AWS QuickSightの料金と変更点を徹底解説!最新情報

目次

はじめに

本記事の目的

本記事は、Amazon QuickSightの料金体系をわかりやすく解説することを目的としています。特に2025年5月1日から適用されるReader料金の大幅な変更を中心に、ユーザーロール別の料金や追加機能の費用、旧料金との比較シミュレーションまで丁寧に説明します。

対象読者

BI担当者、IT予算管理者、経営企画、サービス導入を検討中の方など、料金影響を把握したい方を想定しています。専門用語は最小限にし、具体例を使って説明します。

本記事で扱う主な内容(章立て)

  • QuickSightの基本的な料金体系:ロールごとの違いを整理します。
  • Reader料金の改定(2025年5月1日):変更点と影響を中心に解説します。
  • 旧料金との比較シミュレーション:実例で差額を示します。
  • Readerセッションのキャパシティ計画:運用面の対処方法を説明します。
  • Amazon Qの料金:追加機能の費用について触れます。
  • 他のBIツールとの料金比較:検討材料を提供します。

読み方のポイント

各章で前提条件や想定ユーザー数を明示します。具体的な数字の比較が必要な場合は、シミュレーションの章をご覧ください。章ごとに独立して読める構成にしています。

QuickSightの基本的な料金体系

料金の基本構成

Amazon QuickSightの料金は、ユーザーの役割と利用形態で決まります。作成する人(Author)と閲覧だけの人(Reader)で料金体系が分かれ、契約形態により月額または従量課金になります。

主なロールと料金(概要)

  • Author(作成者): ダッシュボードやレポートを作るユーザー向けです。標準版は月額24ドル、年間契約時は月換算で18ドルとなります。Amazon Q機能を使えるAuthor Proは月額50ドルです。
  • Reader(閲覧者): ダッシュボードを閲覧するだけのユーザー向けです。従来はセッションごとの従量課金制でした。

料金を考えるポイントと具体例

導入時は、だれが作成し、だれが閲覧するかを分けて考えてください。たとえば、Authorが10人で標準版を月額で契約すると、10×24ドルで月240ドルになります。年間契約なら同じ10人で月換算180ドル、年額では2,160ドルです。Readerは閲覧頻度やセッション数によって費用が変わるため、利用状況を把握してコスト試算を行うと安心です。

Reader料金の大幅な変更(2025年5月1日)

概要

2025年5月1日より、QuickSightのReader料金は従来のセッション課金から月額固定制に移行します。これにより請求モデルと利用者別のコスト感が大きく変わります。

変更点の詳細

  • 旧料金:1セッションあたり0.3ドル、1セッションは30分。ユーザーごとの月額上限は5ドル。
  • 新料金:ユーザーごとに月額3ドル(利用頻度に関係なく発生)。

料金影響の具体例

  • 低頻度利用者(例:月4セッション)
  • 旧料金:4×0.3=1.2ドル → 新料金:3ドル(コスト増)
  • 中頻度利用者(例:月10セッション)
  • 旧料金:10×0.3=3ドル → 新料金:3ドル(同額)
  • 高頻度利用者(例:月20セッション)
  • 旧料金:20×0.3=6ドルだが上限で5ドル → 新料金:3ドル(コスト減)

会社への影響と実務的な対処

  • 予算の見通しが立てやすくなります。使用が少ない利用者ほど単価が上がる点に注意してください。したがって、利用実態の把握が重要です。
  • 対策例:ユーザー利用履歴を監査して、本当に常時アクセスが必要なユーザーにのみライセンスを付与する、共有レポートや定期配信で閲覧需要を減らす、など。

注意点

  • 月額固定はコスト予測に有利ですが、利用が少ないユーザーが多い場合は総費用が増える可能性があります。導入前に現在のセッション数を集計して影響を試算してください。

旧料金と新料金の比較シミュレーション

前提

下記の計算はご提示の例(1,000人・月間500セッションで旧料金150ドル、新料金3,000ドル)を基に単価を逆算して行います。
– 旧料金(仮定): ユーザーあたり0.15ドル/月(1,000人で150ドル)
– 新料金(仮定): セッションあたり0.006ドル(1,000人×500セッション=500,000セッションで3,000ドル)
これらは説明用の単純化した仮定です。実運用では他の要素も確認してください。

ケースA:低頻度利用(大多数が月10セッション)

計算:1,000人×10セッション=10,000セッション
– 旧料金:1,000人×0.15ドル=150ドル/月
– 新料金:10,000×0.006ドル=60ドル/月
結論:利用が少ない場合は新料金が安くなります。

ケースB:中頻度利用(提示の例)

計算:1,000人×500セッション=500,000セッション
– 旧料金:150ドル/月(同上)
– 新料金:500,000×0.006ドル=3,000ドル/月
結論:利用頻度が中〜高だと新料金が大幅に高くなります(約20倍)。

