はじめに
目的
このドキュメントは、WordPressを使って初心者がホームページを作成するための具体的な手順を分かりやすく示します。専門知識が少なくても、順を追えば自分のサイトを公開できるように作りました。
対象読者
- 初めてホームページを作る方
- 個人ブログや小規模な事業用サイトを自分で作りたい方
本書で学べること
レンタルサーバーの契約、ドメイン取得、SSL設定、WordPressのインストールとログイン、テーマの導入と初期設定、そしてデザインやコンテンツ作りまで、全7ステップを順番に解説します。各章で実際の手順と注意点を具体例で示します。
準備するもの(始める前に)
- パソコン(Windows/Macどちらでも可)
- インターネット接続
- メールアドレス
- 支払い手段(クレジットカードや銀行振込など)
進め方のポイント
- 最初に目的(情報発信・集客・ポートフォリオなど)を決めると設計が楽になります。例:ブログなら投稿のカテゴリ、事業用なら連絡先の配置を考える。
- 一つずつ手順を進めれば失敗が少ないので、焦らず順番に進めてください。
- 作業中はパスワードやバックアップに注意しましょう。セキュリティは後から直すより最初に整えると安心です。
WordPressホームページ作成に必要な基礎知識
WordPressとは
WordPressは、文章や画像を簡単に管理できるソフトです。ブログや会社サイト、店舗サイトなど幅広く使えます。操作は画面上ででき、専門知識が少なくても始められます。
ドメイン(サイトの住所)
ドメインはインターネット上の住所です。例として「your-site.com」のように見えます。訪問者はこの住所を入力してサイトに来ます。取得はお名前.comやムームードメインなどのサービスで行います。
サーバー(データを置く場所)
サーバーはホームページのデータを置く倉庫です。レンタルサーバーを契約すると、サイトのファイルやデータベースを保存できます。共有型は安価で始めやすく、アクセスが増えると専用やクラウドに移すことも可能です。
テーマ(デザインテンプレート)
テーマはサイトの見た目です。無料テーマと有料テーマがあります。好みのレイアウトや色を選び、カスタマイズして見栄えを整えます。
プラグイン(機能の追加)
プラグインは機能を増やす拡張アプリです。例:お問い合わせフォーム、SEO対策、画像の最適化など。必要な機能だけ入れて軽く保つことが大切です。
ステップ1:レンタルサーバーを契約する
レンタルサーバーとは
ホームページのデータを置く場所です。自分でサーバーを運営する代わりに、業者が管理してくれるため初心者でも負担が少なく済みます。
サーバー選びのポイント
- プラン(表示速度や同時アクセス数): ブログや個人サイトなら低〜中のプランで十分です。
- 容量と転送量: 画像や動画を多く使う場合は余裕を持ちましょう。
- 管理画面の使いやすさ: コントロールパネルが分かりやすいと作業が楽です。
- WordPress自動インストールやドメイン取得、無料SSL対応の有無: 機能が揃っていると設定が簡単です。
- バックアップとサポート: トラブル時に相談できる体制があるか確認します。
契約の流れ(簡単)
- プランを選ぶ
- アカウント登録と支払い
- ドメインを設定(後で行うことも可)
- WordPress自動インストールを実行
契約後の初期設定
- サイトの動作確認
- SSL(https)有効化
- 初期バックアップの取得
注意点
- 解約やプラン変更の条件を確認してください。
- 自動更新や請求方法も把握しておくと安心です。
ステップ2:ドメインを取得する
なぜドメインが必要か
ホームページの住所に当たります。覚えやすいドメインは信頼につながり、名刺や広告にも使えます。例えば「yourcompany.com」や「osaka-cafe.jp」のように業種や地域が分かる名前が良いです。
ドメインの選び方のポイント
- 短く覚えやすい名前にする。スペルミスを防ぐため簡単な単語を使います。
- 目的に合った末尾を選ぶ。一般的には.com、企業や日本向けなら.jp、地域や業種で.ne.jpなどを検討します。
- 商標や既存のブランドと重複しないか確認する。
取得手順(簡単な流れ)
- レンタルサーバーまたはドメイン登録サービスで検索。欲しい名前が使えるか調べます。
