はじめに
本ドキュメントは、WordPressでサイトマップを作る手順と考え方をやさしくまとめた入門書です。HTMLサイトマップとXMLサイトマップの違い、プラグインや標準機能の使い方、自作の方法、さらにGoogleサーチコンソールへの登録手順までを扱います。初心者の方でも順を追って作業できるように解説します。
本書の目的
サイト構造を整理して訪問者の利便性を高め、検索エンジンに正しく伝えることが目的です。具体的な操作手順と設定例を示します。
サイトマップとは
サイトマップは「サイトの目次」のようなものです。HTMLサイトマップは人が見る一覧ページ、XMLサイトマップは検索エンジンが読み取るための機械向けファイルです。たとえば記事一覧やカテゴリ一覧をまとめたページがHTMLサイトマップに当たります。
想定読者と進め方
対象はブログ運営者や中小サイトの管理者です。本書は段階的に進めます。まずWordPressでの標準機能やプラグインを試し、必要に応じて自作の方法へ進んでください。
注意点
サイトマップは公開後も更新が必要です。非公開ページを含めないよう注意し、ファイルサイズが大きくなる場合は分割を検討してください。
次章から具体的な作成手順に移ります。
WordPressでサイトマップを作成する方法
WordPressでサイトマップを作るには、主にプラグインを使う方法がもっとも手軽です。標準機能や自分でコードを追加する方法もあります。ここでは初心者の方も使いやすい手順と注意点を説明します。
1. プラグインで簡単に作る
- 人気のプラグイン例：Yoast SEO、Rank Math、Google XML Sitemaps、All in One SEO。
- 手順：
- 管理画面の「プラグイン」→「新規追加」でプラグインを検索しインストールします。
- 有効化して、プラグインの設定に進みます。
- サイトマップ機能を有効にするだけで自動生成されます。
- 確認方法：ブラウザで「https://あなたのサイト/sitemap_index.xml」や「/sitemap.xml」を開いて確認します。
2. WordPressの標準機能を使う
- WordPress本体はサイトマップ機能を備えています（通常は /wp-sitemap.xml）。
- 他のプラグインが有効化されていると表示が変わることがあるため、どちらを使うか決めておきます。
3. コードでカスタマイズする
- テーマのfunctions.phpや専用プラグインでカスタムサイトマップを作れますが、誤ると表示に影響します。必ずバックアップを取り、テスト環境で動作確認してください。
4. 公開後の確認と注意点
- サイトマップのURLを確認し、robots.txtに記載するとクローラーが見つけやすくなります。
- 多くの人はプラグインで十分です。特別な要件がある場合だけコードでの調整を検討してください。
HTMLサイトマップの作成方法
WP Sitemap Pageプラグインを使う方法
- プラグインのインストール
- 管理画面で「プラグイン > 新規追加」を開き、「WP Sitemap Page」を検索してインストールし、有効化します。
- サイトマップページの作成
- 「固定ページ > 新規追加」でページを作成します。本文にショートコード [wp_sitemap_page] を挿入し、公開します。
- 表示の確認とカスタマイズ
- 公開後にページを開き、見出しや構成が意図した通りか確認します。見た目を整えるには、テーマのCSSにスタイルを追加するか、プラグインの設定（あれば）で表示項目を調整します。
All in One SEOを使う方法
- プラグインの準備
- 「All in One SEO（AIOSEO）」をインストールし、有効化します。
- HTMLサイトマップの有効化
- AIOSEOの設定内にあるサイトマップ関連の項目を開き、HTMLサイトマップ（または表示用サイトマップ）を有効にします。プラグインによってはショートコードや専用ブロックが表示されます。
- ページに挿入して公開
- 指定されたショートコードやブロックを固定ページに貼り付けて公開します。AIOSEOの設定で表示する投稿タイプやタクソノミーを選べます。
どちらの方法も手順は簡単です。見やすさを意識してページタイトルや説明を付けると、訪問者に親切なサイトマップになります。
XMLサイトマップの作成方法
WordPress標準のXMLサイトマップ
WordPress 5.5以降は、XMLサイトマップを自動で生成します。サイトのルートにある「/wp-sitemap.xml」をブラウザで開くと確認できます。たとえば、https://example.com/wp-sitemap.xml のように表示されます。
All in One SEOでの有効化手順
- プラグインをインストールし、有効化します。
- 管理画面の「All in One SEO」→「サイトマップ」に進みます。
- サイトマップ機能のスイッチをオンにします。