ケースC:少人数の高頻度ユーザー

計算:200人×2,000セッション=400,000セッション
– 旧料金:200×0.15ドル=30ドル/月
– 新料金:400,000×0.006ドル=2,400ドル/月
結論:少人数でもセッション数が多いとコストは急増します。

考え方のポイント

  • 利用人数よりセッション数が重要です。したがって、頻度の高いユーザーが多い組織は影響が大きくなります。
  • 採用前に実際のセッション分布を確認し、代表的な月でシミュレーションしてください。

Readerセッションキャパシティプラン

概要

Readerセッションキャパシティプランは、あらかじめセッション数を購入して利用する方式です。購入することでセッションあたりの単価を下げられる可能性があります。旧料金は0.3ドル/セッションでしたが、キャパシティの月間プランは0.5ドル/セッションからの設定となります。

仕組みと利点

  • 事前購入:月単位で必要なセッション数を確保します。
  • コスト安定化:利用が増えても単価が固定または段階的に下がるため予算が立てやすくなります。
  • 利用傾向に応じた節約:利用頻度が低いユーザーが多い場合、月額固定にすることで無駄な従量課金を避けられ、結果的に安くなることがあります。

検討の手順(簡単な計算例)

1) 月間の総セッション数を見積もる(例:500セッション)。
2) 旧料金での費用=500×0.3=150ドル。
3) キャパシティ(ベース0.5)での費用=500×0.5=250ドル。
4) キャパシティは大口割引や契約条件で単価が下がることがあるため、割引後の単価で再計算してください。

導入時のポイント

  • まずは過去の利用実績を集めて月間セッション数を正確に出します。
  • ベース価格(0.5ドル)だけで判断せず、大口割引や契約期間を確認します。
  • 利用が変動する環境では、シナリオ別に費用を試算してから契約することをおすすめします。

Amazon Q in QuickSightの料金

Amazon QをQuickSightで利用する場合、追加の月額料金が発生します。主なポイントは次の通りです。

  • Author Proロール:1ユーザーあたり月額50ドルです。Proロールを持つユーザーがクエリ機能など高度な機能を使えます。
  • Amazon Q有効化料金:アカウントごとに月額250ドルがかかります。アカウント内に少なくとも1名のProユーザーがいるか、1つでもAmazon Qトピックが存在すると、この料金が適用されます。
  • 無料利用枠:新規アカウントは30日間無料でAmazon Qを試せます。30日を過ぎると自動的に有効化料金が課金されますので注意してください。

具体例:
– 例1(小規模):Proユーザー1名のみの場合、Pro料金50ドル+有効化250ドルで合計300ドル/月になります。閲覧専用のReaderはここに含まれません。
– 例2(複数開発者):Proユーザーが3名いると、3×50ドル=150ドルに有効化250ドルを足して合計400ドル/月です。
– 例3(Proユーザーなしでトピックあり):ProユーザーがいなくてもAmazon Qトピックを作成すると250ドルが発生します。

運用上の注意:
– 無料期間終了前に通知を設定し、試用後の自動課金を避けるか受け入れる計画を立ててください。
– コストを抑えたい場合は、Proユーザー数を最小限にするか、Qトピックの作成を必要最小限に制限してください。
– 請求状況は定期的に確認し、不要なトピックやProロールを削除すると課金を抑えられます。

他のBIツールとの料金比較

QuickSightは従来、セッション単位の従量課金で「閲覧が少ない利用者に安く済む」柔軟性が特徴でした。2025年5月1日以降は月額固定制に移行しますので、料金の見え方が変わります。

料金モデルの違い

  • QuickSight(新制度): 月額固定制。利用頻度に関わらずコストが安定します。導入の予算化がしやすい反面、閲覧がまれなユーザーが多い環境では従来より割高になる可能性があります。
  • Tableau: ユーザー単位の固定ライセンス。分析担当の少人数で本格的に使う場合に向きます。機能ごとにライセンス層があるため、用途で選べます。
  • Looker: サブスクリプション型でカスタム契約が多いです。データモデル整備と組織全体での共有を重視する場合に適します。
  • Power BI: ユーザー単位の月額料金が基本。Office製品との親和性が高く、小・中規模の導入でコストパフォーマンスが良いケースが多いです。

簡単な選び方の目安

  • 少人数の分析チームで高機能を求めるならTableau。
  • 組織横断でデータ基盤に合わせて運用するならLooker。
  • Office中心の業務でコストを抑えたいならPower BI。
  • 閲覧中心でコストを抑えたい/予算を安定化したいならQuickSight(新制度)を検討してください。

各社で請求体系やオプションが異なります。導入前に利用人数・利用頻度・必要機能を整理して見積もりを取ることをおすすめします。

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