- 使用可能なら申し込み、支払いを行います。多くは年単位の契約です。
- DNSの設定をサーバー側で行い、サイトと紐づけます(サーバー会社のガイドに従うと簡単です)。
注意点
- 人気のドメインは早く取られます。候補をいくつか用意しましょう。
- プライバシー保護(登録者情報の公開を防ぐ)オプションを確認してください。
手続きはレンタルサーバー契約時にまとめて行えることが多く、初心者でも無理なく進められます。
ステップ3:SSL設定を行う
SSLとは
SSLはウェブサイトと閲覧者の間の通信を暗号化する仕組みです。導入するとブラウザのアドレスバーに鍵マークが付き、個人情報の漏えいを防げます。
設定の流れ(簡潔な手順)
- ホスティング会社の「自動SSL」機能を確認する
- 多くのレンタルサーバーは無料のLet’s Encryptを提供します。管理画面で「SSLを有効化」するだけで済む場合が多いです。
- 手動で証明書を入れる場合
- サーバーでCSRを作り、発行された証明書をサーバーにインストールします。cPanelやサーバー管理画面のSSL設定に従ってください。
- WordPress側の設定変更
- 管理画面の「設定→一般」でサイトURLを“https://”に変更します。さらにサーバー側でhttp→httpsのリダイレクトを設定します(.htaccessやホスティングのリダイレクト機能、またはプラグイン「Really Simple SSL」など)。
- 混在コンテンツの修正
- 画像やCSS、スクリプトのURLがhttpのままだと鍵マークが表示されません。内部リンクをhttpsに置換するか、検索置換プラグインで一括修正します。
- 更新と確認
- Let’s Encryptは自動更新される場合が多いです。有料証明書は期限を管理して更新してください。
よくあるトラブルと対処
- 鍵マークが出ない:混在コンテンツを探して修正します。
- リダイレクトループ:サイトURL設定とサーバーのリダイレクト設定を見直します。
- 反映されない:ブラウザキャッシュやCDNのキャッシュをクリアします。
確認方法
ブラウザで鍵マークを確認するか、オンラインのSSLチェックツールで証明書の有効期限や設定を確認してください。
SSLは訪問者の信頼を高める重要な設定です。順序に沿って落ち着いて作業すれば、確実に安全性を高められます。
ステップ4:WordPressをインストールする
概要
サーバーとドメインが準備できたら、レンタルサーバーの「簡単インストール」機能を使うと短時間でWordPressを導入できます。クイックスタート機能は設定まで自動で行うので初心者に便利です。
準備するもの
- レンタルサーバーの管理画面へのログイン情報
- 使用するドメイン名
- メールアドレス(管理者用)
簡単インストール手順(推奨)
- サーバーの管理画面にログインします。
- 「WordPress簡単インストール」または「クイックスタート」を選びます。
- インストール先ドメインを選択します。
- サイトタイトル、管理者ユーザー名、パスワード、メールを入力します。
- インストールを開始し、完了したら表示されるURLで動作を確認します。
手動インストール(必要なとき)
- WordPress公式から最新版をダウンロードします。
- サーバーの公開フォルダにアップロードします。
- データベースを作成し、接続情報をwp-config.phpに設定します。
- インストーラー(yourdomain/wp-admin/install.php)をブラウザで実行します。
初期設定のポイント
- 管理画面でサイトタイトル、パーマリンク、タイムゾーンを設定します。
- 管理者アカウントは一般名(例: admin)を避け、強いパスワードを使います。
- SSLが有効か確認し、httpsで表示されるかチェックします。
よくあるトラブルと対処
- データベース接続エラー:接続情報(DB名、ユーザー名、パスワード)を確認します。
- インストール後に真っ白:メモリ不足やプラグインの影響が考えられるので、デバッグログを参照します。
ちょっとしたコツ:導入直後にバックアッププラグインを入れておくと安心です。
ステップ5:WordPressにログインする
ログインページにアクセス