- 表示されたサイトマップURLをブラウザで確認します。
Yoast SEOでの有効化手順
- プラグインをインストールして有効化します。
- 「SEO」→「一般」→「機能」タブを開きます。
- “XMLサイトマップ”の項目をオンにします。
- 「？」アイコンか表示されたリンクからサイトマップを確認できます。
確認と注意点
- 標準機能とプラグインの両方が有効な場合、プラグインのほうが優先されることが多いです。
- サイトマップに含めたくないページは、プラグインの設定で除外できます。
- 生成後は必ずURLを開いて、意図したページが含まれているか確認してください。
自作によるサイトマップ作成方法
概要
プラグインを使わず自作でサイトマップを作成する方法を説明します。ここではXMLサイトマップ（検索エンジン向け）とHTMLサイトマップ（訪問者向け）の作り方、簡単なコード例、オンラインツールの利用、そしてFTPでのアップロード手順を紹介します。
XMLサイトマップ（簡単なPHP例）
動的にページ一覧を取得できる場合、PHPでXMLを出力すると便利です。例:
<?php
header('Content-Type: application/xml; charset=UTF-8');
echo '<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>';
echo "<urlset xmlns=\"http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9\">";
$pages = ['/','/about','/contact'];
foreach($pages as $p){
echo "<url><loc>https://example.com$p</loc></url>";
}
echo "</urlset>";
?>
このファイルをsitemap.phpとして置き、sitemap.xmlとして保存するか、URLで公開します。
HTMLサイトマップ（静的・動的）
単純なHTMLは訪問者に親切です。静的なら
のように作ります。CMSから自動で一覧を吐き出すスクリプトも便利です。
サイトマップ生成ツールの利用
オンラインジェネレーターやコマンドラインツールを使えば大規模サイトでも一括生成できます。クロール深度や除外パターンを設定してください。
FTPでのアップロード手順
- FTPクライアントでサーバに接続する（ホスト名、ユーザー名、パスワード）。
- サイトのルートディレクトリ（public_htmlなど）に移動する。
- sitemap.xmlをアップロードし、パーミッションを確認（通常644）。
- ブラウザでhttps://あなたのドメイン/sitemap.xmlにアクセスして表示を確認します。
注意点
URLは常に正しいプロトコルとドメインで記載してください。更新頻度が高い場合は自動生成を検討すると作業が楽になります。
Googleサーチコンソールへのサイトマップ登録
1. 準備
- サイトマップのURL（例: https://example.com/sitemap.xml）を用意します。
- Googleアカウントでログインできる状態にします。
2. プロパティの追加と所有権確認
- Search Consoleへログインし「プロパティを追加」からサイトを登録します。
- 所有権確認は次の方法が一般的です：
- HTMLファイルをアップロード：提示されたファイルをサイトのルートに置く
- DNS（TXT）レコードを追加：レンタルサーバやドメイン管理で設定
- GoogleタグやGoogleアナリティクスを利用：既に設置済みなら簡単です
- 確認が完了するとプロパティが使えるようになります。
3. サイトマップの送信手順
- Search Consoleで対象プロパティを選択します。
- 左メニューの「サイトマップ」を開きます。
- “新しいサイトマップの追加”にサイトマップのパス（sitemap.xmlなど）を入力して「送信」を押します。
4. 送信後の確認と対処
- 送信直後にステータスが表示されます。成功なら「送信済み」、問題があればエラー内容が出ます。
- よくあるエラー例：404（ファイル未配置）、XML形式エラー（タグ不整合）、ブロック（robots.txtで拒否）
- エラーが出たら該当箇所を修正し、再度送信します。
5. 更新時の運用と便利な方法
- サイトマップを更新したらSearch Consoleで再送信してください。頻繁に更新する場合は自動生成とインデックス通知（例: https://www.google.com/ping?sitemap=サイトマップURL）を併用すると便利です。
- robots.txtにSitemap: https://example.com/sitemap.xml を書いておくと検索エンジンが見つけやすくなります。
小さな確認を習慣化すると、インデックス状況を安定して管理できます。
