はじめに
概要
本ドキュメントは、AWSのサーバーレスサービス「AWS Lambda」についてやさしく解説します。読み方や基本的な特徴、使い方、応用例までを順を追って説明します。
本書の目的
Lambdaの基本的な理解を助け、実際に使ってみたくなることを目標にしています。用語はできるだけかみ砕いて説明します。
対象読者
プログラミング経験が少しある方や、クラウドに触れてみたい方を想定しています。専門用語は最小限にし、具体例で補足します。
本章で学べること
本章では全体の構成と進め方を示します。以降の章で何を学べるかを把握し、学習の道筋をつかめます。
読み進め方の提案
各章を順に読めば基礎から応用まで無理なく理解できます。実際に手を動かすセクションも用意しますので、試しながら進めてください。
AWS Lambdaの読み方と基本情報
読み方と発音
AWS Lambdaの正しい読み方は「ラムダ」です。公式の動画やドキュメントでも同様に案内されており、発音の参考にできます。
Lambdaとは何か
Lambdaはサーバーを自分で管理せずにプログラムを実行できるサービスです。開発者はサーバーの設定や運用を気にせず、書いたコードだけを動かせます。短時間の処理やイベントに応じた実行に向いています。
主な特徴
- サーバー管理が不要で運用工数を減らせます。
- 必要なときだけ処理が動き、使った分だけ料金が発生します。
- 他のAWSサービスと連携しやすく、画像処理や通知、定期実行に便利です。
利用のイメージ例
例えば、ユーザーが画像をアップロードすると自動でサイズを変換する処理をLambdaで呼び出せます。このようにインフラを意識せずに機能を追加できます。
Lambdaの使用方法
アクセス方法
AWSにログインし、画面上の検索窓に「lambda」と入力すると該当サービスが表示されます。クリックするとLambdaの管理画面に移動します。初めてでも直感的に操作できます。
関数の作成手順（基本）
- 「関数の作成」を選びます。名前と実行環境（ランタイム）を決めます。
- 実行ロール（権限）を設定します。最小限の権限を付けるのが安全です。
- コードはコンソール内で編集するか、ZIPやコンテナとしてアップロードできます。
ハンドラー例（JavaScript）
exports.handler = async (event) => {
const name = event.name || 'World';
return { statusCode: 200, body: `Hello ${name}` };
};
この関数は入力（event）から名前を取り出し、挨拶を返します。LambdaはPythonやJava、Go、C#など多言語に対応しています。
トリガーと設定
API GatewayでHTTPエンドポイントにする、S3のイベントで画像処理する、CloudWatchイベントで定期実行するなど、用途に応じてトリガーを設定します。タイムアウトやメモリは用途に合わせて調整してください。
テストと運用の基本
コンソールでテストイベントを作成して動作確認します。実行ログはCloudWatchに残るので、エラー確認やパフォーマンス把握に使います。バージョン管理やエイリアスで本番切替を安全に行えます。
実務での注意点
短時間で処理する設計にするとコストを抑えやすくなります。外部サービスへアクセスする場合はタイムアウトとリトライを考慮してください。セキュリティは実行ロールの最小権限を意識してください。
（この章では操作の基本と実務で気をつける点を中心に説明しました。）
Lambdaの応用例
概要
Lambdaは他のAWSサービスと組み合わせて、音声合成やファイル変換などの処理パイプラインを効率的に作れます。ここではPollyで音声を作り、S3に保存、S3イベントでLambdaを呼び出してffmpegで変換し再アップロードする流れを例に説明します。
仕組みの流れ（具体例）
- アプリがPollyを呼び出しMP3をS3に保存します。例：ナレーション音声を自動生成。
- S3の「オブジェクト作成」イベントでLambdaが起動します。
- LambdaはS3からファイルを取得し、ffmpeg（Lambda layerやコンテナに含める）で形式変換や結合、音量調整を行います。
- 変換後のファイルを別のS3パスにアップロードし、必要に応じてDynamoDBへメタ情報を登録したり、SNSで通知します。
実装上のポイントと注意点
- 実行時間：Lambdaのタイムアウト（最大15分）を意識し、大きな処理はStep FunctionsやECSに任せることを検討します。
- ストレージ：一時ファイルは/tmpに置けますが容量制限があるため大きいファイルはEFSを使います。
- 依存関係：ffmpeg等はLayerかコンテナで提供します。バイナリは実行環境に合わせて用意してください。
- 信頼性：処理失敗時はDLQやリトライ、Step Functionsのエラーハンドリングを設定します。
- 権限：S3、Polly、KMSなどアクセスに必要な最小権限のIAMロールを付与してください。
応用の広がり
同じパターンで、画像のサムネイル作成、字幕ファイルの生成、音声のテキスト化（Transcribe連携）など多様なワークフローを短期間で構築できます。Lambdaを起点に小さな処理を連結して自動化するのに向いています。
まとめ
要点の振り返り
AWS Lambdaの読み方は「ラムダ」です。公式の説明動画でも確認できます。Lambdaはサーバーを意識せずにコードを実行できるサービスで、複数のプログラミング言語に対応します。短時間で起動し、小さな処理を効率よく実行できます。
実務で覚えておきたいこと
- イベント駆動で動くため、ファイルのアップロードやAPIの呼び出しなどをきっかけに処理を開始できます（例：画像をアップロードするとサムネイルを作る）。
- 他のAWSサービスと組み合わせると、より便利になります（例：S3に保存→Lambdaで処理→結果をデータベースに保存）。
- コードと設定を小さく保つと管理しやすくなります。短い処理や頻繁に変わる機能に向きます。
次に何をすればよいか
まずは簡単なハンズオンで試してください。小さな関数を作ってイベントで動かし、ログを確認すると理解が深まります。実務では、安全性や実行時間、コストに注意して設計すると効果が出ます。Lambdaは柔軟で強力なツールです。上手に使えば日々の開発を大きく楽にできます。
