初心者でも安心!SSLのやり方と設定手順を詳しく解説

目次

はじめに

本ドキュメントは、SSL設定に関する完全ガイドです。初心者の方でも理解できるよう、基礎知識から取得方法、主要なレンタルサーバーやIIS(Windows Server)での具体的手順、さらにWordPress向けの簡単な設定方法まで順を追って解説します。

このドキュメントの目的

SSLの役割や設定手順をわかりやすく示し、実際に自分でSSL化できるように導くことが目的です。たとえば、SSLは封筒に入れた手紙のように通信を保護します。実務で使う際の注意点も実例で補足します。

対象読者

  • ウェブサイトの運営を始めたばかりの方
  • レンタルサーバーやWordPressでSSLを設定したい方
  • 基礎は知っているが実際の手順でつまずきやすい中級者

本書の構成と読み方

各章は独立して読めます。第2章で基本を学び、第3章で取得方法を確認し、第4章以降で環境別の設定手順を実行してください。実際の操作に入る前に、該当する章を一通り読むと理解が深まります。

事前準備

  • サイト管理者のログイン情報
  • レンタルサーバーのコントロールパネル情報
  • WordPressなら管理者権限
    これらがあれば、章ごとの手順をスムーズに実行できます。

このガイドを読み終える頃には、基本的なSSL化の流れと各環境での設定ポイントがわかるようになります。ご安心して読み進めてください。

SSL証明書とは何か

概要

SSL(Secure Sockets Layer)証明書は、ウェブサイトと利用者の間でやり取りする情報を暗号化し、第三者に内容を見られないようにする電子証明書です。例えば、ネットショップでクレジットカード番号を入力するとき、SSLが働くとデータが守られます。

なぜ必要か

・情報を盗まれにくくなる:通信が暗号化されるため、悪意のある第三者が内容を読み取れません。
・サイトの信頼性を示す:証明書は運営者の正当性を証明し、利用者の安心につながります。
・ブラウザ表示の変化:アドレスバーに鍵アイコンや「https://」が表示され、利用者が安全だと判断しやすくなります。

仕組み(簡単に)

  1. サイトは証明書を提示します。2. ブラウザはその証明書を確認し、安全なら通信を暗号化します。暗号化したデータは正しい相手だけが復号(読み取る)できます。専門用語は省き、要するに「データを見えない形にして渡す」仕組みです。

種類の簡単な説明

・ドメイン認証:ドメインの所有だけを確認する、手軽な証明書。
・組織認証/EV:企業の実在を厳しく確認するため、信頼度が高い。用途に合わせて選びます。

SSL証明書の取得方法

概要

SSL証明書の取得は大きく分けて5つのステップです。CSR作成、証明書の申込み、認証局の審査、証明書の発行、証明書のダウンロードです。レンタルサーバーで無料発行できる場合が多く、手順は簡単です。

ステップ1:CSR(証明書署名要求)の作成

CSRは公開鍵と申請情報をまとめたファイルです。レンタルサーバーの管理画面で自動生成することが最も簡単です。自分で作る場合は「ドメイン名」「組織名」などを入力して作成します。秘密鍵は必ず安全に保管してください。

ステップ2:証明書の申込み

認証局(CA)へ申込みます。ホスティング業者が無料で代行する場合は、ボタンを押すだけで完了するケースが多いです。自分で申請する場合はCSRを送ります。ドメイン所有の確認方法はメール、DNSレコード追加、HTTPファイル設置などがあります。

ステップ3:認証局による審査と承認

ドメイン認証なら短時間で完了します。企業情報の確認を伴う証明書は審査が長くなります。指示された方法で確認を行ってください。

ステップ4:証明書の発行とダウンロード

審査が通ると証明書ファイルと中間証明書(チェーン)が発行されます。管理画面からダウンロードして保存します。秘密鍵はサーバーに残したままにしてください。

ステップ5:インストールと自動更新

レンタルサーバーは自動で設定・更新してくれる場合が多いです。手動の場合は証明書と中間証明書、秘密鍵をアップロードします。期限切れ前に更新手続きを行ってください。

注意点

・秘密鍵は絶対に公開しないこと
・発行方式によって手続きや所要時間が変わること
・発行後はブラウザでの表示やSSLチェッカーで動作確認を行うこと

レンタルサーバー別のSSL設定方法

はじめに

さくら、エックス、スター各社での基本手順をわかりやすく説明します。共通する流れは「管理パネルでSSLを有効化→WordPressのサイトURLをHTTPSに変更→HTTPをHTTPSへリダイレクト」です。設定反映に最大1時間ほどかかることがあります。

共通の流れ(簡潔)

