aws公式アイコンを活用した構成図作成の基本と手順

目次

はじめに

ご挨拶

本ガイドへようこそ。ここではAWSの構成図を初めて作る方から、既に作成しているが改善したい方までを想定し、分かりやすく手順と注意点を解説します。図の目的や使い方を明確にして、読み手に伝わる構成図を作る方法をお伝えします。

目的

  • AWS構成図の基本を理解する
  • 公式アイコンの入手と使い方を知る
  • 実務で役立つ作成手順とルールを学ぶ

対象読者

  • システム設計者、運用担当者、エンジニア、ITドキュメント作成者
  • 図の作成経験が浅い方でもついてこれる内容です

本ガイドの構成と使い方

本書は全8章で構成します。第2章以降で図の素材や作成手順、具体例、ツールを順に説明します。章ごとに手を動かしながら学べるように例を交えています。まずは目的を明確にして進めてください。

前提

基本的なネットワークやクラウドの用語が分かると読みやすいです。用語が不明な場合は、該当章で補足説明をします。

AWS構成図とは

システム構成図とアーキテクチャ図の違い

システム構成図は、サーバーやネットワーク機器、クライアントPCなどの具体的な接続関係を示す図です。一方、アーキテクチャ図は、システム全体の設計構造を抽象化して示します。前者は実装や運用向け、後者は設計や方針の共有に向きます。

AWS構成図の目的

  • 関係者間の共通理解を作る
  • 運用や障害対応の手順を明確にする
  • 拡張や移行の計画を立てやすくする

AWS公式アイコンを使う理由

公式アイコンはサービスを視覚的に分かりやすく表現します。アイコンを統一すると図の可読性が上がり、誤解を減らせます。

簡単な具体例

Webアプリ構成なら、ロードバランサ(ELB)→ アプリサーバ(EC2)→ データベース(RDS)、静的ファイルはS3に置く、と図で示します。これにより、どこにボトルネックが起きやすいかや、冗長化の必要箇所が見えやすくなります。

AWS公式アイコンの入手方法

概要

AWS公式のアイコンセットはAWSの「アーキテクチャアイコン」ページから入手できます。公式が配布するため、最新のサービス名や見た目が反映されており安心して使えます。

ダウンロード手順(簡単4ステップ)

  1. AWSのアーキテクチャアイコンページへアクセスします。
  2. 提供されているツールキット(PowerPoint、Sketchなど)やアイコンセット(PNG、SVG)を選びます。
  3. ライセンスや利用規約を確認してダウンロードボタンを押します。
  4. ZIPを展開して、必要なフォルダからアイコンを取り出します。

ファイル形式の選び方

  • PNG: そのまますぐ使えます。背景透過のものもあり、資料作成に便利です。
  • SVG: 拡大しても荒れないため、印刷や高解像度出力に向いています。図を大きくしたい場合はこちらを推奨します。

利用時の注意点

  • 商用利用や配布に関する規約を確認してください。
  • アイコンの色や形を大きく変えると誤解を招く場合があります。原形を保ちながら配置することをおすすめします。

活用のヒント

PowerPointならそのままスライドに貼れます。SVGは図形ソフトで色やサイズを調整しやすく、視認性の高い構成図作成に役立ちます。

AWS構成図に使用されるアイコンの種類

グループアイコン(VPC、サブネット)

VPCやサブネットは構成図の領域を示すために使います。例:VPCは外枠で囲み、サブネットは色や境界線で分けます。境界を明確にするとネットワーク分離が伝わりやすくなります。

AWSサービスアイコン(サービス群)

サービスアイコンはEC2やS3などのサービス全体を表します。例:S3はストレージ群、Lambdaはサーバレス機能を示します。高レベルのアーキテクチャ図で使うと役立ちます。

AWSリソースアイコン(具体的リソース)

個別リソース(例:特定のEC2インスタンス、RDSインスタンス)を表します。リソースIDや役割をラベルで補足すると運用時に分かりやすくなります。

一般リソースアイコン(外部要素)

オンプレミス、ユーザー、サードパーティサービス、インターネットなどAWS外の要素を表すアイコンです。例:ユーザーは人のアイコン、オンプレはラック図で示します。

矢印・線(通信・依存関係)

実線=同期通信、点線=非同期や依存を表すなどルールを決めて使います。矢印は方向とラベルで通信の性質(HTTP、SSH、VPC Peering)を明示してください。

使用のコツ:公式アイコンを使い、ラベルと色で意味を統一し、過度な情報を避けて見やすく整理してください。

構成図作成の流れ

1. 背景テーマの選択

まず図の目的を決め、背景テーマを選びます。例:可用性の説明なら冗長構成、コスト最適化なら最小構成を軸にします。配色は読みやすさを優先します。

2. グループの配置

ネットワークやサブシステムごとに領域(VPC、サブネット、オンプレ環境など)を四角で分けます。視線の流れを意識し、左から右、上から下の順に配置するとわかりやすくなります。