インストール後は管理画面にログインします。ブラウザで「https://あなたのドメイン/wp-admin」か「https://あなたのドメイン/wp-login.php」を開いてください。例: https://example.com/wp-admin
ログイン手順(3ステップ)
- ユーザー名(またはメールアドレス)を入力します。
- インストール時に設定したパスワードを入力します。
- 「ログイン」を押します。成功すればダッシュボードに移動します。
ログインできないときの確認ポイント
- 入力ミス: 大文字小文字を確認してください。
- パスワード忘れ: 「パスワードをお忘れですか?」で再設定できます。
- キャッシュやブラウザ: 別のブラウザやシークレットモードで試してください。
- サーバーやSSL: サーバーが動作しているか、URLがhttpsで正しいか確認します。
ログイン後にまず見る場所(ダッシュボードの主要箇所)
- 左メニュー「投稿」:記事を作る場所です。
- 「固定ページ」:会社概要などの固定コンテンツです。
- 「外観」:テーマやメニューの設定を行います。
- 「プラグイン」:機能を追加できます。
- 「設定」:サイトの一般情報や表示設定を変更します。
必要なら二段階認証を追加してセキュリティを高めてください。
ステップ6:WordPressテーマのインストールと初期設定
テーマのインストールと有効化
管理画面の「外観」→「テーマ」→「新規追加」から公式ディレクトリを検索してインストールします。手元にある.zipは「テーマのアップロード」で追加し、有効化してください。デザインが変わりサイトの見た目がすぐ反映されます。
外観のカスタマイズ(ロゴ・サイトアイコン)
「外観」→「カスタマイズ」でロゴ、サイトアイコン、色、フォントなどを設定します。スマホ表示も確認して見切れがないか調整してください。
サイトタイトルとキャッチフレーズ
「設定」→「一般」でサイトタイトルとキャッチフレーズを入力します。検索結果やSNSで表示されるので分かりやすく短めにします。
トップページを固定ページに設定
「設定」→「表示設定」でホームページ表示を「固定ページ」にして、作成したトップ用ページを選びます。ブログ一覧を別ページに指定できます。
コメント機能の無効化
「設定」→「ディスカッション」でコメントをオフにするか、投稿ごとにコメントを受け付けない設定にします。迷惑コメント対策になります。
パーマリンク設定
「設定」→「パーマリンク」で「投稿名」など見やすい形式を選びます。SEOとユーザーの分かりやすさのため推奨します。
不要なページやプラグインの削除
デフォルトのサンプルページや不要なプラグインは削除します。使わないプラグインは停止→削除して軽く保ちます。
バックアップの設定
定期バックアップ用のプラグイン(例:UpdraftPlus)を入れて、自動で外部に保存するよう設定します。万が一に備えて必須です。
子テーマと更新管理
独自のCSSや大幅な変更をする場合は子テーマを作成してください。テーマ更新時に上書きされないようにします。
ステップ7:デザインやコンテンツの作成
はじめに
初期設定が終わったら、事前に考えた構成に沿ってデザインと中身を作ります。ここでは実務で使える具体的な手順を丁寧に説明します。
デザイン方針を決める
ターゲットと目的を明確にします(例:集客用なら問い合わせを目立たせる)。色は2〜3色に絞り、フォントは読みやすさ優先で選びます。
ページ構成の作成
基本はホーム・会社概要(または自己紹介)・サービス(または商品)・ブログ・お問い合わせです。各ページに役割を決め、導線(どこからどこへ誘導するか)を作ります。
ヘッダー・ナビ・フッター
ロゴと主要メニューをヘッダーに置き、重要な行動(問い合わせや申し込み)のボタンを目立たせます。フッターには連絡先やSNSリンクを入れます。
コンテンツ作成のコツ
見出しを使って段落を短くし、箇条書きや具体例で分かりやすくします。画像は適切なサイズで、alt属性を必ず入力してください。
画像と著作権
フリー素材を使うか、自分で撮影した画像を使います。商用利用可の素材か必ず確認してください。
基本的なSEOとモバイル対応
ページタイトルとURLは簡潔にし、内部リンクを張ります。スマホ表示で崩れないか必ず確認してください。
公開前のチェック
リンク切れ、フォーム送信、表示崩れ、読み込み速度を確認して問題がなければ公開します。