  1. 管理パネルで無料SSL(Let’s Encryptなど)を有効化
  2. WordPress管理画面の「設定→一般」でサイトURLをhttpsに変更
  3. HTTPアクセスをHTTPSへリダイレクト(サーバー側か.htaccessで設定)
  4. キャッシュやブラウザをクリアして動作確認

さくらのレンタルサーバ

コントロールパネル→ドメイン設定→対象ドメインのSSLを「利用する」に切替えます。反映後、WordPress側のURLを変更し、必要なら.htaccessで強制リダイレクトします。

エックスサーバー

サーバーパネルの「SSL設定」から独自SSL(無料)を追加します。ボタン操作で簡単に導入でき、多くの場合自動で証明書が更新されます。

スターサーバー

サーバコントロール→ドメイン設定→SSL設定で無料SSLを有効化します。反映時間があるため、しばらく待ってからURL変更を行ってください。

HTTP→HTTPSリダイレクト例(.htaccess)

以下をWordPressのルート直前に追加してください。

RewriteEngine On
RewriteCond %{HTTPS} !=on
RewriteRule ^ https://%{HTTP_HOST}%{REQUEST_URI} [L,R=301]

注意点

画像や外部スクリプトがHTTPだと「保護された通信」になりません。混在コンテンツをチェックして、すべてhttpsに置き換えてください。またキャッシュを削除して最終確認してください。

IIS(Windows Server)でのSSL設定方法

前提条件

  • 証明書(.pfxまたは発行機関からのファイル)を用意します。秘密鍵が含まれるPFXが最も簡単です。

1. MMCで証明書スナップインを追加してインポート

  1. [ファイル]→[スナップインの追加と削除]→[証明書]を選び、「コンピューターアカウント」を指定します。
  2. [個人] → [証明書] を右クリックし、[すべてのタスク]→[インポート]を選びます。
  3. PFXファイルを指定し、パスワードを入力。”秘密キーをエクスポート可能にする”は必要に応じてチェックします。

2. IISマネージャーで証明書を確認

  1. IISマネージャーを開き、サーバー名を選択します。
  2. 中央の「サーバー証明書」を開き、インポート済みの証明書があるか確認します。

3. サイトにバインド設定

  1. 左ペインでサイトを選び、右側の[バインドの編集]をクリックします。
  2. [追加]または既存のHTTPSバインドを編集し、タイプを”https”、ポートを”443″に設定。
  3. SSL証明書欄で先ほどインポートした証明書を選択します。SNI(ホスト名によるバインド)を使う場合はホスト名を入力します。

4. 動作確認とトラブル対処

  • ブラウザでhttps://your-domain を開き、鍵アイコンが表示されるか確認します。
  • 証明書が見つからない場合は、証明書が”個人”ストアにあるか、秘密鍵が紐づいているか確認してください。
  • 接続できない場合はファイアウォールでポート443が開いているか、IISを再起動してみてください。

WordPressプラグイン「Really Simple SSL」を活用した設定

概要

Really Simple SSLは、WordPressサイトをHTTPSへ切り替える作業を大幅に簡単にするプラグインです。まずレンタルサーバーの管理画面でSSL証明書を発行し、有効化してください。その後にプラグインで残りの設定を行います。

手順(初心者向け)

  1. サーバーでSSL証明書を発行・有効化(例:レンタルサーバーの「無料SSL」ボタンをクリック)。
  2. WordPress管理画面の「プラグイン」→「新規追加」で「Really Simple SSL」を検索してインストール。
  3. プラグインを有効化するとセットアップ画面が表示されます。「Go ahead, activate SSL!」のようなボタンを押して自動設定を実行します。
  4. プラグインがサイトURLをhttpsに更新し、HTTP→HTTPSへのリダイレクトを追加します。混在コンテンツ(画像やCSSがhttpのまま)のチェックはプラグインの「Mixed Content fixer」で行えます。

注意点

  • 事前に必ずサイトのバックアップを取ってください。データベースやファイルのバックアップがあると安心です。
  • キャッシュプラグインやCDNを使っている場合は、設定後にキャッシュをクリアし、CDNもパージしてください。
  • ほかのSSL関連プラグインやサーバー側のリダイレクトと重複しないよう注意してください。

よくあるトラブルと対処法

  • 鍵マークが出ない:Mixed Contentが原因です。プラグインのMixed Content fixerでプリロードし、手動でhttpのリソースをhttpsに変更します。
  • 無限リダイレクト:サーバー側設定とプラグインのリダイレクトが競合している可能性があります。一方を無効にして確認してください。

最後に

プラグインは初心者に優しいツールです。基本機能は無料で使えますが、細かいHTTPヘッダー設定や自動置換の高度な機能は有料版にあります。まずは無料版で動作確認を行い、必要に応じて追加設定を検討してください。

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