ブロックを使うと整います。必要ならカスタムHTMLを少量だけ挿入します。

6. 公開設定・カテゴリ・タグなど

  • カテゴリを選び、タグを追加します。アイキャッチ画像を設定する場合はここで行います。
  • 公開日時の指定や投稿形式の確認も忘れずに行います。

プレビューと公開前チェック

  • プレビューで表示を確認し、リンクや画像、改行が崩れていないかチェックします。問題がなければ公開、または編集者に公開依頼をします。

よくある注意点

  • 画像は適切なサイズにリサイズすると表示が速くなります。リンク切れや誤字脱字は必ず確認してください。

CMS入稿の実践的なポイント

入稿前の確認

入稿先のディレクトリ構造を事前に必ず確認してください。どのカテゴリやフォルダに置くかで公開先の見え方が変わります。公開状態(公開・非公開・パスワード保護など)は媒体ごとに異なるので、マニュアルを参照して正しい設定を把握しましょう。

基本の入稿フロー

  1. 下書き保存を行う。まず下書きで保存して内容を確認します。例:画像の位置や改行を実際に確認するためです。
  2. 編集画面のURLを共有する。レビュー担当者に編集画面URLを送付してもらい、修正指示を受けます。
  3. 必要に応じて本文の装飾やカスタマイズを行う。見出しの階層やリスト、リンクの貼り方を整えてください。

チェックリスト(必須項目)

  • タイトルとスラッグの確認
  • アイキャッチ画像の有無とサイズ
  • 画像の代替テキスト(アクセシビリティ)
  • 内部リンク・外部リンクの動作確認
  • カテゴリ・タグの設定
  • 公開日時・公開範囲の確認

権限と連絡のコツ

編集権限が限定されている場合は事前に権限を依頼します。担当者同士で「誰が最終公開するか」を明確にしてください。コメント機能や変更履歴を活用すると誤解を減らせます。

よくあるトラブルと対処法

  • 表示崩れ:ブラウザのキャッシュをクリアして再読み込みします。テーマやプラグインの影響が疑われる場合はスクリーンショットを添えて共有してください。
  • 画像がアップロードできない:ファイルサイズ制限や拡張子を確認します。必要なら画像をリサイズして再アップロードします。
  • 権限エラー:管理者に権限付与を依頼し、ログイン情報が正しいか確認します。

WordPressバージョンとテーマの違い

違いの全体像

WordPressはバージョンごとに管理画面の表示や編集の流れが変わることがあります。一方、テーマはサイトの見た目と一部の機能を決めます。バージョンはエンジン、テーマは服のようなイメージです。

バージョンによる操作の違い

古いバージョン(例: 5.0以前)はクラシックエディタが中心で、文章をそのまま入力する感覚です。新しいバージョンではブロックエディタ(Gutenberg)が標準で、見出し・画像・段落をパーツとして扱います。ブロックは移動や再編集が簡単で、HTML知識がなくてもレイアウトが整います。

テーマによる見た目と機能の違い

同じ内容でもテーマが変わると見た目が大きく変わります。例えば、ヘッダーの高さや文字サイズ、レスポンシブの切り替え幅が異なります。テーマによっては独自のウィジェットやカスタマイザー設定があり、入力画面で追加項目が表示されることがあります。

互換性のチェック方法

記事を入稿する前に、プレビューでスマホとPC表示を確認します。主要なプラグインやテーマの更新履歴を見て、エディタとの互換性を確認してください。テスト環境があればそこで動作確認すると安全です。

実務での注意点

・クライアントに使用バージョンとテーマ名を確認してから作業します。
・テーマ固有のフィールドがある場合はテンプレートに合わせた入力が必要です。
・不具合が出たらまずプラグインの無効化やテーマ切替で原因を切り分けます。

これらを押さえれば、バージョンやテーマの違いによる混乱を減らして安定して入稿できます。

CMS入稿業務の価値と見積もり

はじめに

CMS入稿は単なる作業ではなく、付加価値を生む業務です。適切に対応できれば取引先の手間を省き、公開までの時間を短縮します。慣れればWordPressへの直接入稿は負担が減りますが、工数は発生します。

価値(メリット)

  • 時間短縮:クライアント側の作業を削減し、スピード公開を可能にします。
  • 品質安定:フォーマットやSEO設定を統一し、見た目と検索対策を整えます。
  • 手間削減:画像の最適化やリンクチェックまで含めると依頼が増えます。

見積もりの考え方

見積もりは主に「時間単価」「ページ単価」「タスク単価」「月額保守」のいずれかで決めます。具体的には作業工程ごとに時間を見積もり、合算して切り上げるのが現実的です。したがって工数分の報酬は必ず含めてください。

例:記事1本の想定工数
– ログイン・準備:5分
– 記事作成(コピペ・装飾):20〜30分
– 画像処理・挿入:10分
– SEO・メタ設定:5〜10分
– 最終確認・公開:5分
合計:45〜60分→1時間で見積もる

単価例:時給3,000円なら1記事=3,000円(画像編集や構成作成は別料金)

見積もりに入れるべき項目

  • 対応範囲(文字数、画像数、リンク数)
  • 納期と公開回数
  • 修正回数の上限
  • テーマ・プラグインの互換確認
  • テスト環境での確認有無
  • 支払い条件(締め・振込手数料)

提案時の注意点

  • 初回は実作業時間を計測してから単価を決めると透明性が増します。
  • スコープ外の作業は別見積もりで対応する旨を明記してください。

最後に、明確な見積もりは信頼につながります。作業内容を細かく書いて、双方が納得できる条件で進めましょう。

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