3. サービス・リソースアイコンの追加

公式アイコンを使い、役割ごとに並べます。アイコンは同じサイズで揃え、ラベルを付けて誰が見ても意味が分かるようにします。

4. 矢印による接続

データやリクエストの流れを矢印で示します。双方向は両矢印、非同期は点線矢印などルールを決めて統一してください。

5. 番号や注釈の追加

処理順や重要点には番号を付け、補足は注釈で説明します。複雑な経路は別枠でフローを図示すると親切です。

チェックリスト(作成後)

  • 目的に沿っているか
  • アイコンとラベルが揃っているか
  • 流れが直感的か
  • 不要な情報が含まれていないか

上の順序を守ると、誰にでも伝わる構成図が作れます。

AWS構成図作成のガイドライン

テーマ選び

ライトテーマとダークテーマのどちらかを用途に応じて選びます。プレゼン資料や印刷向けはライト、運用ダッシュボードや夜間閲覧が多い場合はダークが適します。色のコントラストを必ず確認してください。視認性が落ちる配色は避けます。

ラベルとフォント

ラベルは全て12pt、Arialで統一します。サービス名は長くなりがちなので、表示は最大2行までに抑えてください。説明が必要な場合は注釈や凡例で補足します。

アイコン配置とサイズ変更

アイコンは同一種類ごとにサイズを揃えて配置します。サイズを変更する際はShiftキーを押しながら比率を維持することを推奨します。これでアイコンが歪まず見た目が整います。

配置・整列・余白

グリッドに合わせて配置し、左右・上下の余白は均等に保ちます。主要コンポーネントは読みやすい順序で左上から右下へ流すと理解されやすくなります。

線と矢印の扱い

接続線は太さと色を統一し、矢印でデータの流れを明示します。複雑な経路は色や点線で区別し、交差部分に注釈を添えると誤解を防げます。

グルーピングとレイヤー

関連するサービスは枠で囲んでグループ化します。環境(Prod/Dev)やネットワーク層ごとにレイヤーを分けると見やすくなります。

管理・共有のルール

ファイル名、バージョン、作成日を記載し、変更履歴を残します。SVGで保存すれば拡大や編集が容易です。PNGは配布用に適しています。

これらの指針に従えば、見やすく伝わるAWS構成図を効率よく作成できます。必要に応じてテンプレート化すると作業が更に速くなります。

実践的な構成図作成例

概要

よく使うアイコン配置の典型例を示します。ユーザー→インターネット→CloudFront→ALB→EC2→RDSの流れを基本パターンとします。CloudFrontはキャッシュとして前段に置き、ALBがトラフィックを分散し、EC2がアプリ処理、RDSがデータ保存を担います。

レイアウト例

  • 左端にユーザー(ブラウザ/モバイル)アイコン
  • その右に『インターネット』とCloudFrontアイコン(矢印で接続)
  • VPC枠を図の中央に配置し、パブリックサブネットとプライベートサブネットを分ける
  • パブリック側にALB、プライベート側に複数のEC2(Auto Scalingを注記)
  • データベース(RDS)は別のプライベートサブネットに配置し、明確に隔離する

配置のポイント

  • アイコンは左から右、上から下へ処理の流れが分かるよう並べる
  • 同じ役割のリソースはグループ化して囲いを付ける
  • 可用性を示すために複数AZのアイコンやラベルを入れる

セキュリティとネットワーク

  • ALBはインターネット向け(パブリック)、EC2とRDSはプライベートにする
  • セキュリティグループやルートテーブルは図に簡潔に追加する
  • 秘匿情報は図に含めず、別ドキュメントで管理する

読みやすくする工夫

  • 色を限定して役割ごとに統一する(例:ネットワークは青、コンピュートは緑)
  • 矢印は太さやラベルで通信方向やプロトコルを示す
  • 凡例とラベルを必ず付け、アイコン名と役割を短く記載する

作成手順(短く)

  1. 要求を整理して主要コンポーネントを決定
  2. 左から右の順でアイコンを配置
  3. サブネットやAZでグループ化
  4. セキュリティや接続を明記
  5. 凡例と命名規則を付けて完成

構成図作成ツール

概要

AWS公式が推奨するツールとしてdiagrams.net(旧draw.io)が挙げられます。AWS 2025アイコンセットに対応しており、公式アイコンを簡単に配置して効率よく作図できます。

推奨ツール

  • diagrams.net:無料で使いやすく、オフラインでも動作します。アイコンライブラリとテンプレートが豊富です。SVGやPNGで書き出せます。

代替ツール(用途別)

  • Lucidchart:共同編集やテンプレートが多く、チーム作業に向きます。
  • Figma:デザイン寄りの自由度が高く、細かい調整や共有が得意です。
  • Cloudcraft:AWS向けの専用ツールで、コスト見積もり機能があります。

選び方のポイント

  • 共同編集が必要か、単独作業かで選んでください。
  • 予算やエクスポート形式(SVG/PNG/PDF)を確認してください。
  • 公式アイコンの扱いやすさ、テンプレートの有無を重視してください。

実践のコツ

  • アイコンは公式セットを使い、色やサイズを統一してください。
  • レイヤーやグループ化で管理すると編集が楽になります。
  • テンプレートと再利用コンポーネントを作成して作業効率を上げてください。

ファイル管理と共有

  • バージョン管理やコメント機能を活用してください。クラウド保存で共同編集や履歴確認が簡単になります。
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